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穏やかな日々を

退職や別れをきっかけに、高齢者のアルコール依存症

2016年12月23日 17時14分06秒 | 医療情報
退職や別れをきっかけに、高齢者のアルコール依存症
熊井洋美、武田耕太
2016年12月7日06時00分

 退職や身近な人の死別などをきっかけにアルコール依存症になる高齢者が増えている。年を取ると同じ飲酒量でも若いころより酔いやすく、アルコールとの付き合い方を変えていく必要がありそうだ。
■昼夜続けて依存症に
 「入院して初めて、自分が依存症だと認めることができた」。東京都内の男性(69)は振り返る。
 60歳まで勤めた会社では、主に経理畑を歩み、仕事が終わると、毎晩のように同僚らと酒を飲んだ。延々と飲んで、電車の乗り遅れや乗り過ごしもよくあった。健康診断で肝機能障害を指摘されたが、気にしていなかった。
 退職後は昼から飲み始めることが増えた。飲んでふらつき、転んで頭をけがしたことも。禁酒を試みたこともあったが、長続きしなかった。
 2014年1月、自宅で血を吐き、救急車で搬送された。アルコール依存症と診断され、家族の希望で専門病院に入院した。
 アルコール依存症は単なる大酒飲みとは異なり、「自分の意思で飲酒をコントロールできない」「生活に支障をきたす」などの特徴がある。
 男性の場合、依存症との自覚はなく、診断に納得できなかったという。「いつでも酒をやめられる」。医師にはそう反論していた。
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風邪のひきはじめに葛根湯は効くか?

2016年12月23日 08時59分34秒 | 医療情報
風邪のひきはじめに葛根湯は効くか?
アピタル・酒井健司
2016年12月12日06時00分

 予防に気を付けていても、ひくときは風邪をひいてしまいます。風邪をひいてしまったら、温かくして安静にするのが一番です。症状がつらいときには薬を使ってもかまいません。ただ、一般的な風邪薬には症状を緩和する働きはありますが、風邪を予防する働きはありません。たまに「風邪のひきはじめなので早めに受診しました」という患者さんがいらっしゃいますが、正直なところ、あまり打つ手はありません。
内科医・酒井健司の医心電信
ノロウイルスの予防は? 発症したら? 小児科医がアドバイス
 風邪に対して漢方薬が処方されることがあります。一番メジャーなのが葛根湯でしょう。医師が処方することもできますが、処方せんなしに薬局で買うこともできます。風邪のひきはじめに葛根湯を飲むと効果があるという主張もありますが、どうやったら検証できるでしょうか。そう、風邪のひきはじめの人をたくさん集めて、葛根湯を飲む群と飲まない群に分け、風邪が悪化する人の数を数えて比較してみれば検証できます。
 
 ひきはじめの風邪に対する葛根湯の効果を検証した、2014年に発表された日本の研究があります。この研究では、18歳から65歳までの風邪症状を感じて48時間以内の患者さんをランダムに二群に分け、一方に葛根湯を、もう一方に一般的な総合感冒薬(葛根湯と同じく薬局で買えるもの)をほぼ4日間飲んでもらって、風邪が悪化した患者さんの数を比較しています。
 結果は、葛根湯群では168名中38名(22.6%)、総合感冒薬群172名中43名(25.0%)が風邪が悪化しました。葛根湯群で若干少ないように見えますが、統計学的有意差はありません。著者らは「葛根湯は初期の段階で処方した場合でさえ、総合感冒薬に比べ、風邪症状の悪化を有意に防止しなかった」と結論しています。
 葛根湯の効果を厳密に検証するには、対照群には総合感冒薬ではなく、葛根湯と味やにおいがよく似た偽薬を飲んでいただくほうがより望ましいです。しかし、そのような偽薬は作るのが難しいです。かといって、何も薬を飲まない群と比較すると、「何か薬を飲んだから効いたような気がする」という気持ちの影響から結果が偏ります。この研究では、風邪の悪化を自己申告の自覚症状で評価していますのでなおさらです。
 薬局で買える総合感冒薬と比較するというのは、良いアイデアだと思います。気持ちの影響を完全にはゼロにできないものの、かなり小さくできます。何より、現実の風邪のひきはじめの患者さんは、薬局で葛根湯を買おうか、それとも総合感冒薬にしようかと迷うのです。現実にある選択肢を対照群にすると、現実世界へ応用しやすいのです。
 漢方薬に詳しい方は、「証(しょう)」に合っていない患者さんも研究対象に含んでしまったがゆえに差が出なかった可能性を指摘するかもしれません。葛根湯は風邪の患者さんになら誰にでも効くのではなく、葛根湯に合った病態(たとえば、体力があって汗をかいていない状態)があるとされています。この病態のことを「証」と呼びます。
 漢方薬に詳しい専門家がきちんと患者さんを診察し、葛根湯に合った証の患者さんだけを選んで臨床試験をすれば、別の結果が出たかもしれません。それはそれで価値のある研究でしょう。ただ、薬局で葛根湯や総合感冒薬を買う患者さんは、漢方薬の専門家じゃありません。その点でも、この研究は現実世界をよく反映しています。
 結論を言うと、風邪のひきはじめに飲んで風邪の悪化を予防すると証明された薬はいまのところありません。葛根湯でも総合感冒薬でも、あるいは薬を飲まなくても、おそらく大差はありません。つらい症状が出ていない段階では、病院を受診しなくてもかまいません。むしろ、インフルエンザなどの他の病気をうつされるかもしれませんので、あまりお勧めしません。
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睡眠薬で目の不調…減薬・断薬主治医と相談

2016年12月22日 19時52分51秒 | 医療情報
睡眠薬で目の不調…減薬・断薬主治医と相談
臨床 2016年12月22日 (木)配信読売新聞

 睡眠薬や抗不安薬の長期服用で、目が開けにくかったり、まぶしさや痛みなどを感じたりする副作用が問題視されている。服薬期間が長いほど治りにくくなるため、症状を感じたら主治医や眼科医に相談し、薬を減らしたり、服用をやめたりすることが必要だ。(佐藤光展)
 この副作用は「 眼瞼けいれん」と呼ばれる病気の症状と同じもの。「常にまぶしさを感じて目を閉じてしまう」「痛くて目を開けていられない」「いつも目が乾く」などの多様な症状が起こる。
 眼瞼けいれんがベンゾジアゼピン系などの睡眠薬や抗不安薬の副作用で起こることがあると分かったのは、最近のことだ。2011年の眼瞼けいれんの診療指針に「薬の服用で起こることがある」と記載された。
 14年には、不快な目の症状が起こる仕組みの一端が、東京医科歯科大学などの研究で明らかになった。薬の長期間服用者の脳画像を観察したところ、視覚情報などを処理する「視床」と呼ばれる場所が過度に活動していた。視床の不調が症状に関係しているとみられる。
 井上眼科病院(東京都千代田区)の名誉院長、若倉雅登さんは、12年に同病院の医師が眼瞼けいれんと診断した患者1116人について服薬の状況などを調べた。3割を超える359人は、睡眠薬や抗不安薬を使用していた。患者の服用薬で特に目立ったのは、エチゾラム(商品名デパスなど)、ゾルピデム(同マイスリーなど)、ブロチゾラム(同レンドルミンなど)だった。
 眼瞼けいれんは一般的に原因が分からないことが多く、診断や治療が難しい。まぶたがすぐに閉じる症状などには、ボツリヌス毒素を成分とする薬剤を目の周りに注射し、筋肉を緩めさせ、目を開けやすくする治療を行う。だが、効果は3か月ほどで、注射を定期的に行う必要がある。
 これに対し、薬が原因とみられる薬剤性の眼瞼けいれんは、薬をやめたり、目への副作用が出にくい睡眠薬などに替えたりすることで回復が期待できる。同病院の薬剤性の患者の4割超は、原因と思われる薬をやめたことで症状が顕著に改善した。
 5年以上薬を飲み続けている患者の多くは、薬の使用をやめても顕著に改善しなかった。目の不調に気づいたら早めに対処する必要があるが、睡眠薬や抗不安薬を突然やめると、不安感の増大や失神などの深刻な離脱症状に見舞われることがある。薬の調整は医師に相談しながら行うことが肝心だ。
 一般的な眼科では、薬剤性の眼瞼けいれんが、ドライアイや、加齢で起こる眼瞼下垂と診断される心配がある。眼瞼けいれんは、目の異常と神経との関係に詳しい「神経眼科」が担当分野。神経眼科相談医は日本神経眼科学会のホームページで確認できる。
 若倉さんは「薬剤性の眼瞼けいれんは医師にもよく知られていない。薬の副作用だと分かるように『ベンゾジアゼピン眼症』の名称を掲げて情報を広めていきたい」と話す。
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喫煙、動脈硬化呼ぶ 滋賀医大教授ら調査結果 非喫煙者の1.8~5.2倍 「タバコ作るのもう止めてよ」

2016年12月22日 19時41分55秒 | 医療情報
喫煙、動脈硬化呼ぶ 滋賀医大教授ら調査結果 非喫煙者の1.8~5.2倍
臨床 2016年12月22日 (木)配信毎日新聞社

 喫煙習慣は全身のさまざまな血管の動脈硬化を進展、悪化させるとの疫学調査結果を、滋賀医科大アジア疫学研究センターの三浦克之教授と久松隆史・島根大准教授らが米国心臓学会の学会誌に発表した。このほど記者会見した三浦教授らは「動脈硬化による心筋梗塞(こうそく)や脳卒中を予防するためにはたばこを吸わないこと。喫煙者はできるだけ早く禁煙すること」とたばこの害を強く訴えた。
 同センターは2006~08年、心臓や血管の病気になったことがない健康な草津市民の男性1019人(40~79歳)を対象に喫煙や飲酒などの生活習慣を聞き取り、冠動脈(心臓の動脈)、頸(けい)動脈(首の動脈)、上半身の大動脈、末梢(まっしょう)血管(足首の動脈)が狭まったり硬くなったりしていないかなど、CTやエコーで検査。年齢や肥満、飲酒歴などの影響を調整して分析した。
 この結果、心筋梗塞などを発病していないものの、動脈硬化が進んでいる状態の危険度が、喫煙者は非喫煙者に比べ5・2~1・8倍高く、喫煙をやめた禁煙者も2・6~1・9倍高いことが分かった。喫煙者はいずれの部位の動脈でもリスクが高く、喫煙量に比例して危険度がアップしている。一方、禁煙期間が長い人ほど危険度は非喫煙者に近づいていた。これらのことから、喫煙は全身の血管の石灰化、肥厚、血流障害を悪化させ、動脈硬化を進展させていると結論づけた。【北出昭】

「タバコ作るのもう止めてよ」

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細菌とウイルス、どう違う?

2016年12月22日 19時40分42秒 | 医療情報
細菌とウイルス、どう違う?
臨床 2016年12月22日 (木)配信読売新聞

異なる大きさ・増殖方法
 ノロウイルスが各地で猛威を振るっている。10~11月には、病原性大腸菌 Oオー 157が原因の集団食中毒が発生した。ウイルスと細菌は、どのような違いがあるのか。
 「細菌は生き物だが、ウイルスは生き物ではない。この点が最も大きな違い」と東京大学教授の畠山昌則さん(微生物学)は話す。
 生き物は食べ物を摂取しエネルギーを作り、自力で子孫を残す能力が最低限必要。細菌は一つの細胞が個体として生きる単細胞生物で、分裂して子孫を残すことができる。
 一方ウイルスは、自分の体を作る「設計図」(全遺伝情報=ゲノム)がたんぱく質の殻に包まれているだけの構造で、自力で増えることはできない。他の生物の細胞を乗っ取り「工場」として利用し、自分の複製(クローン)を大量に作り出す。「企業に例えると、生産工場を持つのが細菌、設計部門しかないのがウイルスです」と畠山さん。
 大きさにも差がある。例えば大腸菌は長さが1ミリ・メートルの約1000分の3だが、インフルエンザウイルスは1ミリ・メートルの1万分の1しかない。
 病気を引き起こす仕組みも異なる。細菌は毒素で細胞を死なせ、ウイルスは細胞に侵入して破壊する。
 約1万種ある細菌のうち、肺炎球菌やピロリ菌などは人体に害を及ぼす病原細菌だ。病原性大腸菌O157なら「ベロ毒素」が大腸や毛細血管の細胞に入り込み、細胞を死に追いやる。その結果、腸管出血を引き起こし、症状が進めば死に至る場合も。病原細菌による病気には、抗生物質や合成抗菌薬などが有効だ。
 数千万種以上確認されているウイルスも、病気を起こす数百種が知られている。侵入(感染)した細胞の中で自らのクローンを大量に作り、細胞を破壊し次の細胞に侵入、増え続ける。破壊された細胞が一定数以上になると、感染部位に応じて症状を引き起こす。インフルエンザにかかるとせきなどの症状が出るのは、喉の細胞がウイルス感染するためだ。
 ウイルスには抗生物質が効かず、予防ワクチンや治療薬が開発されていないものも多い。畠山さんは「流行期や感染経路を知り、手洗いの励行など予防策を取ることが肝心。デング熱など蚊が媒介するウイルスもあるので気をつけてほしい」と助言する。
季節で違う食中毒の原因
 下痢や 嘔吐おうと などの食中毒症状は細菌もウイルスも引き起こすが、「夏は細菌、冬はウイルスが原因であることが多い」と東京家政大学客員教授の藤井建夫さん(食品衛生学)は話す。細菌は生物なので夏に活動が活発になるが、ウイルスは乾燥した冬を好むためだ。
 冬に激増するノロウイルスによる感染性胃腸炎の予防には、原因食品になりやすい二枚貝を生で食べるのを避け、中心部まで十分に加熱することを心がけたい。また食品を介さなくても、患者の嘔吐物や便に触ったり、それらが乾燥した微細な粒子(エアロゾル)が口に入ったりして、感染するケースも増えている。藤井さんは「手洗い・うがいの徹底を」と呼びかけている。
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「線維症」起こす細胞発見 治療薬開発に期待、大阪大

2016年12月22日 19時36分47秒 | 医療情報
「線維症」起こす細胞発見 治療薬開発に期待、大阪大
臨床 2016年12月22日 (木)配信共同通信社

 肺や肝臓、心臓などの臓器が硬くなって機能しなくなる「線維症」を引き起こす免疫細胞をマウスの実験で突き止めたと、大阪大の審良静男(あきら・しずお)教授のチームが21日付の英科学誌ネイチャー電子版に発表した。
 これまで知られていない細胞で、人にもあるのかは分かっていないが、審良教授は「線維症には有効な治療法がなく、炎症を抑える手法しかなかった。この細胞を標的とした薬の開発が期待される」と話した。
 チームは、マウスを肺線維症にすると、骨髄で増殖し肺に集まる細胞があることに着目。この細胞は免疫細胞「マクロファージ」の一種で、核が二つに分かれているように見える未発見のものと確認し、SatM(サットエム)と名付けた。
 SatMが作られないようにしたマウスは、線維症を起こす薬品を与えても発症しなかったが、SatMを移植した上で薬品を与えると発症し死んだため、SatMが関与していると判断した。
 線維症は、線維状の組織ができて臓器が硬くなる。発症の詳しい仕組みは不明で、免疫細胞が関与していると考えられていたが、どんな種類の免疫細胞が関わるのかは特定されていなかった。
 チームの佐藤荘(さとう・たかし)助教は「病気ごとに発症を促進する免疫細胞があるとみられ、がんでも特定できれば、それを標的にし、副作用のない治療法が開発できるかもしれない」と話した。
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出生数、初の百万人割れ 過去最少の98万人台に 16年、少子化止まらず

2016年12月22日 19時33分09秒 | 
出生数、初の百万人割れ 過去最少の98万人台に 16年、少子化止まらず
2016年12月22日 (木)配信共同通信社

 2016年の年間を通じた赤ちゃんの出生数が、現在の形で統計を取り始めてから初めて100万人の大台を割り込み、過去最少の98万人台にとどまる見通しであることが21日、政府関係者の話で分かった。近く厚生労働省が人口動態統計の年間推計で発表する。
 政府は若い世代が希望通りの数の子どもを持てる「希望出生率1・8」の実現を目指しているが、少子化に歯止めがかからない実態があらためて浮き彫りになった。
 日本の人口は05年に死亡数が出生数を上回り、自然減に転じた。06年は出生数が上回ったが、07年以降は自然減が続いている。15年の出生数は100万5677人、死亡数は129万444人で、28万4767人の自然減だった。16年も30万人程度の自然減になるとみられる。
 女性1人が生涯に産む子どもの推定人数を示す合計特殊出生率は、05年の1・26を底に緩やかな上昇傾向にあり、15年は1・45と前年から0・03ポイント回復した。ただ、主な出産世代とされる20~30代の女性人口は減少し、出生数自体は100万人割れが目前になっていた。
 現在のような出生数の統計は1899年に始まり、1949年の269万6638人が最多。
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義手の普及、広がる活動…体育、図工 様々な動作が可能に

2016年12月22日 09時57分12秒 | 医療情報
義手の普及、広がる活動…体育、図工 様々な動作が可能に
臨床 2016年12月21日 (水)配信読売新聞

子どもの積極性も引き出す
 生まれつき手がない障害を持つ子どもたちへの義手の普及を後押しする動きが広がっている。義手によって両手を使う動作ができるだけでなく、積極性を引き出せる効果も大きいためだ。
 「すごい!」「上手になったね」。11月22日、東京大学病院のリハビリテーション科。左手に義手をつけた小山 蒼ちゃん(4)(東京都文京区)が医師や作業療法士ら5人に見守られながら、鉄棒や跳び箱などに挑戦していた。
 蒼ちゃんは生まれつき左手に障害がある。母の亜希子さん(38)は「できることが増えて選択肢が広がるなら」と、今年2月から同科に通わせ始めた。自転車に乗ると、「ママ、すごく速いよ、見て見て」と目を輝かせた。10月からはウクレレ教室にも通う。亜希子さんは「小さい手だからできないと諦めてほしくなかった。前向きな性格なので、このまま成長してくれたら」と期待を込める。
 同病院では現在、20人の子どもたちが義手を使った訓練に励んでいる。
 右手に障害があり、埼玉県から通う小学1年の女児(7)は、学校の体育や図工の授業で義手を使う。「縄跳びができた時、手があって良かったと思った。次はカエル倒立をやりたい」と意気込む。母親(25)は「義手のおかげで普通に学校生活を送れ、明るい性格につながっている」と喜ぶ。
 義手には、見た目が良い「装飾用義手」、筋肉の活動による電気信号に応じて手が開閉する「 筋電きんでん 義手」、運動など特定作業をするための「作業用義手」などがある。国内では、装飾用が8~9割を占める。筋電義手や作業用義手を使えば、学校で友だちと同じように運動したり、学んだりできるが、義手への公的な支援は限られ、普及に取り組む医療関係者も少ない。
 義手を使った運動に興味がある子どもを支援する一般社団法人「ハビリスジャパン」(東京都)は8月に設立されたばかり。会費を募り、運動に適した義手を無償で貸し出す考えだ。長野洋理事長は「義手は可能性を広げる道具。子どもたちの笑顔を増やしたい」と語る。入会はホームページ( http://habilisjapan.wixsite.com/habilisjapan )から申し込める。
 子どもの義手で先駆的な取り組みを進めるのが、兵庫県立リハビリテーション中央病院(神戸市)だ。2014年6月に小児筋電義手バンクを開設。29人に筋電義手を貸し出している。筋電義手は1台約150万円と高価な外国製が主流。思い通りに動かすには訓練が必要だが、訓練用の義手購入には公的な補助が受けられないこともあって、普及率は2%以下だ。
 兵庫県明石市、小学2年重元夏君(8)は1歳時から左手に筋電義手をつけ、同病院で訓練を重ねる。母のあかねさん(41)によると、着替えなどを手伝おうとすると、「自分でできるよ」と断られることも増えたという。同病院の医師・陳隆明さんは「義手を使いこなし、自信をつける子どもは多い。国が制度面でもっと支援してほしい」と訴える。
  〈小児筋電義手バンク〉  筋電義手を寄付金で購入し、必要な子どもに無償で貸し出している。寄付金はこれまで全国から約5600万円が集まった。問い合わせは兵庫県障害福祉局障害者支援課(078・362・4379)。
 (西原和紀)
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がん死者減、目標下回る 10年間で16%減

2016年12月22日 09時23分29秒 | 医療情報
がん死者減、目標下回る 10年間で16%減
2016年12月21日 (水)配信共同通信社

 国立がん研究センターは21日、がんによる75歳未満の死亡率が減った割合が2005年からの10年間で約16%にとどまったと発表した。国が目標とする20%減は達成できないと予測されていたが、実測値で裏付けた。
 国は目標達成が困難との予測を受け15年に「がん対策加速化プラン」を策定。現在、がん対策推進基本計画の見直しを進めているが、より効果的な施策が求められそうだ。
 目標は、高齢化などの影響を取り除いた死亡率で算出。センターが15年の人口動態統計を基に全てのがんによる死亡率を計算したところ、15年は人口10万人当たり78人で、05年の92人より15・6%減っていた。センターが15年に発表した予測では17%減としており、予測より減少が約1ポイント少ない結果となった。
 75歳未満のがん死亡率は長期的に減少傾向にあり、肝臓がんによる死亡者は05年から半減し、胃がんも約33%減少した。原因となるC型肝炎ウイルスやピロリ菌の感染が減ったためとみられる。一方、子宮頸(けい)がんや乳がんは増え、大腸がんや肺がんも数%程度の減少にとどまった。
 都道府県別で20%以上減っていたのは兵庫、奈良、広島、佐賀の4県。これらの県は肝臓がんが多かったが、C型肝炎ウイルスの感染が減り、死亡率が下がったとみられる。
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国保支援300億円減 17年度、財源不足で政府 厚労相が「おわび」

2016年12月22日 09時21分28秒 | 行政
国保支援300億円減 17年度、財源不足で政府 厚労相が「おわび」
2016年12月19日 (月)配信共同通信社

 塩崎恭久厚生労働相は17日、市町村が運営する国民健康保険(国保)を都道府県に移管する際に予定している財政支援を巡り、全国知事会の福田富一(ふくだ・とみかず)栃木県知事ら地方3団体の代表と協議した。塩崎氏は、2017年度予算で1700億円を確保するとしていた基金積み増しを300億円減額すると表明、「約束をたがえることになった。おわびする」と述べた。
 減額は、消費税率引き上げが再延期されたあおりで、子育て分野などの財源が不足するため。基金が確保されないと将来的に保険料が上がるなど、加入者の負担が増える恐れがあり、地方側は300億円を積み増す時期を明示するよう要請。政府は19年10月に消費税率が10%に引き上げられた後の20年度に補填(ほてん)することで、理解を得たい考えだ。
 19日に実施される予算の閣僚折衝を経て、安倍晋三首相が地方団体との協議の場で説明する見通し。
 国保は加入者のうち低所得者の割合が高く、14年度の実質的な赤字は3585億円に上る。財政基盤を強化するため、18年度から都道府県に移管することになっており、17年度以降は赤字額をほぼ穴埋めできる年3400億円を国が支援することで、地方側と15年2月に合意していた。
 このうち1700億円については、国保の財政を安定化させるための基金へ17年度に積み増すはずだった。塩崎氏はこの日の協議で、子育てや介護の支援に充てるため減額することを説明した。福田知事は協議後、記者団に「一刻も早く積み増してほしい」と話した。
 協議には福田知事のほか、全国市長会から岡崎誠也(おかざき・せいや)高知市長、全国町村会から渡辺広吉(わたなべ・ひろきち)新潟県聖籠町長が参加した。
 ※国民健康保険
 75歳未満の自営業者や非正規労働者、無職の人らが加入する公的医療保険で、市町村が運営する。2015年3月時点で3302万人が加入しており、高齢者が3割を占める。会社員が入る協会けんぽや健康保険組合より年齢層が高い分、病気になる人が多く、医療費がかかる。一方で、低所得者が多いため保険料収入が少なく、構造的に赤字になりやすい。規模を大きくして財政を安定化させるため、都道府県への移管が15年成立の関連法で決まった。
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急患の心電図送信システムに最高賞 福井大医学部開発、救命率向上評価

2016年12月21日 23時48分06秒 | 医療情報
急患の心電図送信システムに最高賞 福井大医学部開発、救命率向上評価
2016年12月19日 (月)配信福井新聞

 福井大医学部が開発した、詳細な心電図や患者の画像をスマートフォンやタブレット端末で救急隊から医療機関に送る「クラウド型救急医療連携システム」が、モバイルコンピューティング推進コンソーシアム(MCPC)の「MCPCアワード2016」で最高賞の総務大臣賞に選ばれた。急性心筋梗塞患者の救命率向上で成果を上げている点が高く評価された。
 MCPCは、大手の通信会社、電機メーカー、システム関連会社、ソフトウエア開発会社など163社でつくる任意団体。モバイルシステムを導入して社会貢献、業務効率化などで成果を上げた事例を毎年顕彰している。福井大医学部のシステムは、総務大臣賞のほか、ユーザー部門のグランプリとモバイルパブリック賞にも選ばれた。
 スマートフォンやタブレット端末で記録した心電図や患者、事故現場の画像を、インターネットのクラウドサーバーを介してやりとりする。救急隊は専門医の指示に基づいて救命処置できるほか、状況に応じて心筋梗塞の専門的な治療が可能な病院に直接搬送できる。病院側も患者の到着前から診断や機材、スタッフの治療準備を進められる。
 福井県の嶺北、勝山市、大野市、南越、若狭の5消防本部と、福井大医学部附属病院(同県永平寺町)、福井循環器病院(福井市)、福井県立病院(同)、中村病院(同県越前市)、杉田玄白記念公立小浜病院(同県小浜市)の5病院が導入し、実証試験を行っている。福井大医学部附属病院ではシステム導入後、急性心筋梗塞の患者十数例の搬送に活用し、約10例でカテーテル(細い管)治療の早期開始につながった。
 大学として公的な研究費を活用して開発しており、コストを抑えて管轄人口が10万人以下の消防本部でも導入できるようにしたのが特長。システム開発を担った福井大医学部の笠松眞吾・技術専門職員は「システムが稼働すれば、急性心筋梗塞の指定医療機関から離れたへき地の住民も大都市部と同じように短時間で治療を始められる」と説明する。
 1月からは共同運用機関を全国から募り、将来的には事業型NPOの設立も視野に入れる。笠松さんは「一つの自治体、消防本部だけで導入が難しい場合は、都道府県単位の財政支援が不可欠。受賞を機に一層のコストダウンを図り、県内だけでなく全国の自治体と連携して普及を目指したい」と話している。
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気分はブラック・ジャック 高校生“手術”に挑戦 福井大

2016年12月21日 23時45分53秒 | 
気分はブラック・ジャック 高校生“手術”に挑戦 福井大
大学 2016年12月19日 (月)配信毎日新聞社

 若者に外科医や医療に関心を持ってもらおうと、福井大は17日、永平寺町松岡下合月の福井大医学部付属病院で「外科手術体験セミナー」を開いた。県内12高校の1年生47人が参加し、実際に手術で使う最新機器を扱って手術に挑戦した。
 セミナーは地域の医師不足解消を目的に、2007年から毎年開いている。手塚治虫氏の人気医療漫画「ブラック・ジャック」をセミナー名に冠し、広く注目を集めている。セミナーの冒頭、腰地孝昭病院長は「医療を考え、将来医師を目指すきっかけの一つとしてほしい」とあいさつ。その後、高校生たちは手術着に着替え、電気メスで鶏肉を切る切開体験や、縫合体験など7種類の“手術”に取り組んだ。
 縫合体験では、皮膚の質感に似せた特製スポンジを、手術専用の針と糸を使って縫い合わせた。体験した藤島高の山田倫加さん(15)は「独特の結び方が難しく、20分で1針縫うのがやっとだった」、切開体験をした高志高の岡村文嗣さん(15)は「医師に憧れているが、人の命を救うのは大変なことだと実感した」と話した。【立野将弘】
医師(中央)の指導を受けながら縫合に挑戦する高校生たち=永平寺町松岡下合月の福井大医学部付属病院で
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【九大・阪大】うつの重症度に伴い増減する血液成分発見…血液検査で診断できる可能性

2016年12月21日 23時44分29秒 | 医療情報
【九大・阪大】うつの重症度に伴い増減する血液成分発見…血液検査で診断できる可能性
2016年12月19日 (月)配信読売新聞

 九州大と大阪大、国立精神・神経医療研究センターの共同研究グループは、うつ状態の患者の血液から、症状の度合いによって増減する成分を見つけたとする研究結果を発表した。
 血液検査で、症状の深刻さを客観的に診断できる可能性があるとしている。
 患者90人を対象に、血液に含まれる100種類以上の微量成分を測定。面接で評価した重症度との関連を調べた結果、症状が重くなるほど増減した成分は5種類あった。また、自殺願望や罪悪感など症状の違いによって、血液中に含まれる主な成分は異なっていた。
 九州大の加藤隆弘特任准教授(精神病態医学)は「実用化に向け、大規模な検証研究が必要だ」としている。
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重病の息子を楽に 思い詰めた母、口ふさぐ

2016年12月21日 23時40分48秒 | 医療情報
重病の息子を楽に 思い詰めた母、口ふさぐ
2016年12月19日 (月)配信共同通信社

 遺伝性の重病を患った三男(1)を殺そうとしたとして殺人未遂容疑で、仙台市の母親が宮城県警に逮捕されてから17日で1カ月がたった。「早く楽にしてあげたかった」と息子の将来を悲観。同じ病で次男を亡くしており、思い詰めた末に起きた事件だった。
 簡易鑑定の結果、責任能力に問題はないと判断された母親十倍佐知子(とべ・さちこ)容疑者(41)は8日、殺人未遂罪で起訴された。
 県警や関係者によると、三男は11月15日に体調を崩し、宮城県立こども病院に入院。被告も泊まり込みで看病した。17日午前8時20分ごろ、2人しかいない一般病棟の個室。被告は突如、横になっていた三男の口を両手でふさいだ。三男は心肺停止状態になり、被告自ら「死にました」とナースコール。医師や看護師が蘇生措置を施し、一命を取り留めた。
 被告は夫と長男(17)と三男の4人暮らし。約10年前、当時5歳の次男を三男と同じ病気で失った。せきやたんがひどく、たんは吸引器で取り除かなければならない。外を走るトラックの音にも敏感に反応し、夜中でも泣きだした。延命治療などを施さない限り、数年で死に至る病という。
 付きっきりで看病したものの次男は亡くなった。被告はショックで、うつ病を発症した。症状はゆっくりと回復。3~4年パート勤めをした後、三男を出産した。
 生後半年ほどで三男にも次男と同じ症状が現れた。病院に行っても「喉がまだ発達していないから」「気にしすぎ」と、たらい回しにされた。三男が1歳を過ぎたころ同じ病気と判明。「死ぬと分かっていて育てるのが一番つらい」。被告はそう漏らしていた。
 こども病院は東北で唯一の小児医療の専門機関で、重い病気を抱えた子どもが全国から集まる。子どもとその家族をサポートする成育支援局を設置。臨床心理士らが相談に乗る体制を整えていたのに、事件は起きた。
 東京都内で難病の子どもらを支える訪問看護師の越田紀代子(こしだ・きよこ)さん(52)は、自身の娘(25)にも複数の難病がある。「悩みながら子どもを育てた日々を思い出すと、被告を責められない」とした上で「相談を聞く立場の人は『どういう悩みがありますか』と踏み込んで尋ねるなど、患者側がより自然に話せる環境づくりが重要だ」と訴えた。
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お茶から睡眠導入剤検出 愛知、11人不調の介護施設

2016年12月21日 23時37分40秒 | 
お茶から睡眠導入剤検出 愛知、11人不調の介護施設
2016年12月19日 (月)配信共同通信社

 従業員11人が眠気やふらつきを訴えた介護施設「大田デイサービスセンタールピナ」(愛知県東海市)で、従業員用の休憩室で提供されたお茶から睡眠導入剤の成分が検出されていたことが17日、捜査関係者への取材で分かった。東海署は体調不良の原因が睡眠導入剤とみて、傷害容疑で調べる。
 同署や施設の説明によると、9日午後2時半ごろから従業員11人が相次いで不調を訴えた。いずれも回復している。
 お茶は施設内でまとめて作り、数カ所に分けて置き、自由に飲めるようにしている。休憩室以外でお茶を飲んで症状を訴えた人はなかったという。施設には睡眠導入剤は置いていない。
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