世界ではじめての 女性大統領のはなし/ラウン・フリーゲンリング・作 朱位昌併・訳/平凡社/2024年
世界で男女間の平等がいちばんすすんで国とされているアイスランド。世界初の女性大統領を生んだのもこの国でした。
自称作家のひとりの子が、アイスランドの大統領だったヴィグディスをたずね、幼いころからの話をきいていきます。
何年もフランスで生活したあと、高校とテレビ番組でフランス語をおしえはじめたヴィグディスが、大統領候補に推されたのは、女性がみんな仕事をやめて、家の外に出て行って、男性と同じ権利を訴えた1975年の「女性の休日」から5年後。それから4期16年間大統領を務めます。
印象的なエピソードは、地方にまねかれるたび、カバノキの若木を3本もっていったこと。一本は女の子のため、一本は男のため、そしてもう一本はこれから生まれてる子どものため。このためか、ヴィグディス植林財団、アイスランド植林協会との協力で、この絵本のアイスランド語版が一冊売れるごとにカバノキの若木が一本植えられています。
この絵本では、1944年2024年まで、大統領になった女性は、ヴィグディスのほかいないとありますが、この8月1日から、ハトラ・トウマスドッティルが二人目の女性大統領として就任予定です。
最近、女性の大統領や首相は珍しくありませんが、まだまだ女性が国のリーダーになるのが話題になるのは、裏返して言えばまだまだ男女平等でないことかもしれません。
日本では政治家が絵本で取り上げられるのは皆無?。それだけ政治に信頼がないのかも。
アイスランドについて調べてみるきっかけにもなりました。