■ 1号機の圧力容器の表面温度400℃ !! ■
単純な間違えである事を祈りますが、又もや物理法則が揺らいでいます・・・。
<Bloomberg news より引用>
「東電:福島第一原発1、2号機の原子炉圧力容器外壁の温度低下傾向」
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920019&sid=atxMG22sJKLM
3月21日(ブルームバーグ):東京電力は21日午後の記者会見で、福島第一原子力発電所1、2号機の圧力容器の外壁の温度が低下傾向にあることを明らかにした。
同社原子力設備管理部の黒田光課長は、1号機について20日午前3時の400度から21日午前3時の385度に低下したと述べた。2号機は21日午前3時に160度以下だった。黒田課長は「海水の注入を継続していることから、温度が下降傾向にある」と説明した。
<引用終わり>
「1号機の圧力容器の表面温度400度」っていったい??
もしこれが摂氏ならば、内部の蒸気圧は220気圧(22MPa)を越えています。
1号機の圧力容器の耐圧が90気圧(9MPa)ですから、密閉状態では完全に圧力容器が破損します。
昨日の圧力容器内の圧力は上の図からは2.95気圧(0.295MPa)ですから、400度の水蒸気圧の220気圧にとうてい及びません。
① 実は圧力容器の中に既に水は存在しない
② 水蒸気爆発を恐れて海水の注入が出来ない
③ 水が無い方が、再臨界を起こさないと判断して燃料棒を溶融するに任せている
④ 圧力容器は空焚きで、格納容器を用いて圧力容器を外側から冷却している
モワモワと妄想が膨らんでしまいますが、圧力容器に水な無ければ、燃料棒が溶融して散乱したペレットが再臨界を起こす事も、高温のジルコニウム合金が水素を発生する事もありません。
後は16cmの厚さを持つ圧力容器が、外からの冷却でどのくらい持つかですが、既に時間との戦いなのかもしれません。
圧力容器に注水できなかった事が幸いして、日本は救われた・・・なんて事は・・ある訳無いか。
<追記>
色々考えてみましたが以下の理由により、やはり圧力容器は空焚きで、格納容器にじゃんじゃん水を流して圧力容器を冷却して再臨界を防いでいるのではないでしょうか?
① 500リットル/分の水が圧力容器に注入されて水位が回復しなければ大量の水蒸気が発生。
② 圧力容器の外側温度が400度と高温
③ 圧力容器の内圧は3気圧と低圧で、水蒸気の存在が伺えない
④ 格納容器が負圧(1気圧以下)となっており、大量の海水で冷やされている可能性が高い
圧力容器内の水を抜けば再臨界が起こらない事は、東海村の臨界事故で最終的に水を抜いて臨界を止めた事とも共通します。
この方法の利点は・・・
① 圧力容器内の水蒸気爆発による燃料の拡散を防げる
② 圧力容器内の水素の発生を抑え、水素爆発を防げる
③ 圧力容器からの排気が少なく、格納容器の海水の放射能汚染を最小に止められる
但し、問題点は
① 圧力容器に再注水すると水蒸気爆発を起こす可能性が高い
② 圧力容器に再注水すると、再臨界を起こす可能性が否定できない
③ 圧力容器に注水しない場合は、圧力容器が熱に耐えられる期間、ひたすら外部から冷却
を続け、燃料の除熱を待つ必要がある
④ 燃料を除熱しても、注水すると溶解してまとまった燃料の形状によっては再臨界の可能 性は否定出来ない。
⑤ 上記理由より長期間外部から冷却する必要がある
⑥ 何よりも圧力容器が内側の高温に耐える必要がある
さらに
① 地震によって圧力容器の配管が破損している場合、燃料の蒸発物(ヨウ素やセシウム) が大気中に放出される。
② 現在、広範囲に観測されている放射性部室はこれが原因かも知れない
③ 燃料が冷えるまで、放射性物質の放出が続く可能性がある。
いずれにしても、暫くは予断を許さない状況が続きそうです。