どんぴんからりん

昔話、絵本、創作は主に短編の内容を紹介しています。やればやるほど森に迷い込む感じです。(2012.10から)

六にんぐみせかいあるき

2018年09月03日 | グリム(絵本)


    六にんぐみせかいあるき/グリム 矢川 澄子・再話 スズキ コージ・絵/教育画劇/2001年

 こぐま社からでている「子どもに語るグリムの昔話2/佐々梨代子・野村宏訳」では、「六人男、世界をのし歩く」という題です。

 戦争が終わって、お金もろくにもらえずにお払い箱になった兵隊が、とちゅうであった五人の男。一人は、力持ち、二人目の男は遠くのものを射抜く名人、三人目の男は遠くから鼻息で風車を回す男、四人目の男はとりより速く走る男、五人目はぼうしをかぶるとあたりがおそろしく寒くなる男。

 この六人が、王さまから宝物を分捕って、みんなで山分けして、さいごまで、面白おかしく暮らすというお話。

 六人がやってきた都には、お姫さまとかけっこして、勝ったらお婿にする、負けたら、首をちょんぎるというお触れ。

 お姫さまには勝ち、さらに蒸し焼きにされそうなところも切り抜け、国中の金貨を手に入れた六人組に、王さまは、「きへいたい」にあとをおいかけさせますが・・。

 何しろスズキ・コージさんのカラフルな色づかいに圧倒されます。

 六人組のキャラクターにびっくりし、お姫さまのランニング姿にどっきりです。

 このお姫さま、最後のほうのページでもまだ走っています。こんどは素敵なお婿さまがみつかるかな。

 ほんとに最後のページには、王冠をかぶった鳥がいて、おなかのあたりには五線譜まで、これはなに?

 矢川さんの再話もテンポよく進みます。

 こおらせおとこに「よう、キザな ぼうしの おにいさん」とよびかけます。

 「きへいたい」がでてきますが「騎兵隊」ということでしょうか。「六人の男の世界旅行」(世界の民話6 ドイツ編/赤ひげとぶどう酒商人ほか/小川一枝・著 佐藤忠良・絵/家の光協会/1978年)には「騎兵隊」と漢字表記してありました。


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