新米ペアレントの営業日誌・営業中

2005年3月1日に秋田県大仙市にオープンした大曲ユースホステルのペアレント(経営者)が日々の出来事を送ります。

阿倍比羅夫の北征

2024-12-20 22:00:43 | 秋田古代史

このところ時間が空いたら、先日調達してきた男鹿市史を読み始めています。今回は弥生時代に該当する部分からスタートですが、弥生、古墳時代に該当する部分は文献的に、また考古学的にも確たる史料が出ていないので、市史ではサラッと扱われる感じになっていました。

男鹿の名前が歴史に最初に出てくるのが日本書紀。過去に読んだ秋田県史でもここは取り扱われていました。男鹿市史を読もうと思った理由の一つが、その部分がどれだけ細かく書かれているかを確認することでした。ちなみにもう一つ男鹿市史を読もうと思った理由は、鎌倉から室町、戦国時代にかけてこの地を中心に沿岸部を支配した安東氏の話ですが、これはもう少し時間が必要になります。

男鹿市史のこの部分の著者は、著者個人の見解を述べることより、他の研究者の考えをいくつか紹介して、阿倍比羅夫の北征についての見方を描こうとしています。多くの自治体史では、著者の考えを中心に書かれることが多いようで、気を付けないと偏った味方になってしまいがちです。悪口を言えば、今回の男鹿市史では著者は何も述べていない、とも言えますが、素人にとっては、いろいろな見方を知ることもでき、面白い取り組みとも言えそうです。

さて、阿倍比羅夫の北征とは、5世紀から6世紀に連合国家であったとみられるヤマト(大和)政権が推古天皇の御代(592-)になり、厩戸(うまやど)皇子(聖徳太子)や蘇我馬子らに政治改革を委ね、冠位12階の制(603)や憲法17条の制定(604)を行なったり、遣隋使派遣→隋滅亡(618)→遣唐使派遣、更に645年にはいわゆる大化改新で唐の制度を採り入れ、天皇を中心とする中央集権国家を目指し諸々の改革を進めた時代の事。

日本書紀によれば、『658年(斉明4年)に、越国司(越前・越後を合わせた場所の知事)であった阿倍比羅夫が船180隻で蝦夷と戦い、齶田(秋田)、渟代(能代)を攻めて、齶田浦の蝦夷酋長恩荷が服従を誓ったため、冠位(小乙上)を与え、渟代、津軽2郡の郡領(こうりのみやっこ、今でいう郡長官)に任命したとのこと。』

この日本書紀の文章は、専門家の間でもいろいろな解釈がなされており、素人が読んでも突っ込みどころ満載。「恩荷」がオガ/オンガと読めることから男鹿の名前の初見とされるが、「オニ」と読む説があったり、郡領任命権が一国司にあるはずない、などなど。

細かいことは専門家に任せるとして、この北征の意義として考えられるのが、一つは朝鮮半島との関係によるもの。4世紀以来ヤマト王権は朝鮮半島に傀儡ともいえる任那を有していたが、562年に新羅によって滅亡し、朝鮮半島での権益を失った。その穴埋めとして、東北地方の支配を目論んだ、というのが一番理解しやすいようです。別な見方の中には、比羅夫一行は交易をも目的としたというものもあるようです。当時蝦夷地からの毛皮などは都でもてはやされていたようですが、これが主たる目的となるなら、都の人々はどれだけ欲深かったと。

ちなみにヤマト王権やその前の伝説上の話も含めると、秋田を含む東北地方に征伐としてきたのは、これが3回目。最初は(伝説上の)景行天皇25年(西暦95年)の武内宿禰による北陸、東北の視察派遣で、この際に「日高見国あり」とした記述が日本書紀に残り、その後蝦夷征伐を進言したため、景行天皇の子の日本武尊(やまとたける)が東征で宮城県辺りまで来たという話があるが、存在自体も伝説との説もあり、明確に東北に兵を連れてきたのは阿倍比羅夫が最初となるようです。ちなみによく知られた坂上田村麻呂の蝦夷征伐は平安時代初期の801年と阿倍東征から140年ほど後の事。教科書では学ばなかった東北の歴史です。

時々一時

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続く気温低下

2024-12-19 22:17:22 | 季節

昨晩-11℃まで下がった気温は朝の放射冷却でもそれ以上は下がらず7時時点で-10.4℃。昼の最高気温が-2℃どまりで今季初の真冬日となりました。最高気温がマイナスで、日没時間後はそれでもまた気温が下がりますが、雪が降り始めたので-3℃でとどまってくれました。

天気予報を見ていたら、隣の横手市は昨日の夜の気温は-3℃程度だったようで、今朝の最低気温も-6℃台だったようで、僅か20kmほどしかありませんが、天候には大きな違いがあります。

この寒気襲来で東京、大阪では本日初雪とのこと。秋田県でも雪は降っていますが、内陸よりも沿岸の秋田市や由利本荘市での積雪が多いようです。でも多いといっても20cmほどの積雪だったようです。

昼間の晴れ間には、当YHから奥羽山脈が見えましたが、寒々しい感じになっていました。

時々

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この時期に-11℃とは

2024-12-18 22:09:06 | 季節

今日の午前中の予報では明朝の最低気温は-8℃とのことで、残っている雪が固まる(凍結する)前に雪の処理。1回戦目は未明に除雪車が通ったので、その片づけとビジネスのお客様の車が出られるようにするための玄関入り口の雪寄せが朝6時半に開始して15分ほど。諸々のことを済ませ、午後になり、玄関前や南側奥の駐車場などで消雪パイプで消えきれなかった雪均しや、2階客室の窓から手を伸ばして屋根の雪を均す作業など、本日も一日3セットの運動となりました。

夕方日が暮れると、一気に気温の低下が始まり、雪は止んでいるものの、一方で月が出る時間もあり、今晩の気温低下は本気なようでした。朝の放射冷却で下がるのかと思ったら、夜10時過ぎには-11℃まで低下、慌てて水道の水を落とし、東側の浴室脱衣所にストーブを焚いて凍結防止措置を施しました。

果たして明朝どうなることやら。月夜はとっても危険です。

のち

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消雪パイプの水は地下水

2024-12-17 22:01:17 | 季節

昨日からの降雪は今日の午前中まで続き、15日に20cmを切るまでに減ったものの今朝9時に40cmにまで降り積もりました。それでも午後には雪も止み、消雪パイプも一旦停止してみました。

この消雪パイプによる雪をとかす仕組み、なければここでの生活もかなり厳しいものになります。時々お客様に聞かれるのは、水道代はいくらかかるか?とのこと。この仕組みで使う水は、水道水ではなく、地下水をポンプで汲み上げたものを使っています。このため水道代はかかりません。また開所当初に導入した際に水道屋さんに聞いたら、凍結防止のため比較的地下の深いところに水道管が埋設されているとのことですが、流れてくる水の温度は一桁前半の水。このため水道水を撒いても雪はとけないとのこと。一方地下水は1年を通じて10~15℃あるとのことで、寒い日に消雪パイプを稼働させていると、モヤが発生するほどです。ただこの地下水は鉄分が多く含まれて、いわゆる金気臭い水で、付着すると臭いが着いたり、赤くなったりしますので、飲用はもちろん、風呂トイレなどの生活水としても使うことができず、少し残念です。

地下水で当YHで使用する量も限られていますので、無制限に使えそうなものですが、以前数日連続運転をしたら、水脈の底の方の泥を汲み上げて、駐車場に行く通路が泥だらけになるということがありましたので、止められる時には止めるようにしています。

また水道代はかかりませんが、汲み上げるポンプの電気代は必要で、ザクっと計算したところでは使用する頻度にもよりますが、月数千円程度かと。それでも除雪を依頼したらそれ以上の費用が掛かりますし、除雪機を購入しても、雪寄せをするという「作業」が必要になりますので、消雪パイプを稼働しておけば雪寄せの作業から解放されることになりますので欠かせないものです。

のち

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3000円超の駅弁って?

2024-12-16 22:55:52 | 鉄道

昨日は昼過ぎから雪が降り、せっかく少しはとけた積雪も今朝までにまた増加に転じて、今日は夜8時に38cm(横手)にまで積もりました。

さて先日テレビで駅弁特集をやっていました。東京駅での取材のようで、中には隣接デパートのものもあったようですが、紹介されていた一つが牛肉弁当で値段が3,200円とのこと。家で食べたりイベントで食べる弁当というなら、ご時世柄こういうのがこの値段であってもおかしくはないですが、ついつい駅弁なの?と突っ込んでしまいました。

子供の頃、出かけたときの楽しみだったのが、東北本線小山駅の鳥肉弁当と上越線高崎駅のだるま弁当でした。一人で旅行するようになって食べたのは、横川の峠の釜めし弁当。いずれも500円しなかったと思いますし、碓氷峠を車で越えたときは、釜めしをお代わりしたり、残った釜を土産に持って帰ったりしました。

今では駅弁のホームでの人による「立ち売り」はほとんどなく、売店には駅弁より安いコンビニ弁当も並んでいたりと、昔ながらの郷愁は感じにくくなっているようです。一方、駅弁の値段は1000円を超えるものが多くなり、少し贅沢品。

そういえば、大館駅に出ていた花善という会社の名物も鶏めし弁当(980円)。国内では鉄道による旅行が贅沢になり、また地元秋田の人口減少も進んでいることから、海外へ進出し、日本の駅弁文化を広めるとしてフランスはパリの駅に売店を出していたとのこと。近くのスーパーでも時々販売していたり、最近では冷凍の弁当が道の駅などで売られているようです。ただせっかくの駅弁、電車で揺られながら食べるのが一番かもしれません。

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今年の経営成績は?

2024-12-15 22:48:19 | 経営

12月の中旬、お客様が多くない時期にいつも行うのが、帳簿の整理をして今年の着地点を探ることです。過去にほとんどありませんが、あまり利益が出て税金を払う必要があれば、緊急工事や備品の購入など今月中に行う必要があるためです。

今年は5月連休明けから、かなり厳しいことが予見していました。そのためそれ以降、本業以外の余計な経費はできるだけ抑制に動きましたが、大体見えてきたのは、当初見込んでいた3桁の赤字ではなくなりそうとのこと。それでも減価償却を越える赤字の見込みですので、今年は健全な赤字とはいかないようです。開所20年が経過し、減価償却もかなり少なくなってきていますので、悩ましいところです。

マスコミで今、盛んに云われている「103万円の壁」というのは、自営業には微妙な関係です。個人の基礎控除48万円はサラリーマンと変わりません。その上の給与所得控除55万円が自営業者にはありません。その代わり青色申告をちゃんとしていれば青色申告特別控除が55万円(ネット申告で+10万円)があり、併せて110万円が一つの壁となります。

本来YHとはいえ、収益事業であると考えれば、当然税金を払ってでも利益を出すのが本来の目的ですし、事業継続のためには必要不可欠です。開所から20年が経過して、設備や備品で劣化がいろいろ進んで、買い替えも出てきている中、なかなか納税事業者になるには厳しいです。

一時

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ついにハタハタが来た?!

2024-12-14 22:44:07 | 食文化

一昨日からの雪は今朝、一休みになり、当YHの消雪パイプも朝のお客様出発後、ようやくストップとなりました。しかし今日も午後から雪の予報。10年に一度の雪との予報ですので、まだ油断できません。

さて、今日夕方の地元のニュースでは、男鹿(北浦)でようやくハタハタの水揚げがあったとのこと。ただ量としては6kgほどと、過去に比べると桁がいくつも少ない程度。それでも昨日までは試験操業で一匹とかでしたので、まとまった量ということではあるようで、地元の漁師さんも期待が高まっているようです。

それにしても6kgだと数箱分。明日以降に初セリとなり、ご祝儀なんてことにもなるので、とんでもない値段が付きそうです。こちらではこの時期、ハタハタを食べないと正月が迎えられないと、スーパーでは北海道産のハタハタが並んでいます。量が少なく市場価格が高いことや、輸送コストがかかることなどから、高級魚扱いです。

秋田産ハタハタが増えたり、時期後半に少し値下がりすることを期待して、もう少し待つことにしましょう。ただハタハタ鮨は今年も作れそうにありません。

のち

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除雪車出動

2024-12-13 22:34:45 | 季節

一昨日の夜からの雪は、昨晩10時に29cmまで降り積もり、未明には今年最初の除雪車の登場となりました。これが出ると、玄関入り口の雪寄せが朝の仕事となります。例年だと11月下旬には朝の雪寄せが始まるものですが、今年はここまでしないで済んだことに感謝すべきなのでしょう。

ちなみに今回の雪は「当り」の地域になってしまったようで、すぐ近くの角館では積雪3cmとのことですし、内陸より雪が少ない秋田市でも3cmと比べものにならない程です。今回の積雪がどこまでとけてくれるかですが、例年、この時期にまとまった雪が降るとそれがきっかけで根雪になるようですので、本日から一面の銀世界が3月まで続くことになりそうです。

雪寄せもそうですが、凍結防止のための夜間の水道停止措置も、今年はまだやらずに済んでいます。先日も書きましたが、夜から朝の最低気温が-4℃を下回るようだと水道の元栓を占めて凍結防止を行います。こちらも早ければ11月下旬から度々、12月中旬からはほぼ毎日行うことが多いのですが、今年はやはりこれでも暖かいということなのでしょうか。来週には-8℃の予報の日が出てますので、そろそろこちらも始まりそうです。

のち時々

 

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今年も年末年始に寒波が来る?!

2024-12-12 22:26:45 | 季節

本日、1月中旬までの一か月予報が出ましたが、北日本の日本海側は気温は寒波の影響を受けやすいため、平年より低め、降雪量は多めとの予報で、特に年末年始に寒波が来る可能性が強いとの話。

月初に出ていた予報でも同様の話でしたので、覚悟はできていますが、12月で唯一お客様が多い年末年始に寒波となると、鉄道や道路が不通になる可能性もあり、今年も波乱の年末になるのでしょうか。

これまで雪がありませんでしたが、昨晩から降り始め、今日は一日雪が降り続き、夜10時には29cmとなりました。お客様がいなければ、明日朝から雪対応をすればよいのですが、本日から1月中旬までの平日、建設関係の方の長期滞在が始まりましたので、お客様が到着する夕方には、今季最初の入り口の雪寄せと消雪パイプ稼働となりました。

これから当分雪が続くとのことですので、久しぶりの肉体労働(雪寄せ)が始まります。今回のお客様は今のところ食事なしの素泊まりとの話ですので、こちらも時間に少し余裕が出来そうです。

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カード収集ブームに便乗?

2024-12-11 22:24:15 | 観光地

先日、観光キャンペーンで「駅カード」なるものが発行されるとのことで調べてみたら、カード収集ブームに便乗した多くのカードが発行されていることを知りました。「ダムカード」や「マンホール・カード」は当YHに来られるお客様からも話を聞きました。

ダムカードから派生して、ダムに付属することが多い発電所が発行する「発電所カード」、貯水ダムでなく、砂防ダムを管轄する砂防事務所が出す「SABO(砂防)カード」。ジオパークが出す「ジオカード」や国土交通省地方整備局が出す歴史まちづくり法に基づいて歴史的風致維持向上計画を策定し、農水大臣が認定した地域が発行する「歴まちカード」なるものまで。道の駅はスタンプ集めが主流ですが、ブームに乗って道の駅カードも有料で販売しているようです。

場所だけでなく、物でも出ているようで、地団カード(地域団体商標カード)は地域団体商標の普及のため配布されているもので、秋田県でも2種類が出ているようです。

大半が来てもらう、見てもらうことを主眼にしているため、その場所に行けば無料配布になっているようで、旅行のついでにというのにはもってこいなのかもしれません。ただ、先着でなくなったら終わりというのであれば、在庫があるかどうかの公表をしたほうが無駄足にならないし、一度切りの配布やブームが終わったら自然消滅ということはやめてほしいものです。

当YHではいろいろな所に行くことが多いのですが、こうしたカードを集めるならせっかくなら全種類集めたく(コンプリートする)なりますが、秋田県中心で隣県程度までしか足を延ばせませんので、手を付けないことにしています。それでも来られる方が集めている場合がありそうですので、話だけは知っておく必要があるかと。

時々

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