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『棒しばり』と『天守物語』…♪

2023-06-26 11:02:14 | Weblog
昨夜のNHK『古典芸能への招待』は平成中村座『棒しばり』『天守物語』、姫路城の天守下に立てた芝居小屋での公演の録画です。
『棒しばり』は狂言に基づいた舞踊劇で、大名の曽根松兵衛を中村扇雀丈、太郎冠者を中村橋之助丈、次郎冠者を中村勘九郎丈が演じてました。
自分が不在の間に酒の盗み呑みはさせじと次郎冠者の左右に広げた両手を肩に担いだ棒に縛り付け、太郎冠者の方は後ろ手に縛ってから主人松兵衛は出かけて行きますが、不自由な体勢であっても二人が酒を諦めることはありません
協力し合ってきっちり呑んでしまい盛り上がる様子を舞踊で表現していてまぁ面白い、櫃の蓋に酒を酌んで交互に吞むんだけど、二人とも手が使えないから相手が吞みやすいよう蓋を傾けるときには爪先でって発想が秀逸
勘九郎丈の父上故勘三郎丈が芝居でも踊りでもまずは型と言われるのを聞いたことがありますが、そのことが勘九郎丈にも受け継がれているんでしょうね、元々の型がきちんとしているからちょっとした所作や踊りの決めの形がキレイですもの。
それにしてもあの踊りの運動量は相当なものですね。
そして『天守物語』、かつて泉鏡花の原作もしっかり読んだし坂東玉三郎丈が演じた舞台も観ているから大筋はアタマに入っている
中村七之助丈が天守夫人富姫、中村虎之介丈が姫川図書之介、中村扇雀丈が富姫付の上臈薄、勘九郎丈が近江之丞桃六を演じ、演出はなぁんと坂東玉三郎丈
そりゃぁ『天守物語』富姫といえば玉三郎丈ですもんねぇ
舞台手前で腰元たちがなにやら釣りをしているところへ富姫が登場、蓑を着けていて、何かと言葉を掛ける皆に向かって
似合ったかい…
っきゃぁぁぁ…
演出の玉三郎丈による薫陶の成果でもあるんでしょうけど、七之助丈の富姫は“まさに富姫これぞ富姫”でした
七之助丈のお顔がね、途中から人間を越えた何かに見えて来ちゃって、それほどに美しかった
いやぁ、よいものを観ました
コメント
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