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経済の最新情勢から、世界の裏側、そして大人の為のアニメ紹介まで、体当たりで挑むエンタテーメント・ブログ。

2号機で局所的再臨界?・・・予断を許さない状況に

2011-03-27 19:22:00 | 福島原発事故
■ 2号機が心配 ■

<中国新聞より引用>

2号機では放射性物質1000万倍 福島第1原発事故 東日本大震災による福島第1原発事故で、2号機のタービン建屋地下にたまった水の放射性物質の濃度は、通常の原子炉の水の約1千万倍だったと、東京電力などが27日、発表した。作業員3人が24日に被ばくした3号機のたまり水は同約1万倍で、はるかに高濃度。

<中略>

 2号機のたまり水の分析結果によると、半減期が53分と短いヨウ素134が、1立方センチ当たり29億ベクレルという極めて高い濃度で含まれていたほか、ヨウ素131やセシウム137、コバルト56なども検出された。

 水の表面の放射線量も「毎時千ミリシーベルト以上」で、24日の3号機での測定値(同400ミリシーベルト)より高い。線量が高すぎるため測定を途中でやめており、さらに高い可能性があるという。

<後略・引用終わり>

■ 誰も知らない再臨界のメカニズム ■

2号機からは半減期の比較的短いヨウ素134が極めて高い数値で検出されています。

これは、2号機の炉心で核分裂反応が起きている証拠ではないでしょうか。
スパイク臨界反応と言って、連続的な臨界反応に至らない未成熟な臨界反応が発生している可能性があります。

これらの反応がいつ本格的な臨界反応になるか分かりませんが、核分裂の火種となる中性子が供給されるという事は、予断を許さない状況であると言えます。

■ 一基でも再臨界を起こしたら終わり ■

もし仮に一基でも再臨界が発生したら、全ての作業員が持ち場を離れて退避するしか選択肢は無くなります。

再臨界のプロセスや発熱量は分かっていません。
現在の10倍の熱量を発する通常の臨界になるのか、
ホドホドの発熱でくすぶり続けるのか、
チェルノブイリの様に一気に爆発的な反応になるのかは不明です。

■ チェルノブイリの様な爆発的反応は起こらないのでは ■

チェルノブイリでは減速材の黒鉛が燃焼して、25秒で燃料棒が燃え尽きる様な爆発的な臨界が発生しました。

福島第一原発では、炉心は溶融して固まりに様な状態になっていると考えられ、ジルコニウムやホウ酸や食塩が混合しているので、爆発的な反応の臨界にはならないのではと思われます。

しかし、燃料棒の溶融物は高温になるので、圧力容器を溶かして原子炉を支えるコンクリートとかなり激しい反応を起こす事はシナリオとしては考慮する必要があります。

■ 周辺地域は避難勧告を!! ■

既に事態は、「起こるかもしれない」事を想定して行動すべきです。

東京近辺でどのくらいの警戒が必要かは定かではありませんが、とりあえず原子炉の状況と風向きに注意は払う必要があります。

何か行動を起こすとすれば、作業員が原発を離れる事態が生じた時です。それまではTVとインターネットとにらめっこです。

「煽り」とのお叱りは覚悟で書いています。

何事も起こらない事が一番です・・・。

<追記>

原子力安全保安委員会の「データがおかしい」という指摘を受けて、東電ではデータを再測定し、ヨウ素134では無くてセシウムであったと訂正しています。

東電が当該サンプルを採集したのが26日の夜。半減期53分のヨウ素134は24時間後には1/5.9x10の8乗に減少いています。

再検査してもヨウ素134は殆ど検出されない事を承知しての指示でしょう。

東電の技術者とて、ヨウ素134を大量に検出すれば、再臨界を疑うはずですから、即座に再検査しているはずです。

そして彼らは国民に危険を知らせる為に、原子力安全保安委員会を通さずに発表したのでしょう。

ところが、原子力安全保安委員会はこの事実をもみ消すばかりでは無く、東電に2度とこの様な事をしないようにキツク言い渡しました。

少なくとも、私は原子力安全保安委員会よりも、現場で頑張っている東電の技術者を信じています。

このままでは、日本国民は原子力安全保安委員会に殺されてしまいます!!


「冷却材喪失事故」・・・最悪のケースになりつつある福島原発

2011-03-27 16:40:00 | 福島原発事故



■ 主配管破断による圧力容器の水漏れを原子炉技師が指摘 ■

日立OBの田中氏と、東芝OBの後藤氏は、原子炉容器の設計者として永年活躍されてきましたが、二人は会社を辞めた後、反原発の立場から活動されています。


お二人とも、「事故を起こす可能性のある、不良原発の運転を止めて欲しい」と言って活動しています。

原子炉の格納容器を設計して、その性能を隅々まで知りぬいた二人が、昨日首相官邸のホームページに示されたデータを見て、福島第一原発の1号機と3号機は、配管が破断して「冷却材喪失事故」を起こしていると指摘しています。

長い映像ですが、丁寧に説明され、原発内の写真も豊富です。

http://www.ustream.tv/recorded/13572861
http://www.ustream.tv/recorded/13573218
http://www.ustream.tv/recorded/13574257

■ 空焚き状態が続く圧力容器 ■

二人の意見は次の様な内容です。

① 事故直後に圧力容器の圧力が急激に低下している
② 事故直後に格納容器の圧力が急激に上昇している

この事は、圧力容器から出た配管が、格納容器内で破断して、圧力容器内の水がほとんど失われた事を示唆しています。

③ 圧力容器内は水を失って高温になる
④ 燃料棒が溶融して圧力容器下部に堆積している可能性がある

この結果、圧力容器の下部の温度が上昇したと考えています。(写真参照)

■ あってはならない事故 ■

原子炉は「冷却材喪失事故」(空焚き)を想定して、何重もの安全策を施していますが、今回はそれば全て作動しなかった様です。

かつて世界のどの原子炉も起こした事の無い、決して起こしてはいけない事故が現実に1号機と3号機で起こっているようです。

■ 非常事態宣言が必要 ■

既に事故直後から非常事態宣言の発令が必要な事態ですが、東電も原子力保安委員会も政府も、事の重大さを国民の隠し続けています。

いつ又再臨界が発生するか分からない2台(3台)の原子炉を抱えて、30Km圏の強制避難を実行することすら出来ていません。

このまま、事態の収拾を待っているのでしょうが、事態は悪化こそっすれ、収まるはずがありません。

最近ニュースに出てくる汚染値は、通常の一万倍とか、ほとんど冗談の様な数字です。

■ 奇跡的空焚きに私は掛けています ■

原子炉設計の権威であるお二人の発言だけに、重みがあります。
尤も、私はこの事態は確信していました。

それだけに、「圧力容器完全空焚きによる臨界防止」に希望と繋いでいます。

■ 臨界事故が起きれば東京も不安 ■

チェルノブイリの様な臨界事故に発展すれば、東京とて風向きによって、それなりの放射能汚染は覚悟が必要です。

少なくとも事態が収束するまで、妊産婦や子供達は中部以西に避難させておいた方が良いと思います。

何事も無ければ、それに越した事はありませんが・・・。
娘を家内の実家行かせていますが、帰宅は様子を見てからにします。

私と家内は、ヨウ素なんて怖くない年なので、とりあえず様子見。

<追記>

度々観測される中性子や、2号機タービン建屋で検出されたヨウ素131など、部分的な臨界を思わせる兆候が現れています。
しかし、未だ連続的な臨界には至っていません。

ホウ素を投入した事、塩の存在、ジルコニウムの存在など、大規模な再臨界を阻む要素もあるのでしょう。
予断は許しませんが、チェルノブイリの様な爆発的反応にはならず、結構、グズグズと燻るような再臨界になるのかも知れません。

いずれににしても、予断を許さない状況。



東風(こち)吹かず、吹き流されし、放射能・・・放射能汚染は風向きに支配される

2011-03-27 09:15:00 | 福島原発事故



■ 東京の3月15日の汚染はどのくらい? ■
先日、不用意にフランスのシミュレーションを紹介してしまいましたが、東京上空に放射性物質が飛来した3月15日の放射性物質の濃度は10~100(Bq/㎥)です。

Bq(ベクレル)という馴染みの無い単位は、放射能の量を表す単位です。
wikispediaによれば、

「ベクレル(becquerel, 記号: Bq)とは、放射能の量を表す単位で、SI組立単位の一つである。単位記号は、[Bq]である。1 s間に1つの原子核が崩壊して放射線を放つ放射能の量が1 Bqである。たとえば、370 Bqの放射性セシウムは、毎秒ごとに370 個の原子核が崩壊して放射線を発している。」

3月15日の東京上空では、1秒毎に1㎥当たり、10~100個の放射性原子の崩壊が起きていた事になります。

■ チェルノブイリと比較してみよう ■




これをチェルノブイリと比較してみます。

チェルノブイリの土壌汚染を示す図によると、チェルノブイリから200Km離れた地点には、1(Ci/k㎡)~40(Ci/k㎡)の放射能が検出さえています。

1Ci(キューリー)=3.7×10の10乗 Bq(ベクレル)ですから

チェルノブイリの200Km圏内の放射能汚染は、37,000 ~ 1,480,00( Bq/㎡)という数値になります。(当然、これ以下の地域も多くあります)

空気中の濃度と、地表の濃度の比較ですから単純には比較できませんが、東京上空の3月15日の放射能がチェルノブイリに比べれば格段に低い事が分かります。

■ 風向きによって変化する汚染レベル ■

事故原発から40Km程離れた福島県飯舘村では、1平方メートル換算で326万ベクレルのセシウム37が検出されています。

これはチェルノブイリで強制移住地域となった55万(Bq/㎡)の20倍という高い数値です。

チェルノブイリの土壌汚染データを見ても、分布は同心円情では無く、帯状に分布しています。これは、放射性物質を含んだ空気(放射能雲)が風に乗って運ばれて行き、雨や雪が降った地域に局所的に降り積もる為です。

飯舘村や福島市など、原発から比較的離れた地域で、高めの放射線量が検出されるのは、原発から大量の放射性物質が放出された時に、丁度風下でさらに雨か雪が降っていた可能性があります。

■ 東京は極微量の汚染で済んでいる ■

現状、東京新宿の放射線強度は0.12(μSV/h)程度です。これは通常の2~3倍ですが、充分に低い値で問題ありませ。

http://ftp.jaist.ac.jp/pub/emergency/monitoring.tokyo-eiken.go.jp/report/report_table.do.html

■ 大部分の放射線物質は洋上に ■

フランスのシミュレーションを見ると、13日、14日の爆発時に飛散した濃度の高い放射性物質は、ほとんど太平洋上に拡散したようです。

3月末といいながら、寒い日が続き、西の風が強かったのが幸いしたのでしょう。

これが、万葉にも歌われた東風(こち)が吹いていれば内陸部の汚染はもっと深刻なものだったのかもしれません。



原子力保安委員会だけは信じるな・・・武田邦彦がバッサリと両断

2011-03-27 05:10:00 | 福島原発事故



■ 原子力保安委員の言っている事は変? ■

毎日TVに登場るす原子力保安委員。
私は事故後ずっと、彼が記者会見をする度に違和感を覚えていました。
現場の映像や、海外で報道や、アメリカの対応で私が受ける危機感と原子力保安委員が会見で発表する被害状況が整合しないからです。

「原子炉炉心が空焚きで無いか」と疑いだしてから、彼らの発言に注視していると、色々と矛盾がある事に気付きます。

「炉心」の定義を変えてしまったり、全く異なるデータと基準を組み合わせて発表したりというのは、技術者からすればあり得ない事ですが、原子力保安員は涼しい顔をしてやっています。

■ 武田邦彦が原子力保安員をバッサリ! ■

今回の原発事故についても、武田邦彦は歯に衣着せぬ物言いで、原子力保安委員をバッサイと両断しています。

http://www.youtube.com/watch?v=gW8pfbLzbas

原子力保安委員の実態を知れば、今回の事故での彼らの発言の数々に納得がいきます。

原子力保安委員会だけは信じてはいけないのです。

■ 武田邦彦は視点は直感的の正しい ■

15年程前、私はそれまで勤めていた会社を辞め、次に仕事をするには「ECO」や「環境」がテーマになると思い図書館に通っていた時期があります。

この時出合ったのが武田邦彦の「リサイクルしてはいけない」でした。
世間の通説に全く反逆するかのようなタイトルに、「コイツ、何言ってんだ!!」と思ってその本を借りました。

読んでビックリしました。
分散工学の立場から、紙やペットボトルのリサイクルが、より大きな負荷を環境に掛ける事を、分かりやすく解説していました。

歯に衣を着せぬ物言いと、専門で無い分野にも首意見するので間違いもあり、世間的には「とんでも学者」のレッテルを貼られたりもしていますが、武田邦彦の視点はシンプルです。
「合理的であるかどうか」が武田邦彦の判断基準になっています。

「リサイクルしてはいけない」は悲しい終わり方をしています。
「全ての人が、物を大事にして、物を捨てずのいれば環境は守られる。
涼しさを得る為により多くの熱を出すエアコンを使わなければ環境は守られる。」・・・当たり前だけど、きっと不可能な事。


私はこの本を読んだ後、それまでもあまり使わなかったエアコンを全く使わなくなりました。一人くらい、当たり前の「ECO」を実践しても良いのでは無いかと思ったからです。

■ 「温暖化問題」を一刀両断した武田邦彦 ■

武田邦彦はその後、「温暖化問題」がウソである事も摘発していきます。
色々とデータの扱いに問題があったりしていますが、
クライメート・ゲート事件が発覚して、
気候に関する政府間パネル(ICPP)が非常に怪しい組織である事が発覚しています。

■ 「原子力推進」の隠れ蓑としての「温暖化問題」 ■

「二酸化炭素主因の温暖化説」の本当の目的は、「原子力の推進」である事はあまり知られていない事実です。
太陽光や風力などの自然エネルギーは変換効率が悪く、環境負荷はむしろ高い技術です。

「温暖化問題」の最大の目的は、「スリーマイル島原発事故」と「チェルノブイリ原発事故」によって停滞していた「原子力発電所の復権」です。
80年代以降「危険」というレッテルを貼られていた原発に、「クリーンエネルギー」という偽りの再包装をしたのが温暖化問題です。
80年代以降、「反原発」の急先鋒だったヨーロッパの環境団体は、現在では「クリーンネンルギーとしての原発」の崇拝者に変貌してしまいました。


その裏には、「石油利権」と「原子力利権」の激しい戦いがありましたが、これは政治の裏舞台に隠れて、一般の人の目に触れる事はありません。911もイラク戦争も、彼らの争いの帰結である事は、一部の人しか気付いていないのです。

今回の原発事故を単なる「地震による老朽原発の事故」と思ってはいけません。今回の事故はあくまでも人災であり、そしてその原因の一つが、エネルギーを大量使用する私達自身である事を忘れてはいけないのでしょう。