退職や別れをきっかけに、高齢者のアルコール依存症
熊井洋美、武田耕太
2016年12月7日06時00分
退職や身近な人の死別などをきっかけにアルコール依存症になる高齢者が増えている。年を取ると同じ飲酒量でも若いころより酔いやすく、アルコールとの付き合い方を変えていく必要がありそうだ。
■昼夜続けて依存症に
「入院して初めて、自分が依存症だと認めることができた」。東京都内の男性(69)は振り返る。
60歳まで勤めた会社では、主に経理畑を歩み、仕事が終わると、毎晩のように同僚らと酒を飲んだ。延々と飲んで、電車の乗り遅れや乗り過ごしもよくあった。健康診断で肝機能障害を指摘されたが、気にしていなかった。
退職後は昼から飲み始めることが増えた。飲んでふらつき、転んで頭をけがしたことも。禁酒を試みたこともあったが、長続きしなかった。
2014年1月、自宅で血を吐き、救急車で搬送された。アルコール依存症と診断され、家族の希望で専門病院に入院した。
アルコール依存症は単なる大酒飲みとは異なり、「自分の意思で飲酒をコントロールできない」「生活に支障をきたす」などの特徴がある。
男性の場合、依存症との自覚はなく、診断に納得できなかったという。「いつでも酒をやめられる」。医師にはそう反論していた。
熊井洋美、武田耕太
2016年12月7日06時00分
退職や身近な人の死別などをきっかけにアルコール依存症になる高齢者が増えている。年を取ると同じ飲酒量でも若いころより酔いやすく、アルコールとの付き合い方を変えていく必要がありそうだ。
■昼夜続けて依存症に
「入院して初めて、自分が依存症だと認めることができた」。東京都内の男性(69)は振り返る。
60歳まで勤めた会社では、主に経理畑を歩み、仕事が終わると、毎晩のように同僚らと酒を飲んだ。延々と飲んで、電車の乗り遅れや乗り過ごしもよくあった。健康診断で肝機能障害を指摘されたが、気にしていなかった。
退職後は昼から飲み始めることが増えた。飲んでふらつき、転んで頭をけがしたことも。禁酒を試みたこともあったが、長続きしなかった。
2014年1月、自宅で血を吐き、救急車で搬送された。アルコール依存症と診断され、家族の希望で専門病院に入院した。
アルコール依存症は単なる大酒飲みとは異なり、「自分の意思で飲酒をコントロールできない」「生活に支障をきたす」などの特徴がある。
男性の場合、依存症との自覚はなく、診断に納得できなかったという。「いつでも酒をやめられる」。医師にはそう反論していた。