夜噺骨董談義

収集品、自分で作ったもの、見せていただいた品々などを題材に感想談など

牡丹に蝶 寺崎廣業筆 明治33年(1900年)頃

2019-04-26 00:01:00 | 掛け軸
男の隠れ家から持ち帰った作品は基本的に男の隠れ家に戻していますが、氏素性の判明していない作品はまだ数点手元に置いて引き続き調べています。なかなか分からないものというのは解らないものですが、ちょっとした契機で糸口が見つかるものですが・・・・。



さて郷里の画家の寺崎廣業の作品はある一定のレベルに達していない作品は蒐集を制限する蒐集となっています。寺崎廣業の作品は依頼されて描かれた作品が数多く、そのほどんどが駄作と言って過言でもないものが多々あります。よって、蒐集する側はよくその点を見極めないと寺崎廣業の駄作の山を築きかねないからです。

本日紹介する作品も実は依頼されて描かれた作品である可能性は高いのですが、絵の品格に、そしてこの絵ともう一点同じ構図の義父となった邨田丹陵との合作の作品(この作品は後日紹介します。)との関連から入手に踏み切った作品です。

牡丹に蝶 寺崎廣業筆 明治33年(1900年)頃
水墨絹本軸装 帝国美術鑑定局鑑定書添付 合箱
全体サイズ:横410*縦1680 画サイズ:横850*縦320

 

落款から明治30年初期頃の作と推定しています。印章は朱文白円印でこの当時に数種の円印が押印された作品が存在していますが。そのうちのひとつの考えられます。



牡丹を水墨のみで描いた作品は村上華岳の作品などが著名ですね。



「帝国美術鑑定局」の鑑定は昭和2年7月31日に鑑定されたものですが、「帝国美術鑑定局」については記録はあるものの現在では詳細は不明です。



昭和2年というと寺崎廣業が大正8年に亡くなっていますので、亡くなって間もないころの鑑定となりますね。ま~あってもなくてもよい鑑定書です。



寺崎廣業の作品については大体の整理は目途がつきました。落款や印章、作風から年代別に分け整理してあります。かなりの数の作品が画家別に、そして年代別に整理され、それと共に真贋の判断もつきやすくなってきています。



このような整理をしないと蒐集のレベルは上がませんね、「自分の金で買い、そして売り、休んで勉強しなさい。」という骨董の格言の「勉強」のうちです。



展示室に飾ってしばし鑑賞・・。



寺崎廣業はやっぱりうまいな~と思います。



多作になったこと、早世したことが悔やまれますね。



さ~、帰郷したら寺崎廣業のいい作品にお目にかかれるかな? ただ意外に郷里にいい作品はないようですが・・。




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