Mars&Jupiter

おおくぼっちの屋根裏部屋へようこそ!

ベルグルンド指揮のジャン・シベリウスのクレルヴォ交響曲作品7を聴きながら、桜木町から西横浜まで歩く

2013-09-07 10:15:55 | ジャン・シベリウスの作品
昨日は桜木町から西横浜まで歩きました。
途中聴いたのはシベリウスが1892年に作曲したクレルヴォ交響曲作品7である。
ロベルト・カヤヌスが自作のアイノ交響曲を演奏するのを聴いて刺激を受け、
英雄叙事詩「カレワラ」の中の第35章と第36章にあたる
クレルヴォの物語を基にして作曲した作品である。
今回聴いたCDはライリ・コスティアのソプラノ、
ウスコ・ヴィータネンのバス・バリトン、ヘルシンキ大学男声合唱団、
パーヴォ・ベルグルンド指揮、ボーンマス交響楽団の演奏によるもの。
第一楽章「導入部」(アレグロ・モデラート)は、弦楽器の伴奏に乗って、
クラリネットとホルンに乗って現れる叙情的な第一主題が奏でられて始まる。
第二主題は対照的でドラマティックに盛り上がりをみせていくものである。
この二つの主題をもとに自由にそしてドラマティックに展開されていく。
神話の世界を感じさせるような雰囲気を醸し出している。
第一主題が繰り返し現れるがとても魅力的な旋律である。
最後は物語の最後を予感させるように静かに終わる。
第二楽章「クレルヴォの青春」(グラーヴェ)は、
弦楽器によりおだやかで美しい旋律が奏でられて始まる。
その旋律が繰り返されたあと、木管楽器の牧歌風の旋律が現れる。
速い動きで示されるこの部分が終わると再び冒頭の旋律が現れるが、
金管楽器も加わり、最初の感じとは対照的で劇的である。
再び木管楽器による牧歌的な部分が現れるが、
徐々に冒頭の旋律が支配的となっていき、
金管楽器によるクライマックスをみせたあと、
冒頭の旋律が弦楽器により静かに奏されて終わる。

第三楽章「クレルヴォと彼の妹」(アレグロ・ヴィヴァーチェ)は、
管弦楽全体で明るくいきいきとした旋律が奏でられて始まる。
そして男声合唱が歌い出すが、これはクレルヴォが橇を走らせていた時に、
一人の乙女に出会ったこと、そして橇に乗ることを誘うが、
乙女がそれを断る様子が歌われていく。
第二の乙女にもクレルヴォは橇に乗るよう誘惑しようとするが断れ、
第三の乙女にいたってはクレルヴォは強引に乙女を橇の中に引きずり込む。
最初はユニゾンで歌っていた合唱はここではハーモニーを奏でていく。
管弦楽のみの部分が続いたあとは、二人の独唱者による歌が続いていき、
それぞれを素性を語りあうことで二人は兄妹の関係であったことを知る。
妹の独唱が終わると、クレルヴォが自分の妹にしてしまったことを嘆いていく。
管弦楽もそのクレルヴォの激しい気持ちを描写し、最後劇的に終わる。
第四楽章「戦いに赴くクレルヴォ」(ア・ラ・マルチア、行進曲調で)は、
父の仇のウンタモに復讐に行くクレルヴォの姿を描写していく。
この楽章はスケルツォにあたり、軽快な音楽が展開されていく。
勇ましい感じの旋律が繰り返されていき、
最後は金管楽器により盛り上がりをみせたところで終わる。
第五楽章「クレルヴォの死」(アンダンテ)は、
弦楽器の音に導かれ、男声合唱がおだやかに歌って始まる。
歌の内容は自分の犯した罪に苦しみ、自らの剣で自害する話だが、
管弦楽と合唱により、そのことが劇的に描写され、
合唱は英雄クレルヴォが亡くなったことを歌い、
ティンパニと金管楽器が響く中、最後悲劇的な感じで終わる。
それにしてもいつ聴いてもクレルヴォ盤の演奏は説得力がある。
1970年の録音のものではあるが、名演であると思う。
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オーマンディ指揮のジャン・シベリウスの交響曲第7番ハ長調作品105を聴き、二俣川から三ツ境まで歩く

2013-09-06 05:51:40 | ジャン・シベリウスの作品
昨日は二俣川から三ツ境まで歩きました。
途中聴いたのはシベリウスが1924年に作曲した作品、
交響曲第7番ハ長調作品105である。
今回はユージン・オーマンディ指揮、
フィラデルフィア管弦楽団の演奏によるもの。
オーマンディ指揮のシベリウスについては、
中学生の頃、交響曲第2番についてはよくレコードで聴いていた。
交響曲第7番ハ長調作品105は単一楽章制の交響曲である。
ティンパニの音に続き、弦楽器中心に上昇する音型を奏して始まる。
木管楽器により牧歌的な感じの旋律が奏でられ、
そのあと弦楽器中心におだやかな旋律が奏でられていく。
トロンボーンが歌うような旋律を朗々と奏でたあと、
木管楽器がそれを受け継ぎ、牧歌的な雰囲気を醸し出し、
弦楽器が再び冒頭の上昇する音型を示すとアダージョ風の部分が終わり、
弦楽器と木管楽器のやりとりが展開される中、
徐々にテンポを早めて、スケルツォ風な部分を示す。
トロンボーンが歌うような旋律を再び朗々と奏で、
弦楽器と打楽器・金管楽器で盛り上がりをみせたあと、
再びスケルツォ風の部分をみせたあと、弦楽器が力強い旋律を奏で、
民謡風のこの旋律は木管楽器にも引き継がれる。
弦楽器と木管楽器でこの旋律を交互に受け継ぎながら、
いったん盛り上ったあと、おだやかな感じになり、
さきほどの旋律を弦楽器と木管楽器で繰り返していく。
そして、駆け抜けるような速い部分を経て、
トローボーンが歌うように奏でた旋律が金管楽器で繰り返され、
最初の方の旋律も再び現れ、弦楽器のみの部分となり、
それが終わると金管楽器が絡み、木管楽器も旋律を奏で、
最後は管弦楽全体で上昇する2つの音型を奏でて高揚感の中で終わる。
オーマンディ盤といえば、フィラデルフィア・サウンドを楽しめる。
その一つは金管セクションは曲の最後のところでもしっかり主張している。
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オラモ指揮のジャン・シベリウスの交響曲第6番ニ短調作品104を聴く

2013-09-05 06:54:03 | ジャン・シベリウスの作品
昨日はウォーキングを休みました。
途中聴いたのはシベリウスが1923年に作曲した交響曲第6番ニ短調作品104である。
今回はサカリ・オラモ指揮、バーミンガム市交響楽団の演奏によるもの。
第一楽章アレグロ・モルト・モデラートは、
弦楽器により素朴でやさしさのある旋律が奏でられて始まる。
フルートなど木管楽器が絡んで、北欧の自然を感じさせる。
ハープと弦のトレモロが入り、フルートとオーボエに導かれ、
弦楽器が主題を奏でていき、それから展開部に入り、主題を展開していく。
この辺りの各楽器の動きをオラモ盤はクリアに示し、
いきいきとしたテンポで進めていき、なかなかいい。
再現部を経て、最後は弦楽器の響きの中、おだやかに終わる。
第二楽章アレグレット・モデラートは、ティンパニの音で始まり、
フルートとファゴットが素朴な主題を奏でていく。
その旋律を弦楽器が受け継いでいき、
そのあとはフルートと弦楽器交互にその主題を受け継いでいく。
金管楽器も加わり、徐々に激しい感じになる中、主題は展開され、
そのあと弦楽器により速い感じの動きになり、
木管楽器のそれに絡んで、幻想的な雰囲気になる。
最後は木管楽器とハープと弦楽器によりおだやかに終わる。

第三楽章ポーコ・ヴィヴァーチェは、弦楽器の刻むリズムに乗って、
フルートなど木管楽器が絡んでいき、弦楽器が主題を奏でていく。
やがてフルートにより軽快なもう一つの主題が現れる。
金管楽器が加わって盛り上ったあと、再び二つの主題が繰り返され、
金管楽器中心に盛り上ったところで終わる。
第四楽章アレグロ・モルトは、力強い旋律が弦楽器により奏でられて始まる。
木管楽器も絡んでいったあと、ティンパニが響き、
もう一つの主題が弦楽器により現れ、木管楽器も一部受け継ぎながら、
何度も繰り返されていき、荒々しさも加えていく。
そして再び最初の主題が現れて、その後主題は展開されていく。
そのあと弦楽器により神聖な感じの旋律がユニゾンで奏され、
木管楽器と弦楽器が交互に旋律を奏でていき、
ティンパニのトレモロの中、弦楽器が旋律を奏でて静かに終わる。
オラモ指揮によるシベリウス交響曲全集を聴いた時、
なぜかあまりいい印象は受けなかったのだが、
改めて聴いてみると少なくともこの交響曲第6番の演奏は、
彼らしさを示しているいい演奏であると思う。
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ザンデルリング指揮のジャン・シベリウスの交響曲第3番ハ長調作品52を聴く

2013-09-04 06:07:57 | ジャン・シベリウスの作品
昨日はウォーキングを休みました。
今回取り上げるのはシベリウスが1907年に作曲した交響曲第3番ハ長調作品52である。
今回聴いたのはクルト・ザンデルリング指揮、ベルリン交響楽団の演奏によるもの。
第一楽章アレグロ・モデラートは、ソナタ形式で書かれている。
低弦によって弾んでいきいきとした第一主題が奏でられる。
木管楽器と金管楽器が絡んで盛り上ったあと、
やや哀愁漂う第二主題が弦楽器により現れる。
フルートと弦楽器が旋律を対話するように奏でたあと、
展開部に入り第一主題から主題が変形され展開していく。
第二主題がファゴットにより奏され、展開されていく。
ザンデルリング盤は木管楽器や弦楽器などの動きが、
とてもクリアに聴こえて心地よい感じである。
再現部を経て、コーダでは金管楽器によりコラール的な旋律が奏でられ、
木管楽器と弦楽器が旋律を奏で、金管楽器と打楽器で華やかに終わる。

第二楽章アンダンテ・コン・モート-クワジ・アレグレットは、
ティンパニとホルンの音に導かれ、フルートが主題を奏でて始まる。
そして短い副主題も現れ、基本的には主題と副主題を
さまざまな楽器構成により繰り返していく。
弦楽器の動きがザンデルリング盤でははっきりわかっていい。
木管楽器が流れるような旋律を奏でてスケルツォ風の感じをみせ、
フルートに導かれ弦楽器が主題を繰り返し奏でて、
木管楽器と弦楽器で交互に旋律を奏で、最後は弦楽器の音で静かに終わる。
第三楽章モデラート-アレグロ・マ・ノン・タントは、
オーボエにより旋律が奏でられて始まる。
フルートにより第二楽章の主題の断片が現れ、
弦楽器が主題を奏でたあと、音楽はカノン風に展開していく。
それに木管楽器が絡み、やがて弦楽器がいきいきとした旋律を奏で、
それを繰り返すうちに徐々に盛り上がりをみせていく。
その旋律は金管楽器によって繰り返され、木管楽器も受け継ぎ、
再びホルンがその旋律を奏で、弦楽器ともに力強く奏でられていく。
ザンデルリング盤での金管楽器の響きもクリアで、
最後はその金管楽器で主題を高らかに奏でて明るく終わる。
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バルビローリ指揮のジャン・シベリウスの交響曲第2番ニ長調作品43を聴きながら、三枚町から西谷まで歩く

2013-09-03 06:31:42 | ジャン・シベリウスの作品
昨日は三枚町から西谷まで歩きました。
今回からしばらく北欧の代表的な作曲家シベリウスとニールセンの、
交響曲群についてさまざまな指揮者による盤をとりあげてみたい。
まずはシベリウスの方から取り上げてみるが、取り上げるのは、
1900年から1902年にかけて作曲した交響曲第2番ニ長調作品43である。
今回はサー・ジョン・バルビローリ指揮、ハレ管弦楽団の演奏によるもの。
バルビローリ盤は高校時代の時にレコードで全集を買い、
何度も繰り返し聴いた盤なので、なつかしいものである。
第一楽章アレグレットは、ソナタ形式で書かれている。
第一主題の伴奏となる弦楽器のさざ波を思わせるような旋律が、
くっきりと示され、クラリネットとオーボエがその伴奏の上で、
簡素で民謡風の第一主題を奏でて、弦楽器がそれを発展させていく。
弦楽器によるピチカートのあと第二主題が奏されて情熱的に盛り上げていく。
展開部は木管楽器により第二主題が変形されながら始まる。
この展開部でみせるバルビローリ盤の明快でパワフルな演奏は心地いい。
再現部を経て、コーダで第二主題が金管楽器により力強く奏でられ、
最後は弦楽器により冒頭の音型が繰り返され徐々に弱まって終わる。

第二楽章アンダンテ・マ・ルバートは、幻想的に始まり、
弦楽器のピチカートの上で、ファゴットが悲しげな主題を奏でる。
その主題は木管楽器から弦楽器に引き継がれ、
金管楽器により情熱的に盛り上がりをみせる。
このあたりの情熱的な盛り上がりはバルビローリらしい。
そして、それが終わると弦楽器によりもう一つの主題が奏でられ、
木管楽器がこれに絡んでいき、力強く主題が奏でられたあと、
最初の主題が奏でられ、再び盛り上がりをみせていく。
そのあとも二つの主題をもとに展開され、最後はおだやかに終わる。
第三楽章ヴィヴァチッシモは、スケルツォ楽章で、
荒々しい弦楽器のリズムの上で、軽快な旋律が奏でられ、
盛り上がりをみせていくが、このあとに木管楽器により奏される旋律が、
素朴であり民謡的であり、この二つの旋律をもとに展開されていく。
何度か盛り上がりをみせたあと終楽章にそのまま続いていく。
第四楽章アレグロ・モデラートは、自由なソナタ形式で、
弦楽器の奏でる力強い第一主題が奏でられ、金管楽器がそれに絡んでいく。
この主題が繰り返されたあと、対照的でやや暗い感じの第二主題が奏でられる。
この二つの主題を中心に展開され、第二主題が繰り返されるうちに、
徐々に明るさを持ち情熱的に盛り上がりをみせていくのだが、
バルビローリ盤の素晴らしさは、感情に流されるのではなく、
しっかりと音楽の構造を捉え、常に客観的な目で見ている点だ。
そのバランスの良さが今聴きなおしても分かるのである。
コーダは金管楽器が高らかに旋律を奏でて、最後力強く終わる。
やっぱり、バルビローリ盤は何度聴いてもいいし、
私にとってはシベリウスの交響曲演奏のスタンダードである。
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