六にんぐみせかいあるき/グリム 矢川 澄子・再話 スズキ コージ・絵/教育画劇/2001年
こぐま社からでている「子どもに語るグリムの昔話2/佐々梨代子・野村宏訳」では、「六人男、世界をのし歩く」という題です。
戦争が終わって、お金もろくにもらえずにお払い箱になった兵隊が、とちゅうであった五人の男。一人は、力持ち、二人目の男は遠くのものを射抜く名人、三人目の男は遠くから鼻息で風車を回す男、四人目の男はとりより速く走る男、五人目はぼうしをかぶるとあたりがおそろしく寒くなる男。
この六人が、王さまから宝物を分捕って、みんなで山分けして、さいごまで、面白おかしく暮らすというお話。
六人がやってきた都には、お姫さまとかけっこして、勝ったらお婿にする、負けたら、首をちょんぎるというお触れ。
お姫さまには勝ち、さらに蒸し焼きにされそうなところも切り抜け、国中の金貨を手に入れた六人組に、王さまは、「きへいたい」にあとをおいかけさせますが・・。
何しろスズキ・コージさんのカラフルな色づかいに圧倒されます。
六人組のキャラクターにびっくりし、お姫さまのランニング姿にどっきりです。
このお姫さま、最後のほうのページでもまだ走っています。こんどは素敵なお婿さまがみつかるかな。
ほんとに最後のページには、王冠をかぶった鳥がいて、おなかのあたりには五線譜まで、これはなに?
矢川さんの再話もテンポよく進みます。
こおらせおとこに「よう、キザな ぼうしの おにいさん」とよびかけます。
「きへいたい」がでてきますが「騎兵隊」ということでしょうか。「六人の男の世界旅行」(世界の民話6 ドイツ編/赤ひげとぶどう酒商人ほか/小川一枝・著 佐藤忠良・絵/家の光協会/1978年)には「騎兵隊」と漢字表記してありました。