■ 二号機で再臨界 ■
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20111102/t10013694971000.html
「キセノン検出 局所的な臨界か」 NHK
福島第一原発の二号機でキセノン133、135が検出されています。
キセノン133の半減期は5日。
キセノン135に半減期は9時間。
つい最近において臨界反応が発生しなければ、
3月に停止した原子炉から検出される様な物質ではありません。
特にキセノン135は半減期が9時間と短いので、
小規模臨界が最近(数日内)に発生した事を示しいてます。
■ 小規模な臨界は、大規模な臨界に進展するか? ■
何を今さらという記事ですね。
3月末にも、タービン建屋の溜まり水から、
半減期の短いヨウ素134が検出されていました。
(保安院に怒られて、東電は翌日否定しましたが・・・)
http://green.ap.teacup.com/pekepon/367.html
「2号機で局所的再臨界?・・・予断を許さない状況に 2011.03.27 人力でGO」
圧力容器の底部,或いは格納容器の底部に
破損した燃料ぺwレットが溜まっているのですから、
減速材としての水が存在する限り、
燃料ペレット間の距離が臨界条件を満たせば、
局所的再臨界はいつでも派生します。
しかし、燃料ペレットがバラバラの状態で堆積している場合、
再臨界が発生して巨大な熱量が発生すれば、
燃料ペレットの周囲の水が瞬時に沸騰します。
圧力容器内の圧力が低ければ、
水蒸気の気泡が再臨界を起こしたペレット周辺で発生して
その際にペレットの位置が移動して、
臨界条件を満たす距離関係が崩れれば臨界は停止します。
又、燃料ペレットが溶融して一定以上の塊になった場合も臨界は発生します。
この際、溶融した塊は高温になり、
熱によって飛散するので、臨界は停止するのでは無いかと
京大の小島先生は4月頃に語っています。
事故直後から小規模な臨界が発生していても、
現状は大規模再臨界には至っていません。
この事は、軽水炉にはフェイルセーフ機能がある事を物語っています。
チェルノブイリ型の黒鉛炉は、
臨界事故後は、黒鉛の燃焼熱と臨界熱で
まさに暴走状態が発生します。
発生した巨大なエネルギーによって、
核燃料が空中に浮かんだのでは無いかと言われています。
(そんな・・・エヴァンゲリオンみたいじゃないか・・・)
一方、スリーマイルや福島原発事故を見ると、
軽水炉は制御不能になっても
破壊的暴走は発生し難い様に思われます。
今後の事故分析の結果にもよりますが、
安全な原子炉の設計に大いに役立つデータが
福島原発事故によって、得られるかも知れません。
■ 武田先生、「核爆発」は言いすぎでしょう? ■
しかし最近の武田先生は不可解です。
昨日の記事を全文引用させて頂きます。
<引用開始 武田邦彦氏のブログより>
「福島2号機の核爆発・・・東電のサボりだが大丈夫」
福島2号機にホウ酸を投入したと発表された。これは核爆発を防ぐためのものだが、現在までのデータから言うと大爆発が起こる可能性は無いではないが、かなり低い。福島原発事故の直後は、燃料集合体がまだ形をなしていたのでホウ素の注入は危険信号だったが、すでに燃料は破壊されている。
東電が詳細なデータ(原子炉の温度や圧力、水の投入量や放射線の状態)を出せば専門家が判断できるが、出さないばかりかウソを繰り返しているので、その中から本当の情報だけを取り出すのが難しいが、すでに2号機の燃料は細かくなって原子炉か格納容器の下に落ちていると考えられる。
冷やすために水を投入しているので(水は核爆発を誘発する)、本来は水を投入しない方が良いのだが、核爆発の可能性を作っている。しかし、全体状況からいって避難する必要はないと思われる。東京、神奈川以北から宮城まで、風向きに注意をすること、インフルエンザ用のマスク、それに2,3本のペットボトルを用意する必要はある。
(原子炉は、臨界に達すると核爆発(質量欠損が起こって、その分の熱が出ることを言う)する。爆発の程度は付近が危険になることから、広島のようになることまで範囲は広い。第二次世界大戦の時にアメリカで原爆の実験をしていたときには数人が死亡した核爆発が起こっている。日本では原子炉を安全に見せるために「臨界」という言葉を使うことが多いが、「臨界」と「核反応」はまったく違うもので、「臨界に達したら核爆発する恐れがある」ということだ.科学は厳密に用語を使用する必要があり、政治的理由で変えてはいけない。)
時間ができれば、もう一度、詳しく解説したい。
(平成23年11月2日)
<引用終わり>
「核爆発」という言葉は、「核爆弾」に用いる用語です。
確かに「核爆発」は、「臨界」によって生じます。
「臨界」とは次に様な現象です。
1) ウラン原子から中性子が放出される
2) 別のウラン原子が中性子を一個吸収する
3) ウラン原子が二つに分裂し、幾つかの中性子が放出される
4) この反応の連鎖で中性子と核分裂が加速度的に増加すいる
5) ウランは核分裂する際に大量のエネルギー(熱)を放出する
ウランやプルトニウムから発生する中性子を「即発中性子(高速中性子)」と呼びます。
「即発中性子」による「爆発的臨界反応の連鎖」を用いたのが「原子爆弾」です。
1) ウランの濃度が高くないと「即発中性子」の反応は持続しない
2) 中性子密度が高く維持出来なければ、爆発的臨界を得られない
原子炉燃料のウランの濃度は低いので、
通常は「即発中性子(高速中性子)」による反応は起こりません。
さらに原子爆弾ではダンパーと呼ばれる中性子の反射層が設けられていて、
発生した中性子を限られた空間内に閉じ込める工夫がされています。
以上の事から、原発では即発臨界は起こり難く、
もし起きたとしても、持続時間が短いので、
「原爆実験の失敗」の様に、未熟爆発となるので、
原子爆弾の様な膨大な得られません。
武田氏は、「臨界」=「核爆発」と表現する事で、
あえて世間をミスリードしています。
武田先生は、「臨界」や「核爆発」にはお詳しいので、
これは何かの意図があって、嘘をついていると考えられます。
まあ、1(mSv/年)も危険と騒いでみたり、
最近の武田先生には、ちょっと付いて行けません
■ 放射線が怖くなければ・・・ ■
私は現在、個人的には100(mSv)以下の放射線に恐怖は感じません。
しかし首都圏では、ラジウムによるホットスポットが相次いで発見され、
物々しい除去作業の様子が報道されています。
さて、あのラジウムはどうして存在するのでしょう?
1) 医療用(造影剤)の痕跡?
2) 夜光塗料の痕跡?
私が子供の頃は。「夜光塗料」は駄菓子屋で普通に売られいました。
マニキュアの様な刷毛付のビンに入っていたと記憶しています。
それを爪に塗ったりして遊びました。
夏休みなどで祖母の家に従兄が集まると、
年上の従兄達が押し入れの中に、
夜光塗料で骸骨の絵を描いて
年下の従兄を閉じ込めて遊びました。
・・・自家製オバケ屋敷です・・・。
私は・・・骸骨を描く係でした・・・、
夜光塗料のラジウム使用は1957年に禁止されていますので、
当時の夜光塗料に使用されていた放射線元素は、
半減期の短いプロメチウムなどの物質であったと思われます。
1990年代までは、放射性元素を含む夜光塗料が利用されていました。
夜光塗料はその他、色々な所に利用されていました。
戦中は戦闘機などの機体にもペイントされていました。
身近な所では、蛍光灯のスイッチの紐の先のプラスチックが暗闇でも光っていました。
子供の玩具などにも、暗闇で光る玩具は沢山ありました。
さらには、避難誘導灯のシールも、暗闇で光っていました。
これが現在ならば、お母様型が放射線量計を持って街に出たら、
いえ、家の中だけでも、高い線量を計測出来たでしょう。
幸いな事に、夜光塗料マニアだった私と従兄達に
未だ癌になった人は居ません。
<追記 2011.11.05>
東電は今回の放射性キセノン検出の原因は
「自発核分裂」によるものだと発表しました。
私はこの発表は「信じて良い」と考えます。
「自発核分裂」とは、原子炉の核反応で作り出された元素のうち、
原子量の大きな元素が、自然に核分裂を起こす現象です。
トリウムよりも原子量の大きな物質で発生します。
核分裂によって元素番号92のウランよりも陽子の数が多い元素が発生します。
93-ネプツニウム(Np)
94-プルトニウム(Pu)
95-アメリシウム(Am)
96-キュリウム(Cm)
97-バークリウム(Bk)
98-カリホルニウム(Cf)
99-アインスタイニウム(Es)
100-フェルミウム(Fm)
101-メンデレビウム(Md)
102-ノーベリウム(No)
103-ローレンシウム(Lr)
104-ラザホージウム(Rf)
105-ドブニウム(Db)
106-シーボーギウム(Sg)
107-ボーリウム(Bh)
108-ハッシウム(Hs)
109-マイトネリウム(Mt)
これらの物質は自然界には存在しません。
(プルトニウムはウラン鉱床の中の天然の原子炉の痕跡として見つかっている)
今回東電はキュリウム242と244がキセノン133と135の発生元だと発表しました。
臨界反応が発生した場合よりも、中性子量も発生熱量も小さかったとの事です。
キュリウム242の半減期は163日、キュリウム244は18.1年なので、
事故後半年以上経った現在、
キュリウムが「自発核分裂」を起すことは不思議ではありあませn。
皆さんは「東電は隠蔽体質」とお考えかもしれませんが、
事故直後から発表されるデータは、
比較的「ナマ」のデータだったと私は考えています。
ですから、保安院の発表や東電の技術者達が記者会見で話す内容と、
データが示す数値に矛盾が存在するので、
専門家達は「原子炉はいったいどうなっているのだろうか?」と
想像を膨らめていたはずです。
これが現場の良心によるものなのか、
単に東電の情報管理がズサンな為なのかは判断しかねますが、
専門家達は、事故後比較的早期にメルトダウンには気付いているはずです。
原子力ムラの中では、それを発表する事ははばかられますが、
大前研一氏(もんじゅの設計者の一人)や、小出教授は
事故直後から、メルトダウンを指摘しています。
・・・・現在彼らは、
「核燃料は格納容器もメルトスルーしているのではないか?」
と考えているようです。