Mars&Jupiter

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チャールズ・アイヴズの交響曲「ニュー・イングランドの休日」(ホリデイ・シンフォニー)を聴く

2022-06-05 22:39:39 | 古典~現代音楽北アメリカ編
今回は1874年生まれのアイヴズが、
1904年から1913年にかけて作曲したホリデイ・シンフォニー、
つまり交響曲「ニュー・イングランドの休日」を取り上げる。
聴いたCDはティルソン・マイケル・トーマス指揮、
シカゴ交響楽団および合唱団の演奏による。
この作品は交響曲とはなっているが、作曲年代も開きがある。
各楽章は冬、春、夏、秋の祭日を扱っており、
祭日というテーマでは統一性があるが、
音楽的に各楽章の統一性を保っているわけではなく、
むしろ組曲ととらえた方が良いかもしれない。
第一楽章「ワシントン誕生日」は、
弦楽器中心にゆったりと始まり、夜の雰囲気を感じさせる。
「スワニー河」の旋律の断片が聞こえてくる。
アイヴズによれば2月の冷え冷えとした夜の情景のようだ。
音楽はうねりながら徐々に速度を上げ、
そのあとは舞踏風の旋律による軽快な音楽になっていき、
高まりを見せていく中で、騒がしくなっていく。
その高まりが終わった後は弦楽器の甘美な旋律が流れるが、
背後では別の旋律がうごめき、いかにもアイヴズらしい。
最後は静まって、消え入るように終わる。

第二楽章「戦没将兵追悼記念日」は、弦楽器の旋律で始まる。
朝の雰囲気とたちあがる記憶の二つを表現しているようで、
もやっとした感じの音楽が続き、その後力強い旋律が現れては消える。
行進曲風の旋律やトランペットが奏でる旋律は軍人の記憶を示すのだろう。
そのあとは行進曲風の力強い旋律が現れ、盛り上がっていく。
お祭り騒ぎのような音楽はおさまり、
ヴァイオリンなど弦楽器が残り、最後静かに終わる。
第三楽章「独立記念日」は、弦楽器のゆったりとした旋律で始まる。
そこに徐々に色々な楽器の音が混ざり合いながら、進行していく。
そして「リパブリック賛歌」の旋律の断片が現れては消え、
小太鼓の行進のリズムや、「ヤンキー・ドゥードル」などの旋律の断片、
そして騒がしくなったあとは、静かに終わる。
第四楽章「感謝祭と清教徒上陸記念日」は、
弦楽器と金管楽器で力強く旋律が奏でられて始まる。
堂々とした感じの音楽はピューリタンの気質を表しているのかもしれない。
音楽はやがて弦楽器と金管楽器で旋律を交互にやりとりし、
盛り上がりをみせていくが、それがおさまると静かな音楽になる。
フルートがゆったりとした旋律を歌うように奏で、
弦楽器が讃美歌風の旋律を奏でていき、フルートが絡み、
そのあとは弦楽器と金管楽器で軽やかな旋律を奏でていく。
その盛り上がりが終わると、再び静かになり、
トランペットやクラリネットなどの木管楽器が旋律を奏でて、
再び弦楽器中心となり、金管楽器が加わり徐々に盛り上がりをみせ、
合唱が入って高らかに歌いあげ、その合唱の歌が終わると、
管弦楽のみとなり最後は穏やかになって終わる。

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