アンサンブル・ド・ミューズ ニュースレター

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文庫化された1冊を…♪

2020-08-16 10:59:48 | Weblog
将棋の藤井聡太七段が棋聖となりさらに現在王位に挑戦中ってことにちょっと気持ちをつつかれて、ささやかなささやかなマイブームとなっています
渡辺明名人(昨日から)をモデルにしたまんがにハマったり、羽生九段監修の子供向けの将棋入門書を読んでみたり、ネットニュースで藤井棋聖や渡辺名人のことを追ってみたり…。
ようはミーハーになっちゃってるんですな…
100均でおもちゃの将棋盤を買ってきて駒を並べてみたりしてますが、将棋そのものについては全く進展がなく、いまのところ“歩”の一枚も動かせてません…
で、いつもの書店でいつもの行動。
文庫本の棚の間を巡って、目に付いたカバー裏の紹介文を読んだり戻したり…、ふと視線を転じた先にコレがありました。

               

『弟子・藤井聡太の学び方』 棋士杉本昌隆著 PHP文庫
あらぁ、文庫化されたんだぁ…と手に取って“はじめに”に目を通す。
よし…っ、買いだ
杉本八段と藤井聡太少年の出会いから、師匠杉本と弟子藤井の関係について、棋士藤井聡太について、藤井棋士の兄弟子たちのこと、その進退について師匠として思うこと、自分の修行時代のこと…etc.etc.
平易な言葉で、まるで向かい合って話を聞いているような穏やかな文章です。
読後の感想としてはっきり印象付けられたのは、“この親にしてこの子あり”で
この師匠あればこその藤井棋聖
ということです。
今となっては有名な話ですが、幼少の頃の藤井少年は負けると大号泣していたそうです。
その号泣を、斯界の先輩で指導者的立場にある大人がどう捉えるか、どう受け止めるかで以後が変わります、大抵の場合は手筋は善いけど号泣は厄介だし面倒だから放っておくか、となりがちでしょ
でも杉本師匠は
母親にしがみついて泣く子は珍しくないが、将棋盤にしがみついて泣く子は見たことがない
と逆に興味をもたれたんですね、すべてはここから始まったといってもいいくらい。
栴檀は双葉より芳し
といいますが、目の前にある小さな双葉が栴檀であると気づいてくれる人がいなければ、気づいて育んでもらえなければ、ただの匂う樹で終わってしまうかもしれない
杉本八段には栴檀を栴檀と見抜く目があり、育てる器量があったということでしょう。
その方向からもこの本を読むと、杉本八段もただの棋士ではないということが分かります。
誰もが良き師匠になれるわけでもないし、誰もが栴檀の双葉に出会うわけでもないしね。
よい1冊に出会いました
余談ですけど…。
まだ藤井七段が棋聖戦を戦っていた頃、テレビ番組で杉本師匠は
次に藤井と対局するときは、私が“下座”かもしれない
と冗談交じりに仰ってましたが、心のどこかですでに確信があったのでしょうね。
藤井七段が藤井棋聖となってからのテレビ番組では
次の藤井との対局では、私は胸を張って下座に座ります
と仰ってたのが印象に残ってます。
嬉しいんだろうなぁ、誇らしいんだろうなぁというのが伝わってきましたもの。
今週の火曜と水曜が王位戦第4局です、さぁその結果は…。
コメント
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