■ オリンパスって真面目な会社なんですけど!! ■
オリンパスは内視鏡分野で世界の7割のシェアを持つ超優良企業。
上場廃止となれば、下手すれば外資の餌食に。
オリンパスは堅実な技術開発をする真面目な会社なのですが、
やはりバブル期に財テクなどしていたのですね。
かつてはOMシリーズという小型一丸レフの名機を生み出し、
その小型化への情熱たるや、SONYのウォークマンに並ぶものがありました。
レンス群の名前は「ZUIKO(瑞光)」。
シャープさでは定評があります。
ニコン、キャノンの影に隠れがちですが、
医療分野に強いだけあって、
マクロ(拡大)撮影は特に豊富なラインナップを揃えていました。
自然撮影を愛好するマニアには「OLYMPUS」のロゴは輝いて見えます。
デジタル一眼ではフォーサーズという統一規格で勝負を掛けましたが、
従来レンズが使えないとい事が仇となり、赤字をたれ流しています。
しかし、「従来レンズでは、CCD上に理想的な結像が出来ない」事から
従来レンズのラインナップをバッサリ切り捨てたのは、
やはり技術に対して真摯な姿勢故でしょう。
(本当はオートフォーカスの並に乗り遅れただけですが・・・)
そんな会社を「潰したく無い」という思いで
「飛ばし」を行ったのでしょうが、
身内のイギリス人社長に裏切られてしまいました。
日本人ならば、「会社の為、社員の為」にと黙っている所を、
イギリス人には通用しなかった様です。
実態を説明しなかった経営者にも問題はありますが・・・。
陰謀論大好きの私も、
今回の件は単純に社内トップの意思疎通の問題だと思います。
しかし、自分が永年勤めた会社を提訴するのですから、
やはり外人はドライですね。
■ 野村證券は大丈夫か? ■
オリンパス問題は間違いなく野村證券に飛び火します。
「飛ばしの指南役」としてクローズアップされるでしょう。
アメリカでは別件ですが、米連邦住宅金融局(FHFA)が、
住宅ローン担保証券(MBS)の販売をめぐる説明が不十分だったとして
野村證券を提訴しています。
これは、吸収したリーマンの過去の取引が問題視されているのですが・・。
一発勝負を仕掛けたのに、とんだハズレを引いてしまいました。
(バンカメのカントリーワイドとメリルと一緒ですね)
野村証券の株価は既に危険水準とも言えそうなので、
ここで国際的に追求されると、かなりキツイ状況になりそうです。
日本企業の株を大量に保有するであろ証券最大手が破綻ともなれば、
山一證券以来の事態に発展します。
廃業でもしてくれれば良いですが、
下手に生き残ろうとして外資の傘下にでも入ったら・・・あな、恐ろしや・・。
■ TPPに参加するという事 ■
原因はどうであれ、オリンパスや野村證券がどうなって行くのか、
今後の経済破綻の前哨戦として、
国民はしっかり目に焼き付けるべきでしょう。
TPPに参加すれば「日本的な経営習慣」が
ことごとくISD条項の訴訟対象になってしまうかも知れません。
「談合」なんて一発でアウト。
「談合」は狭い日本で多数の国民がワークシェアリングする為の
「農耕民族の知恵」とも言えるシステムです。
しかし、「狩る」か「狩られる」しか無い「狩猟民族」には理解されません。
海外の仕事は「グレーゾーン」はありません。
「契約書に書いてあるか、書いてないか」
「法令を遵守していると主張して裁判に勝てるか、勝てないか」
「違約金や賠償金を払うか、払わないか」
日本型システムが効率的とは言いませんが、
どっぷりとこのシステムに慣れ親しんでいる私達には辛い時代になりそうです。
尤も仕事を一緒にするとアメリカ人も結構「グレーゾーン」が好きです。
彼らの取る方法は「明言しない事」。
追求されても「そんな事は言っていない」でオシマイ。
日本に限らず、TPPに参加するアジアの国は、
欧米の契約書の厚さだけでもウンザリしそうです。
その契約書を作成する為に、
あるいは、訴訟を解決する為に、
アメリカから弁護士達が大挙して押し寄せてきそうです。
これこそまさに、「マッチポンプ」と言うのでしょう。
<追記 2011.11.09>
思い切り野村證券がヤバイと書いてしまいましたが、
どうやら「飛ばし」の指南約は、野村の元社員でした。
事件当時は別の会社を立ち上げていたそうです。
・・・野村證券さん、ごめんなさい!!。」