Mars&Jupiter

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スコット・ジョプリンのニュー・ラグを聴きながら西谷駅から二俣川まで歩く

2008-06-05 05:33:35 | 古典~現代音楽北アメリカ編
昨日は西谷駅から二俣川まで歩きました。
途中聴いたのは、1868年生まれのスコット・ジョプリンの曲。
ジョシュア・リフキンによるピアノ演奏で、
「ラグタイム作曲家の王」ともいわれるジョプリンの
代表的な作品を集めたCDをじっくり聴いてみた。
ここではその中で印象に残った数曲にしぼって触れてみる。

最初の「メイプル・リーフ・ラグ」は1899年に出版され、
大ヒットしたことで、全米で彼の名が知られるようになり、
ラグタイムの形式がこの曲により確立されたといわれる名曲である。
AABBACCDDの形式で作られており、
4つに分かれる各主題は16小節でできている。
(実際に小節の数を数えてみるといい)
出世作ともいえるこの曲は、軽快で躍動感あふれている。
「ジ・エンターテイナー」は1902年に出版された。
ラグタイムというジャンルは1920年代には大衆の人気を失い、
やがて人々に忘れ去られてしまったようだが、
それを人々に再認識させたのが1970年代であり、
映画「スティング」のテーマ音楽として使われたのが大きかった。

だいたいこの2曲を聴いてしまうと、
ラグタイムというものがわかってしまうので、
逆にその視点で聴くと、この曲も「メイプル・リーフ・ラグ」の
焼き直しみたいな曲で似ているなあとか思ったり、
ラグタイムだけれど何か印象が薄いなあとか
感じたりするもの割合があるが、その中で印象に残るのが、
1912年に出版された「ニュー・ラグ」であり、
これまた躍動感あふれ、爽快感ある曲である。
また、「ベセーナ(ベシーナ)」という曲は、
1905年に書かれたコンサート・ワルツである。
とはいえ、この曲もよく聴くとところどころで
ラグタイムの音楽の特徴であるシンコペーションの部分がある。
また、1909年に出版された「ソラス」は、
タンゴのリズムを使っているようで少し感じが違う。
ロティ・ストークスと結婚した時期の曲なので、
幸福感あふれ、ゆったりとした優しい曲である。

パイナップル・ラグは1908年出版された曲で、
聴けばどこかで聴いた曲だなあと分かる。
最近の某自動車のCMで使われている曲である。
このようなゴキゲンな曲を作曲したジョプリンであるが、
その華やかさとは裏腹に、彼の晩年は絶望的な生活の中にあった。
オペラ「トゥリーモーシャ」の改訂作業や上演に精力を傾けたが、
そのオペラのピアノによる上演は失敗に終わり、
若い放浪生活にかかった病気(梅毒)が悪化し、
精神的にも異常をきたしていたようである。
彼の実際の演奏を聴いてみたい人は、
1916年に記録されたピアノ・ロールで残された演奏を聴くといい。
1903年出版された「しだれ柳(Weeping Willow)」などでみせる
彼のピアノ演奏は、名人芸ともいえるほど素晴らしく、
どれも爽快感あふれ、ラグタイムの黄金時代を感じさせる。

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