「教育の質低下の恐れ」 獣医系大、首相発言を批判
2017年7月3日 (月)配信共同通信社
安倍晋三首相が獣医学部新設について「全国展開を目指したい」と発言したことに対し、獣医学系16大学でつくる全国大学獣医学関係代表者協議会と日本獣医学会の幹部が30日、文部科学省で記者会見し、「現状を理解していない発言だ。獣医系大学が乱立すれば、教員を確保できず、獣医師養成の深刻な質の低下を招く」と批判した。
会見で同協議会会長の稲葉睦(いなば・むつみ)・北海道大教授は獣医師の総数は足りていると説明。「教育内容や獣医師の需給に関して適切に検討されないまま、国家戦略特区を活用して無制限に規制緩和が進められようとしている」と懸念を表明した。
一方で、同学会理事長の中山裕之(なかやま・ひろゆき)・東大教授は、地域や職域の偏在があり、特に口蹄疫(こうていえき)や鳥インフルエンザなどの感染症対策で指揮を執れる公務員獣医師が不足しているとして「待遇改善の要求を地道に続ける必要がある」と指摘。大学卒業後、獣医師として自治体に一定期間勤務すれば、返済免除となる奨学金制度を拡充させる必要性も強調した。
両団体は28日、首相の発言を批判する声明を共同で公表していた。
2017年7月3日 (月)配信共同通信社
安倍晋三首相が獣医学部新設について「全国展開を目指したい」と発言したことに対し、獣医学系16大学でつくる全国大学獣医学関係代表者協議会と日本獣医学会の幹部が30日、文部科学省で記者会見し、「現状を理解していない発言だ。獣医系大学が乱立すれば、教員を確保できず、獣医師養成の深刻な質の低下を招く」と批判した。
会見で同協議会会長の稲葉睦(いなば・むつみ)・北海道大教授は獣医師の総数は足りていると説明。「教育内容や獣医師の需給に関して適切に検討されないまま、国家戦略特区を活用して無制限に規制緩和が進められようとしている」と懸念を表明した。
一方で、同学会理事長の中山裕之(なかやま・ひろゆき)・東大教授は、地域や職域の偏在があり、特に口蹄疫(こうていえき)や鳥インフルエンザなどの感染症対策で指揮を執れる公務員獣医師が不足しているとして「待遇改善の要求を地道に続ける必要がある」と指摘。大学卒業後、獣医師として自治体に一定期間勤務すれば、返済免除となる奨学金制度を拡充させる必要性も強調した。
両団体は28日、首相の発言を批判する声明を共同で公表していた。