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ムツィオ・クレメンティの交響曲第2番ニ長調と第4番ニ長調を聴きながら横浜から星川まで歩く

2008-10-30 05:25:32 | 古典~現代音楽イタリア編
昨日は横浜から星川駅まで歩きました。
途中聴いたのは1752年ローマ生まれの
イタリアの作曲家クレメンティの交響曲。
彼の略歴は以前管弦楽曲編で触れたのでここでは省略する。
クレメンティの交響曲は第4番のみが、
ほぼ完全な形で残っているものの、多くは不完全で、
ピエトロ・スパダにより復元されたことで、
演奏可能となったものがほとんどである。

交響曲第2番ニ長調は、1819年から作曲を始めたようだ。
第一楽章アダージョ-アレグロは、
厳かで悲劇的な感じの序奏から始まる。
提示部に入ると、一気にハイドン風の音楽になる。
明るく軽快な主題は、展開部でダイナミックさを持ち、
展開され、再現部に入ってもその感じは続き、
堂々と華やかなコーダを経て、終わる。
第二楽章ラルゲット・カンタービレは、
弦楽器によって奏される歌謡風の主題をもとに展開する。
オーボエなど管楽器により奏されるソロの旋律が美しい。
ベートーヴェンのような劇的な部分もあるが、
基本的にはおだやかで優雅な感じの楽章である。
第三楽章メヌエット-アレグレットは、舞踏的で、
三部形式の華やかなハイドン風の楽章である。
トリオの部分の管楽器のソロが牧歌的でいい。
最後は冒頭の部分が繰り返される曲である。
第四楽章フィナーレ、プレストは、軽快な感じの主題で始まり、
展開部の短調に転じたりする主題の扱い方は、ハイドン的である。
その一方で劇的な部分はベートーヴェンを感じさせる。

交響曲第4番ニ長調は、1822年に初演されたらしい。
第一楽章のアンダンテ・ソステヌートの序奏部は、
悲劇的な感じで、ベートーヴェン的である。
主部のアレグロ・ヴィヴァーチェに入ると、
明るくおだやかな主題と流れるような主題が奏されるが、
劇的でダイナミックなところは、ベートーヴェン的である。
短い展開部では、主題は短調に転じ、悲劇性を帯びる。
再現部に入りのどかな主題の再現のあと、
音楽は金管楽器により華やかさを持ち、豪快に終わる。
第二楽章アンダンテ・カンタービレは、夢見るような
のどかな音楽で始まるが、そこにはわずかながら陰もある。
歌うような旋律は、フルートなどの楽器に受け継がれたりし、
中間部では金管楽器も加わり劇的でダイナミックな音楽になる。
優雅な中にも、劇的な部分を持たせた楽章で、
ベートーヴェンとの近さを感じさせる楽章である。
第三楽章メヌエット-アレグレット・モデラートは、
哀愁を感じさせる旋律による舞踏風の曲で、
モーツアルトやシューベルト的な部分も感じさせる。
中間部のトリオは軽快な感じでありながら、
一部は劇的で荒々しい部分も感じさせる。
ブルックナーのスケルツォ楽章さえ思わせるところがある。
第四楽章フィナーレ、アレグロ・ヴィヴァーチェは、
軽快でありながら、ダイナミックさをもった楽章である。
短いフィナーレ楽章であるが、リズミックなところもあり、
最後にかけての盛り上がりも金管楽器が加わり、壮快である。

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