同じルース・エインワースの作。「しおちゃんとこしょうちゃん」の発行は2016年ですが、初出は1993年「子どものとも年中向き」です。両方とも「おはなしのろうそく」(東京子ども図書館編)にはいっています。
「こすずめのぼうけん」では、初めて飛んだこすずめが、羽を痛めてあちこちでやすめせてもらおうとしますが、仲間でないとことわられてしまい途方に暮れます。
「しおちゃんとこしょうちゃん」では、双子のこねこが、どっちが高いところまでのぼれるか競争して、もみの木のてっぺんまでのぼりますが、いざ降りる段になって、にっちもさっちもいかなくなります。
どちらも、冒険がつづきハラハラしますが、最後には必ずお母さんが助けに来てくれるという安心感があるお話です。
こすずめのぼうけん/石井桃子・訳 堀内 誠一・ 絵/福音館書店/1977年
はじめて飛んだこすずめが、途中で羽をいため、鳥の巣をみつけては休ませてください,とお願いします。
からすからは「かあ、かあ、かあって、いえるのかね?」
やまばとからは「くう、くう、くうって いえますか?」
ふくろうからは「ほうほう、ほうほうって いえるかね?」
かもからは「くわっ、くわっ、くわって いえる?」
どれにもこたえられないこすずめ。繰り返しと鳥にも興味が持てそうです。
しおちゃんとこしょうちゃん/こうもと さちこ:訳・絵/福音館書店/2016年
双子のこねこの名前がしおちゃんとこしょうちゃん。
双子ですから、なにをやるにも いっしょ。
目をあけるのも、ミルクをなめるのも、自分のしっぽを追いかけるのも一緒。
真っ白なねこは”しおちゃん”、灰色の毛がまじっているのが”こしょうちゃん”
ということは 塩と胡椒?
作者の遊び心でしょうか。
高いもみの木にのぼった双子が、小鳥や 飛行機、風に助けをもとめますが、だれも助けてくれません。夜になって、みどりいろの ひかりが ふたつならんで木をのぼりはじめます。正体は?
どちらの絵も、お話のイメージにピッタリです。