どんぴんからりん

昔話、絵本、創作は主に短編の内容を紹介しています。やればやるほど森に迷い込む感じです。(2012.10から)

お月さまをたすけた男・・イラン

2025年02月03日 | いろいろ

  現代アジア児童文学選5/アジアの笑いばなし/ユネスコ・アジア文化センター・編 松岡享子・監訳/東京書籍/1987年

 

 ある心優しい男が、ふと、井戸の中を見ると、水にお月さまがうつっているのが見えました。

 お月さまが、井戸の中におっこちて、気の毒に思った男が、大急ぎで長い綱の先に手かぎをゆわえつけたものをもってきて、お月さまを すくいだそうと、力任せに ひっぱりました。

 綱がきれ、男がどしんとあおむけにひっくりかえって頭を打ち、気を失ってしまいました。

 しばらくして、気がついてみると、男がいちばんはじめに目にしたのは、お月さまでした。今は、空たかくしずかにかがやいています。

 男は、うめき声をあげながらも、まんぞくそうにいいました。

 「おら、背骨おっちまったけど、ありがたいことに、お月さんは、ちゃんとたすかったよ」

 

 いま、井戸は見かけません。井戸がどういうものか説明が必要な時代です。

 


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