日々

穏やかな日々を

退院後も気配りケア 飯塚病院の最優秀看護師

2017年07月05日 21時12分55秒 | 仕事
退院後も気配りケア 飯塚病院の最優秀看護師
2017年6月22日 (木)配信西日本新聞

 アイドルグループの頂点を決めるAKB総選挙ならぬ、看護師の頂点を決める“ナース総選挙”―。筑豊地区最大の飯塚病院(飯塚市芳雄町)が、最優秀看護師を同僚看護師が投票で決める「年間ナース表彰」を行い、外科系混合病棟に所属する中尾里美さん(41)が今年、栄冠に輝いた。中尾さんは、患者に合わせた退院支援の点で評価が高かった。「自分には関係ない賞と思っていたので、心の底からうれしい」と話した。
 同病院の看護師は6月1日現在、1108人。表彰は看護師の意欲を上げ、同僚のモデルとなれるように2004年から毎年テーマ別に実施している。今回は「患者に寄り添った退院支援ができ、真心を感じる看護師」をテーマに、看護師が1人1票で投票。所属部署で看護師数が異なるため偏りがないよう補正措置を行い、中尾さんは最多の17票を獲得した。5月10日に上位8人の表彰式を行った。
 中尾さんは外科一般病棟や救命救急センターなどを経験して現在の職場は10年近くになり、呼吸療法認定士資格などを持つ。
 仕事内容は、ほかの看護師と大きく異ならない。寝たきりの患者の体を拭き、食事やおむつの介助などに対応するが、「心掛けるのは、患者さんから頼まれる前に行動すること」(中尾さん)という。
 評価されたのは、退院前後における気配りだ。入院時から患者本人やその家族から退院後の生活や目標を聞き出し、ソーシャルワーカーなどに病態や生活上で必要な支援などを伝える。退院後も自宅を訪ね、患者自身による傷の手当てが指導通りに行われているか、食事の栄養面、薬の服用などを確認している。退院後の手厚いケアは通常業務の負担増にもつながりかねないが、中尾さんは「患者さんが少しでも早く自宅に帰れるよう、ゴールを見据えながらやっている」と話す。
 中尾さんを推した投票者からは「患者の家族構成や退院後の生活のことをいつも考えている」「患者にもスタッフにも優しく、スキルアップし続けている」などの声があった。森山由香看護部長は「看護師には、患者が退院したら終わりという人もいる中で、責任を持って退院後も関わっている」と評価した。
 中尾さんは2児の母で「子どもができて患者さんとの接し方も、もっとコミュニケーションをとるよう変わった」と振り返る。「歴代の受賞者は、笑顔がすてきで患者に寄り添っていて、憧れていた。まだまだ未熟なのでがんばっていきたい」と笑顔を絶やさない。
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「勤務医不足」打開へ注目 いわき市地域医療を守り育てる条例

2017年07月05日 21時06分03秒 | 行政
「勤務医不足」打開へ注目 いわき市地域医療を守り育てる条例
2017年6月27日 (火)配信福島民友新聞

「いわき市地域医療を守り育てる基本条例」が同市6月議会で可決、制定された。同条例の制定で深刻な勤務医不足を抱える同市の打開策となるかが注目される。市と市民、医療機関の果たすべき役割を定め、それぞれの立場が連携して地域医療を守っていくための理念を掲げている。市によると、東北初の条例という。
 同市の病院勤務医数は2002(平成14)年から12年にかけて毎年10人程度ずつ減少。慢性的な医師不足が続いていた中で、東日本大震災と東京電力福島第1原発事故が発生、多くの避難者を受け入れたことで状況が深刻化した。
 同市は14年時点で、人口10万人当たりの医師数が全国平均233.6人に対し172.1人と大きく下回り、このうち病院勤務医数は全国平均153.4人に対し88.3人と半分近い。
 医師確保が難しい中で、条例制定の背景には、緊急ではない患者からの救急車要請や、軽症なのに「忙しい」などの理由で夜間救急などを利用する「コンビニ受診」の増加、高齢化の進行による医療需要の増加などがある。実際、昨年同市で救急搬送された1万2017人のうち、4968人(41.3%)が軽症だった。
 条例では、地域医療の課題克服に向け、それぞれの立場が連携、協力して地域医療を守り育てることが必要とし、市と医療機関、市民の果たすべき役割など基本理念を定めた。
 市の役割は「地域医療を守り育てるための施策を策定し、実施すること」とした。市民の役割は「かかりつけ医を持つこと」「休日・夜間の安易な受診を控えるよう努めること」、医療機関は「患者の病状に応じた機能分担と連携により地域医療を充実させること」「患者との信頼関係を築くこと」などと定めた。
 同条例が形だけでなく、効力を持つ施策を展開できるかが注目される。
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がん患者と終末期 麻央さんの選択、専門家はどう見た

2017年07月05日 21時01分45秒 | ガン
がん患者と終末期 麻央さんの選択、専門家はどう見た
2017年6月24日 (土)配信朝日新聞

 22日に亡くなった小林麻央さんは、亡くなるまで、夫の市川海老蔵さんや長男勸玄君、長女麗禾ちゃんら家族と自宅で過ごした。
 がん患者宅に看護師を派遣し在宅療養を支えている、東京都墨田区の「訪問看護パリアン」看護部長の川越博美さん(69)は「家族の中で最期の日々を過ごすことは、患者本人や家族にとってとても良いことだ」と話す。
 16日の麻央さんのブログでは、体調について子どもたちと言葉を交わしたとある。麗禾ちゃんが「あら!ママ、昨日よりひどくなってる! どうしたの。かわいそうに」と話したとつづっている。
 川越さんは在宅療養について、「子どもたちは、お母さんの肌に触れ合うことができるし、食事をするときにも一緒にいることができる。病気と向き合うお母さんの生き様を見せることもでき、その姿は子どもたちの中に残っていく。家でみとることができれば、家族は、手を尽くして見送った、と思えるだろう」と話す。
 終末期のがん患者は急に容体が悪化することがある。「自宅にいて大丈夫か」と、家族が不安に思うこともある。パリアンでは24時間電話による相談を受け付けており、深夜や早朝は当直の看護師が電話を受ける。何かあれば、在宅医と訪問看護師が駆けつける。痛みを和らげるために薬の量を調整するなど、きめ細かく対応している。
 川越さんは「専門職が、残る日々にあってもふだん通りの生活を取り戻すことができるよう支援している」と話す。
 自宅で療養するがん患者の支援をしている永寿総合病院(東京都)の広橋猛・緩和ケア科副部長は、麻央さんの悲報について「あごに転移するなどしていたようなので、相当な激痛と闘う日々だったのではないか。若い人は感覚が敏感で、高齢者よりも医療用麻薬を主とした痛み止めを多く用いなければならないことが多い」と話した。
 一方で、ブログを読んでいた印象として、早い時期から治療だけでなく薬の副作用や痛みを和らげるケアも受けていたと見ている。「主治医との信頼関係があり、緩和ケアや看護スタッフの支援体制も行き届いていたと感じる」と話す。
 最後となった20日のブログに麻央さんは「オレンジジュース」と題して、自身の写真と共にアップした。「ここ数日、絞(しぼ)ったオレンジジュースを毎朝飲んでいます。正確には、自分では絞る力がないので、母が起きてきて、絞ってくれるのを心待ちにしています」などとつづっていた。23日に都内であった会見で、夫の海老蔵さんは、死の間際に麻央さんが「愛している」と言ったと伝えた。
 「難しい痛みを抱えながらでも、家族と一緒に自宅で過ごしたいという希望を周囲が支えられてよかった」と広橋さんは語る。
 がん患者は最後の1~2カ月、急激に悪化していくとされる。「ブログでの発言をニュースで知る限りだが、そう遠くない時期に、こうした事態を迎えるのではないかと感じていた」とも話した。
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職場での受動喫煙はこんなに恐ろしい

2017年07月05日 20時52分44秒 | タバコ
一定のリスクを伴う職業もあります。たとえば、医療従事者はX線を使った胃や血管の検査をするときなどに放射線被ばくを受け、小さいとはいえ発がんのリスクになります。ただし、職業被ばくは厳密に管理されており、かつまた、被ばく量を減らすような努力が行われています。
 喫煙可の飲食店などで働く人は受動喫煙を受けることもあるでしょう。職業上の受動喫煙のリスクを完全にゼロにしなければならない、というのは現実的ではありません。しかし、受動喫煙のリスクは、職業被ばくと違って、ほとんど管理されていないのが実情です。
 バーやボーリング場やビリヤードホールなどにおける職業上の受動喫煙のリスクについて評価した、2003年のアメリカ合衆国の論文( https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/12958397 )を読んでみました。すでに2003年の時点で公共の施設やオフィスビルの受動喫煙対策が進んでおり、対策の遅れているバーなどを研究対象としたようです。
 屋内の空気中のニコチン濃度から、40年間働いた場合の労働者の肺がん死亡率の生涯の過剰リスクを計算しました。空気中のニコチン濃度は喫煙状況と相関し、当たり前ですが濃度が高ければ高いほどリスクが高いです。結果は、労働者1000人あたり1.0~4.1人が受動喫煙による肺がんで余計に死亡すると推定されました。
 「1000人あたり1.0人って、それほどリスクは大きくないな」って思った人はいませんか? 甘いです。かなり大きなリスクです。一般的な「社会的に許容されない明白なリスク」は1000人あたり0.3人とされており、これを軽く超えています。ついでに申し添えますと、1000人あたり1.0~4.1人とは肺がんだけの数字で、他のがんや心血管疾患や脳血管障害による死亡を含んでいません。
 大手広告代理店の社員が過労自殺したというニュースがありました。長時間労働が自殺の原因であることは明らかですが、「同じぐらい長時間労働していても自殺しない人もたくさんいる。1000人あたり1.0人が自殺する程度の小さなリスクなら長時間労働も許容できる」なんて言う人はいないでしょう。
 過労自殺と違い、喫煙と肺がんは暴露から発病まで時間がかかりますので、害を過小評価しがちです。でも害の大きさを考えれば、職場における受動喫煙は、長時間労働と同じかそれ以上に対策が必要です。原則としては受動喫煙は無いほうが望ましいですが、やむを得ない場合は、労働時間や放射線被ばく量を測定するように、職場の喫煙状況を測定して規制するような対策が必要かもしれません。

<アピタル:内科医・酒井健司の医心電信・その他>
http://www.asahi.com/apital/healthguide/sakai/(アピタル・酒井健司)

アピタル・酒井健司(さかい・けんじ)
内科医
1971年、福岡県生まれ。1996年九州大学医学部卒。九州大学第一内科入局。福岡市内の一般病院に内科医として勤務。趣味は読書と釣り。医療は奥が深いです。教科書や医学雑誌には、ちょっとした患者さんの疑問や不満などは書いていません。どうか教えてください。みなさんと一緒に考えるのが、このコラムの狙いです。
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亡き妻、麻央さんに重ねた 「はなちゃんのみそ汁」作者

2017年07月05日 20時28分14秒 | ガン
亡き妻、麻央さんに重ねた 「はなちゃんのみそ汁」作者
2017年6月24日21時33分
安武はなさんが昨年10月に小林麻央さんに宛てて書いた手紙

 「麻央さんはブログを通じ、病で苦しんでいる人たちを笑顔にしたかったのだと思う」。2008年に乳がんで妻の千恵さん(当時33)を亡くした福岡市の安武信吾さん(53)は23日、長女のはなさん(14)と取材に応じ、語った。「はなちゃんのみそ汁」(文芸春秋)をつづったことで知られる家族だ。
 千恵さんもブログを書いていた。「最初はがんであることを人に言わなかったが、ブログを書き始めたらふっきれ、明るくなった」と振り返る信吾さん。「気持ちをはき出し、受け止めてもらって。『分かち合い』ができたのが大きかった。麻央さんもそうだったのでは」とみる。
 麻央さんが最後につづった言葉は「皆様にも、今日 笑顔になれることがありますように」だった。
 信吾さんは「つらくて、こわいはずなのに、他者を思いやる心は多くの人たちに伝わったに違いない。すごい人だ」と話した。
 夫で歌舞伎俳優の市川海老蔵さん(39)と2人の子どもにも思いを寄せた。
 千恵さんが亡くなったあと、信吾さんは茫然自失(ぼうぜんじしつ)の毎日を過ごした。酒と精神安定剤に頼って1日をやり過ごし、未来が全く描けなくなった。そんな自分を取り戻すきっかけとなったのは、はなさんが作るみそ汁だった。
 千恵さんが「1人でも生きていけるように」と、はなさんに教えたみそ汁だった。そして、信吾さんの話にじっと耳を傾けてくれた周囲の存在も大きかった。「海老蔵さんも信頼できる人に甘えてほしい。舞台もあって大変だとは思うが、無理せず、心地よい場所に身を置いてほしい」。信吾さんはそう言う。
 千恵さんが亡くなった当時、5歳だったはなさんは昨年10月、麻央さんに宛てた手紙をしたためていた。麻央さんの闘病を伝える新聞記事を読んだその日、一気に「食べ物の力はすごいです。麻央さんも、しっかり、ご飯を食べてくださいね。(中略)病気が治ることを祈っています」などと書いた。麻央さんのもとには届かなかったが、手元に大事にしまっている。
 はなさんは「(麻央さんの子どもたちに)かわいそうにって言わないで」と願う。母がいなくて寂しく思った時は、もちろんある。「でも、パパがいるし、ママは体はないけど、いる。かわいそうって言われるのがすごく嫌だったし、今も嫌です」

<アピタル:ニュース・フォーカス・その他>
http://www.asahi.com/apital/medicalnews/focus/
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オフィスに「置き薬型」コンビニ ローソン、23区内に1千カ所設置へ

2017年07月05日 16時02分04秒 | 買い物
オフィスに「置き薬型」コンビニ ローソン、23区内に1千カ所設置へ
2017年7月4日 (火)配信朝日新聞

 ローソンは3日、企業のオフィス向けに菓子やカップ麺を「置き薬」方式で販売する「プチローソン」を東京23区内で本格展開すると発表した。交通系電子マネーが使えるセルフレジ端末が付いた棚を活用。2018年2月までに約1千カ所の設置を目指す。オフィスでの軽食需要を見込み、約50品目を並べられる棚をオフィス内に置く。セルフレジを使い、購入者はスイカやパスモで決済できるようにする。オフィスから設置費用などは取らない。
 同様のサービスは、江崎グリコが2002年から本格展開する「オフィスグリコ」が先行する。コンビニではファミリーマートが菓子やカップ麺を置く「オフィスファミマ」を13年から東京都と神奈川県で開始。約1千カ所に広げている。
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放射性物質による樹脂の分解「有力な原因」 大洗事故

2017年07月05日 15時57分57秒 | ガン
放射性物質による樹脂の分解「有力な原因」 大洗事故
2017年7月4日 (火)配信朝日新聞

 茨城県大洗町の日本原子力研究開発機構大洗研究開発センターで作業員5人が被曝(ひばく)した事故で、原子力機構の児玉敏雄理事長は3日、「放射性物質による樹脂の分解が、ガス発生の有力な原因と考えられる」との認識を示した。事故の原因究明を進める文部科学省の特命チームの会合で報告した。
 被曝事故では、保管容器内のビニール袋が破裂して放射性物質が飛散した。ビニール袋内でガスが発生していたとみられる。原子力機構による調査で、ビニール袋内のポリ容器には、放射性物質の粉末や、粉末をエポキシ樹脂で固めたものなどが入っていたことが分かっている。原子力機構が実際に樹脂と放射性物質を混ぜて実験したところ、放射線によって樹脂が分解されてガスが発生したことが確認できたという。
 原子力機構はほかの要因も検証しているが、樹脂の分解が有力な原因とみている。21日に事故原因をまとめる方針だ。
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吉野家にヘルシー牛丼 糖尿病予防の成分を混ぜる

2017年07月05日 15時45分34秒 | 
吉野家にヘルシー牛丼 糖尿病予防の成分を混ぜる
2017年7月4日 (火)配信朝日新聞

 吉野家は、健康維持に効果があるとされる成分を加えた牛丼「サラシア牛丼」を全国の店舗で売り出した。店舗での調理の際に、東南アジアなどで糖尿病予防に使われる植物「サラシア」の成分を通常の牛丼の具材に混ぜるが、味は通常の牛丼とほとんど変わらない。糖の吸収を抑え、食後の血糖値の上昇を緩やかにするという。価格は通常の牛丼より100円高い税込み480円(並盛り)。
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熱中症搬送は1914人 前週から倍増

2017年07月05日 15時38分01秒 | 仕事
熱中症搬送は1914人 前週から倍増
2017年7月4日 (火)配信共同通信社

 総務省消防庁は4日、6月26日~7月2日の1週間に1914人が熱中症で搬送されたとの速報値を発表した。熊本県で1人が死亡した。前週の946人から倍増した。
 各地で気温が上昇した7月2日に搬送者が815人と集中した。消防庁は今後も気温の上昇が見込まれるとして、適度な休憩や小まめな水分補給といった対策を取るよう呼び掛けている。
 集計によると、3週間以上の入院が必要な重症は25人、短期の入院が必要な中等症は584人だった。65歳以上の高齢者は49・1%を占めた。
 都道府県別では、福岡の137人が最も多く、大阪133人、愛知120人と続いた。
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香山リカのココロの万華鏡:少しずつ家族になる /東京

2017年07月05日 15時32分06秒 | 仕事
香山リカのココロの万華鏡:少しずつ家族になる /東京
2017年7月4日 (火)配信毎日新聞社

 話題の映画「ローガン」を見た。アメリカのコミック誌のヒーローであるローガンを主人公にした映画シリーズの最終章と言われている。ローガンは人類を超越した能力を持った超人たちの一人なのだが、もう長い間、新しい超人が生まれず、残っている人たちはみな老いている。
 そんな中、生き残りの超人たちは一人の少女と出会い、その少女こそが待ちに待った新しい超人であることに気づく。その子は、戦闘のために超人を開発しようとしている施設から逃げてきたのだ。少女を奪い返そう、と追っ手が迫ってくる。
 そこから始まる超人たちの逃避行は映画館で見てもらうとして、強く私の印象に残ったのは、ローガンと幼い少女とのぎこちない関係だ。途中から、少女はどうやら遺伝的にローガンと親子かもしれないことが明らかになってくるのだが、孤高の人であるローガンはすぐに「おお、娘よ!」とは愛情を示せない。少女のほうも施設で家族の情愛を知らずに育ったのだから、すぐにひとに甘えることができない。
 しかし、追ってくる敵から逃げるうちに、自然に二人の間に仲間意識のような感覚が芽生えていく。そして、それでもなかなか「お父さん!」「娘よ!」とはいかないのが、またおもしろい。
 よく考えてみれば、世間の親子関係もそうかもしれない。診察室には、「自分で産んだ子どもなのにどうしても無条件の愛情を感じられない」と悩む母親がやって来る。子を持つ男性に「お子さんとの関係は」と尋ねると、「何を考えているか分からない」「他人より冷たい」といった答えが返ってくることもある。
 もちろん、仲良し父子、密着母娘も少なくはないが、「わが子だからといって、すぐに分かり合えるわけではない」という“ローガンスタイル”のほうがむしろ理解できる気がする。
 きっと家族は本来、最初から家族であるわけではなくて、お互いに少しずつ分かり合い、いろいろな経験を重ねる中で、少しずつ「家族になっていく」のではないだろうか。そう考えると、ローガンと少女の関係はそれほど特殊ではない気もする。
 いまはなんとなく不自然。ちょっと距離を感じる。それでも、相手のことを思いやり、自分の気持ちを話すことで、より親子らしく、より夫婦らしくなっていく。そんな“ローガンスタイル”の家族もまた、すてきなのではないだろうか。(精神科医)
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妊産婦の心のケアに手引 産婦人科医会が普及へ 「医療新世紀」

2017年07月05日 07時02分56秒 | 医療情報
妊産婦の心のケアに手引 産婦人科医会が普及へ 「医療新世紀」
2017年7月4日 (火)配信共同通信社

 心理、社会的な問題を抱える妊産婦を早めに見つけ、必要な支援をするための知識を医療者向けにまとめた手引「妊産婦メンタルヘルスケアマニュアル」を、全国の産婦人科医でつくる団体、日本産婦人科医会(木下勝之(きのした・かつゆき)会長)が作成した。今後、手引の内容習得のための研修も進めるという。
 手引はA4判約100ページ。妊産婦に多い心の不調や障害などを解説した「基礎知識」、実際の接し方や心の状態の評価方法を紹介した「ケアの実際」、産科以外の分野の専門職と連携する際に役立つ情報をまとめた「多領域協働チームの意義と実際」などの章からなる。
 地域の実情に応じ多職種での妊産婦支援に取り組んでいる秋田県、大阪府、大分県の実践例も紹介している。
 妊産婦の心の不調は、子どもの虐待など深刻な事態につながる可能性があることが分かってきており、近年、支援の取り組みが広がりつつある。
 同医会は昨年、妊産婦の心のケアに関する新たなプロジェクトを発足させ、最初の取り組みとして手引をまとめた。担当者の一人、相良洋子(さがら・ようこ)常務理事は「ケアが必要な人が自分から助けを求めてくることはほとんどなく、医療者側が見つけることが重要。手引と研修を広げることで、妊産婦の心の状態を共通の尺度で評価し、適切なケアにつなげていきたい」と話している。
 手引は無料配布を開始したが、好評で在庫がなくなったため、増刷し実費で販売する予定。問い合わせは日本産婦人科医会のホームページ(http://www.jaog.or.jp)から。
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隠れた病:意外と怖い耳鳴りの話/下 脳主幹動脈狭窄症 脳梗塞前兆のサイン 見逃さず対処で予防 /神奈川

2017年07月05日 07時00分20秒 | 医療情報
隠れた病:意外と怖い耳鳴りの話/下 脳主幹動脈狭窄症 脳梗塞前兆のサイン 見逃さず対処で予防 /神奈川
2017年7月4日 (火)配信毎日新聞社

 耳鳴りで疑われる脳の血管の病気について、昭和大学藤が丘病院(横浜市青葉区)の寺田友昭・脳神経外科教授に話を聞いた。最終回は「脳主幹動脈狭窄(きょうさく)症」について紹介する。
 脳主幹動脈症では脳に栄養をもたらす太い血管の一部が狭くなり、そこを通る血液の流れが速くなって雑音が出るという。これを放置しておくと血管が詰まってしまうことがあり、脳梗塞(こうそく)の原因になる。カテーテル(管)を使った血管内治療によって狭くなった血管を拡張したり、ステントと呼ばれる網状の特殊な金属製の筒を血管内に置いたりする方法で治療できる。
 80代の男性は耳鳴りで受診し、頸(けい)動脈に聴診器を当てると雑音が聞こえた。精密検査をしたところ、脳主幹動脈の一つである首の内頸動脈が狭くなっていた。その狭くなった部分にステントを置く治療をし、雑音が消えた。このケースも放置していたら血管が詰まり、脳梗塞になっていた可能性があったという。
 耳鳴りで気づくこともある脳主幹動脈狭窄症だが、前兆としてより多くみられるのが「一過性脳虚血発作」(TIA)と呼ばれる症状だ。突然、片方の手がまひしたり、ろれつが回らなくなったりするが、短時間のうちによくなる。症状が出た時点で受診すれば、血管が詰まって脳梗塞になる前に治すことができる。
 脳のどの血管が詰まるかによって、TIAの症状はさまざまな形で出現する。突然片方の視野が欠ける、片目が全く見えなくなる、手足が動かなくなる、しびれる、ふらふら感が出る、言葉が出なくなる、などだ。早ければ数分間で治ることもあり、「今のは何だったのだろう」と思うだけでせっかくの病気のサインを見逃してしまいがちだという。
 このため、寺田教授は「TIAの裏側には脳主幹動脈狭窄症が隠れていることが多い。すぐに専門医を受診してもらえたら、脳卒中を予防することができる」と強調する。
 健康な人でも起こりうる耳鳴りだが、この他にも先天的に脳の動脈と静脈がつながっている「脳動静脈奇形」などが隠れていることもある。寺田教授は「一般的に知られていない病気も多い。手遅れにならないよう、多くの方に隠れた病気の存在を知ってほしい」と話している。【太田誠一】
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