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時今也桔梗旗揚…♪

2020-08-23 10:14:38 | Weblog
先週金曜日のNHK・Eテレ『にっぽんの芸能』は、“織田信長”のいろいろでした。
ゲストは中村歌六丈。
番組MCの俳優高橋英樹氏もかつて大河ドラマ『国盗り物語』で信長役を演じたひとりで、信長を描いた過去の映像作品もちょっとずつ紹介されました。
で、メインは歌舞伎
歌舞伎作品にも信長が登場するものは数少ないなりにいくつかありますが、いずれも主人公としてではなく敵役、脇役です。
よく知られているのが
時今也桔梗旗揚
ですが、あくまでも光秀を虐める敵役として登場します。
この狂言では、織田信長 小田春永、明智光秀 武智光秀と名前が変わっています。
番組では、中村吉右衛門丈=武智光秀、中村歌六丈=武智光秀の配役で、「饗応」「馬盥」「連歌」の場面がダイジェストで放送されました。
“芝居の嘘”ともいうべきオヤクソクや誇張も当然あるんですけどさ、
お前様はまぁ性根が歪んでないかい
って言いたいくらい、春永は光秀を虐める。
それに関して、歌六丈は
知識人でもあり良識もある光秀に対する信長のコンプレックスが、まるで八つ当たりのような態度になりそれがエスカレートして嫌がらせになっていく
と解釈して役作りをしておられ、高橋英樹氏も
信長は心から光秀を信頼しいていて、だからこそ“こうしたら怒るかな”“こんなことしたら怒るかな”というある種子供っぽい面がエスカレートしていった
と解釈したそうです
んで…。
饗応の場で春永の命を受けた森蘭丸に打ち据えられようと、家臣一同の前で馬盥で酒を呑まされようと、じっと我慢を重ねる光秀
不遇時代に身体を壊した光秀の薬を贖うため妻女が髪を売ったことがあって、その髪を入手したから下げ渡してやる…って…。
これ以上の辱めはないんだけど、それでも光秀はぐっと堪えて耐え忍ぶ。
そして「連歌」の場。
ついに堪忍袋の緒が切れたというより緒を切った光秀が豹変します
豹変する前と後の差の表現が、吉右衛門丈はホントにホントに旨いよねぇ
衣装が白装束になり鬘も変わってるんだけど、化粧は変わらない。
なのに、青隈の化粧に変えたようにかんじられるものね。
吉右衛門丈のこういう演じ分け、昔からホントすごかったよねぇ。
昔、旧歌舞伎座で観た『一条大蔵卿譚』の大蔵卿も、痴れ者の振りをしている前半と本性に戻った後半とのギャップが素晴らしかったもの…、
ひょぇぇぇぇ…っ
って…。
ま、小説であろうが映像であろうが私は信長様LOVEであって光秀に興味はない…『時今也』の春永は置いといて…。
ただし、吉右衛門丈が演じられる場合に限り、光秀LOVEであります
コメント
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