夜噺骨董談義

収集品、自分で作ったもの、見せていただいた品々などを題材に感想談など

源内焼 その133 三彩釉西湖山水図輪花皿(大)

2022-05-23 00:01:00 | 陶磁器
昨日の日曜日は久方ぶりに気持ちの良いいい天気・・。



気候も暖かくなり、家中の窓を開けて換気。



少し風が吹いて気持ちの良い日でした。家を作る時には自然の換気のために風が通るようにつくるのが肝要ですね。



義母と息子以外は出かける予定がないので、当方はのんびりと蒐集作品の整理の休日です。



離れでは家内が洗濯ものを取り込んでいました。



庭ではつつじの季節です。



干していた洗濯ものがなくなった茶室の縁側で、庭を眺めてのんびりと過ごします、これぞ休日・・・。



さて本日は源内焼の作品紹介です。

源内焼の作品で口径が250mmを超える作品は珍しいと言えましょう。もともと実用性より大名富裕層の鑑賞用としての用途に作られているので、その文様の出来栄えがよく、さらに大きな作品ほど価値が高いと言えます。


源内焼 その133 三彩釉西湖山水図輪花皿(大)
径275*高さ35 合箱入


この図柄の作品は図集には掲載されていませんが、間違いなく江戸期の源内焼の作品です。この大きさで擦れや欠けのない完品は珍しいものです。源内焼は軟陶なので、大きな作品が難しく、また完品で残存するのは稀になります。釉薬が剥がれたり、本体が欠けたり、割れたりしている作品が非常に多い作品群ですね。


描かれているのは月でしょうね。基となった絵の作品があるのでしょうね。


源内焼は型の入れて作られ、その型からの抜けの良さが評価のポイントになります。ときおり抜けのよくない作品があったり、釉薬が擦れている作品がありますが、そのような作品は蒐集から外しておいた方がいいでしょう。


単釉の作品も味わいがありますが、基本的に色釉を何種類か使われて方が評価が高くなります。


裏側の作り方は幾つかありますが、本作品は皿としての作りの標準的なもので通称「眼鏡底」というとものと共通しています。


源内焼は前述のように軟陶であり、非常に汚れやすい性質があります。痛めないように洗うときれいになりますね。


実は本日の作品に対して口径が七寸ほどのものに同じような構図の作品(下記写真右)が存在します。おそらく七寸ほどの小さめの作品の方が時代は後なのでしょう。残念ながらこちらの作品は破損補修跡があり、当方にて金繕いしてある作品です。


源内焼 その33 三彩釉西湖山水図輪花皿(中) 
径215*高さ27 破損補修跡有 合箱入


下記の写真が本日の作品(口径が約九寸)ですが、おそらく同じく西湖山水図をデザインしたものと推察されますが微妙に違うデザインとなっています。


蒐集作品が130作品を超えてきましたので、ちょっとマニアックになってきたようです。調査資料と共に誂えられていた箱に収納されてきます。


最近蒐集された作品は整理までの間は展示室に展示しています。ちなみに再興九谷、古瀬戸、織部、源内焼と緑釉に関連する作品が偶然にも並びました。


箱を誂えたり、資料を作成したりすのが、当方にとっては至福の時です。


新たな蒐集が関連した過去に蒐集した作品について解ってきたりするのも面白いもので知識が深くなっていきます。小生のように物覚えの悪い者には手近に作品があることが肝要のようで、美術館で観たり、図集で眺めていては決して身につかないようです。

今ではいろんな情報がインターネットを通して入手できます。その情報をデジタル情報として解析したりすることで、入手しなくても情報として整理できます。つまり手近に作品が無くても、まるで手元にあるかかのように情報が整理できるということです。

たとえば下記の作品はどの図集にも掲載されていない作品ですが、資料として手元に整理できます。

参考作品解説(ネットオークション出品作)
源内焼 緑釉松下獅子角皿 
作品サイズ:幅205*奥行205*高さ35 合箱入
落札金額:約7万円


獅子を題材とした作例は源内焼には多種多様ですが、このデザインの作品は珍しいものとなります。


入手費用が要らなくても、情報は入手できる時代ですね。情報はデジタル化での蓄積の時代です。

図集や美術館では落款や印章、作風は解りません。下手をすると撮影禁止、転載禁止ですので、情報化できません。店頭の作品は図集や美術館で情報を集めているうちに作品はどこかへ流れていきます。ましてやちょっと見ただけで記憶に遺るほど審美眼の育成は生易しいものではありません。即時判断できる日頃の鍛錬と手元の情報が必要です。




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