まほうつかいとねこ/せな けいこ/すずき出版/1995年初出
満月の晩の魔法使いの集まりは、ほうきに くろねこをのせて とんでいくのが ルール。
くろねこのいない魔法使いは、ねこ募集の張り紙を出しました。
ある雪の日、やってきたのは、寒さに震え、おなかをすかした しろねこ。
外は雪だしと、泊めてあげた魔法使い。次の日も雪で、天気が良くなるまで泊めることに。その間、しろねこは、暖かなストーブンのそばで毛糸巻きの手伝いをしました。
雪がやんで、しろねこがでていこうとすると、魔法使いは黒い毛糸ですっぽり 着られるセーターを編んでやり、魔法の集まりに行くことにしました。
ところが、しろねこがほうきにのる練習をすると、これがさんざん。しかたがないので、魔法使いは、しろねこをおんぶして、とんでいきました。
魔法使いが踊っている間、ねこたちも踊りました。暑くなって、しろねこが セーターを脱ぐと、「あっ しろねこだ」と、ねこも 魔法使いも びっくり。
「しろねこでも いいよ。だって、わたしの だいじな ねこだもの」連れて行った魔法使いが言うと、「そうね、なにいろだって ねこは ねこ。それにセーターをきせると、とても すてきだわ」と、ほかの魔法使いも同感。
次の満月の晩は、カラフルなセーターを着たねこが いっぱいでした。
みんなやさしい魔法使いたちです。
”みんな同じでなくていいよ”と、メッセージも明確です。