がんで死亡 無治療2割 12年県内
2016年12月1日 (木)配信山梨日日新聞
山梨県内で2012年にがんで亡くなった人のうち、がんの診察や治療を受けていなかった人が2割に上ることが県の調査で分かった。がんの診察、治療の履歴はないが、死亡診断書で死因はがんとされていた。がん検診を受けないまま病状が進行し、死亡したケースが多いとみられる。県は今後、市町村・年齢別に分析し、検診や受診に至らない人を減らす対策を講じる。
県は07年度から、がん患者の情報を把握して予防対策に生かそうと、医療機関で患者をがんと診断した場合、県に届け出る地域がん登録事業を行っている。12年に亡くなったがん患者のうち、がん登録がない人について、死亡診断書を基にがんの種類や死亡時の病状などを調べ、初めて分析した。
12年にがんで亡くなったのは2549人。直接の死因はほかの病気でも、死因にがんが影響しているケースも含んでいる。そのうち、がん患者の登録がなかった人は541人(21・2%)に上った。
がん登録がなかった患者の死亡診断書によると、がんの部位別では、肺が99人(18・3%)で最多。大腸(結腸・直腸)62人(11・5%)、胃61人(11・3%)、膵臓58人(10・7%)、肝、肝内胆管51人(9・4%)も目立った。
がんの発見経緯は「不明」が71・2%、「他の疾患の経過観察中」が26・4%で、合わせて9割を超えたが、「がん検診」で見つかった人はいなかった。
死亡時のがんの進行度は「不明」が47・5%、「遠隔転移」が31・4%、「隣接臓器浸潤」が8・7%、「リンパ節転移」が4・3%。「早期がん」は8・1%のみで、多くの場合は死亡時にがんが進行していた。
治療の状況は「治療していない、不明」が76・0%。がんに罹患した認識がなく、適切な治療を受けないまま死亡したケースが多いとみられる。残りの24・0%は地域がん登録事業のスタート前に診断された人など。
県健康増進課は「がんの発見経緯や進行度が不明で、治療していない人が多いことから、体調を崩して飛び込みで受診し、亡くなった可能性が高い。年齢や性別、居住地などを分析し、がん検診や治療の未受診者を減らす対策を考える」としている。
2016年12月1日 (木)配信山梨日日新聞
山梨県内で2012年にがんで亡くなった人のうち、がんの診察や治療を受けていなかった人が2割に上ることが県の調査で分かった。がんの診察、治療の履歴はないが、死亡診断書で死因はがんとされていた。がん検診を受けないまま病状が進行し、死亡したケースが多いとみられる。県は今後、市町村・年齢別に分析し、検診や受診に至らない人を減らす対策を講じる。
県は07年度から、がん患者の情報を把握して予防対策に生かそうと、医療機関で患者をがんと診断した場合、県に届け出る地域がん登録事業を行っている。12年に亡くなったがん患者のうち、がん登録がない人について、死亡診断書を基にがんの種類や死亡時の病状などを調べ、初めて分析した。
12年にがんで亡くなったのは2549人。直接の死因はほかの病気でも、死因にがんが影響しているケースも含んでいる。そのうち、がん患者の登録がなかった人は541人(21・2%)に上った。
がん登録がなかった患者の死亡診断書によると、がんの部位別では、肺が99人(18・3%)で最多。大腸(結腸・直腸)62人(11・5%)、胃61人(11・3%)、膵臓58人(10・7%)、肝、肝内胆管51人(9・4%)も目立った。
がんの発見経緯は「不明」が71・2%、「他の疾患の経過観察中」が26・4%で、合わせて9割を超えたが、「がん検診」で見つかった人はいなかった。
死亡時のがんの進行度は「不明」が47・5%、「遠隔転移」が31・4%、「隣接臓器浸潤」が8・7%、「リンパ節転移」が4・3%。「早期がん」は8・1%のみで、多くの場合は死亡時にがんが進行していた。
治療の状況は「治療していない、不明」が76・0%。がんに罹患した認識がなく、適切な治療を受けないまま死亡したケースが多いとみられる。残りの24・0%は地域がん登録事業のスタート前に診断された人など。
県健康増進課は「がんの発見経緯や進行度が不明で、治療していない人が多いことから、体調を崩して飛び込みで受診し、亡くなった可能性が高い。年齢や性別、居住地などを分析し、がん検診や治療の未受診者を減らす対策を考える」としている。