■ ブロック化する世界 ■
BRICsという言葉を生み出しのはゴールドマンサックスでした。
新興国に投資を促し、これらの国の経済成長によって、
世界経済のパイを拡大するというのが、その狙いでした。
中国、ロシア、インド、ブラジルの発展は、
多極化という新しい世界の枠組みを生むとも言われていました。
アメリカの一国覇権が終焉し、
BRICsが地域覇権を獲得しながら、
地域の政治経済ブロックを形成するという考え方です。
これは1種のブロック経済で、
グローバリゼーションに逆行する動きでもあります。
■ シー・パワーとランド・パワー ■
東アジアの将来を考えた場合、アジアの盟主は中国になるでしょう。
中国の経済力がさらに拡大し、軍事力も増強されれば、韓国が日本は
東アジア経済圏として中国傘下に付かざるを得ないと考えられていました。
田中宇氏の見立ては、この辺は独特です。
田中氏が「隠れ多極派」と証するネオコン一派は、
中国を封じ込める事で、中国がアメリカ離れする事を促していると見ています。
一方、「米英中心主義派」は米中関係を良好に保ち、
中国を米英の影響下に置く政策を取っていると田中氏は見ています。
この考え方の根底には、地政学的なランドパラーとシーパワーの対立があります。
アメリカはイギリス、日本(韓国)などと共にシーパワーの国で、
大陸勢力の海洋進出を阻んでいるという考え方です。
覇権国の対立構造を用いて世界を安定さえる政策は
ロスチャイルドの得意とする戦略です。
■ アジアから撤退するかに見えたアメリカ ■
冷戦構造はランドパワーの大国である
中国とロシアを大陸に封じ込める政策でした。
冷戦終結後、アメリカはこの構造を放棄したかに見えました。
アメリカ軍も再編の一環として、
ハワイまdの西太平洋に制海権を中国に託し、
海兵隊もグアムまで退く計画でした。
トランスフォームと呼ばれる米軍再編のシナリオでは
日本や韓国は強引に中国と共に東アジア経済圏に取り残されます。
この計画はブッシュ政権下で進められました。
■ 小沢・鳩山の親中政策の裏側 ■
小沢・鳩山のロスチャイルドコンビの親中国コンビは、
民主党訪中団や、普天間問題でアメリカを刺激しました。
これは表面的には、日本のアメリカ離れを促している様に見えます。
ところが、結果的にはアメリアは日中の接近を嫌い、
再び日本にたいする支配権を強化する動きに出ています。
日本のみならず、南シナ海の領有権問題に積極的に口出しする事で、
東南アジア諸国のアメリカ離れも防ごうとしています。
そしてオバマ政権はそれまで注目されていなかったTPPを推し進める事で、
アジアの海洋諸国を、再び中国から引き離そうとしています。
TPPの真の狙いは、海洋諸国による大陸勢力の封じ込めで、
これはロスチャイルドが好む戦略です。
アメリカにおいてロックフェラーが衰退した事で
東アジアの枠組みは、大陸勢力(ランドパワー)の一人勝から、
TPP勢力(シーパワー)と大陸勢力(ランドパワー)の対立に変化しました。
■ 中東やアフリカから撤退するアメリカ ■
一方、中東における一連の革命で、
アメリカが戦後築き上げた中東支配の構造が崩壊しました。
リビアの戦争を見るまでも無く、
現在、中東の軍事介入がNATO軍が前面に出ています。
これは、旧勢力(アメリカ傀儡)が一掃された後の中東を、
EUとロシアと中国で分け合うという意思表示でしょう。
サウジの王権独裁は終焉を向かえ、
イスラエルも大幅に中東での存在感を失うでしょう。
同様にアメリカはアフリカからも撤退し、
ヨーロッパがアフリカ利権を引き継ぐものと思われます。
■ ブロック化する世界 ■
TPPをオバマ政権が推進する事で、
世界の新たな形が見え初めてきました。
日本はどうやら、中国とは袂を分かって、
アメリカを含む環太平洋シーパワーに組み込まれる様です。
これはロスチャイルドらしい戦略とも言えます。
アメリカを日本を始めとする諸国で支えながら、
ロシア、中国、インドと対峙させる戦略です。
東西冷戦に似た構図ですが、
今回は主役が沢山居る分、アメリカの影響力は弱まります。
アメリカは中東、アフリカの利権をヨーロッパに譲り、
環太平洋経済圏の盟主へとその役割を縮小します。
■ ブロック毎の機軸通貨とSDR ■
ドル後の世界を予測しようにも、
現状はドルに変わる機軸通貨はありあません。
しかし、貿易を自由貿易圏内に限定しる傾向のあるブロック経済では、
地域の主要通貨が、地域の機軸通貨として使用されるでしょう。
TPPの機軸通貨はドルです。
TPPの参加国はシンガポールやオーストラリアやニュージーランドやカナダは
名前だけならば、既にドルを通貨としています。
他の東南アジア諸国も、為替介入でドルに半ばペックしていますから、
ドルを機軸通貨にしても、現状とあまり変化はありません。
日本は、アメリカ国債を買い支える事で、円とドルは既に表裏の関係です。
現状は円高ですが、アメリカが国債を踏み倒せば、
妥当な為替水準に戻るか、むしろ円安に振れます。
その時点で、円のメリットと地域共通通貨とのメリットが秤に掛けられるのでしょう。
TPPにメキシコ、カナダが参加表明した事から、
環太平洋経済圏の機軸通過はアメロになる可能性も高いと私は考えます。
アメリカはドルとアメロの交換レートを調整する事で、
対外債務を大幅に削減する事が出来ます。
ヨーロッパはユーロ、
東アジアは元(元による決済は既に始まっています)
中東とアフリカはディナール
インドのルピーは残るか微妙・・・
インド、中国、ロシアなど上海条約機構グループは、
意外と一つの経済圏を目指すかもしれません。
南米はとりあえず、ブラジルレアル。
さて、世界の通貨が統合され、
IMFのSDRにそれらの通貨が組み入れられれば、
貿易決済の煩雑さを避ける為にも、
独自通貨を残す国は、スイスとイギリスくらいになるかも知れません。
TPPの参加、不参加は、新しい世界の枠組みへの参加表明だと私は考えます。
さて、皆さんはどう思われえるでしょうか?