人力でGO

経済の最新情勢から、世界の裏側、そして大人の為のアニメ紹介まで、体当たりで挑むエンタテーメント・ブログ。

オリンパス問題・・・TPP後を先取りする事件

2011-11-09 13:11:00 | 時事/金融危機
 


■ オリンパスって真面目な会社なんですけど!! ■

オリンパスは内視鏡分野で世界の7割のシェアを持つ超優良企業。
上場廃止となれば、下手すれば外資の餌食に。

オリンパスは堅実な技術開発をする真面目な会社なのですが、
やはりバブル期に財テクなどしていたのですね。

かつてはOMシリーズという小型一丸レフの名機を生み出し、
その小型化への情熱たるや、SONYのウォークマンに並ぶものがありました。
レンス群の名前は「ZUIKO(瑞光)」。
シャープさでは定評があります。

ニコン、キャノンの影に隠れがちですが、
医療分野に強いだけあって、
マクロ(拡大)撮影は特に豊富なラインナップを揃えていました。
自然撮影を愛好するマニアには「OLYMPUS」のロゴは輝いて見えます。

デジタル一眼ではフォーサーズという統一規格で勝負を掛けましたが、
従来レンズが使えないとい事が仇となり、赤字をたれ流しています。
しかし、「従来レンズでは、CCD上に理想的な結像が出来ない」事から
従来レンズのラインナップをバッサリ切り捨てたのは、
やはり技術に対して真摯な姿勢故でしょう。
(本当はオートフォーカスの並に乗り遅れただけですが・・・)

そんな会社を「潰したく無い」という思いで
「飛ばし」を行ったのでしょうが、
身内のイギリス人社長に裏切られてしまいました。

日本人ならば、「会社の為、社員の為」にと黙っている所を、
イギリス人には通用しなかった様です。
実態を説明しなかった経営者にも問題はありますが・・・。

陰謀論大好きの私も、
今回の件は単純に社内トップの意思疎通の問題だと思います。
しかし、自分が永年勤めた会社を提訴するのですから、
やはり外人はドライですね。

■ 野村證券は大丈夫か? ■

オリンパス問題は間違いなく野村證券に飛び火します。
「飛ばしの指南役」としてクローズアップされるでしょう。

アメリカでは別件ですが、米連邦住宅金融局(FHFA)が、
住宅ローン担保証券(MBS)の販売をめぐる説明が不十分だったとして
野村證券を提訴しています。

これは、吸収したリーマンの過去の取引が問題視されているのですが・・。
一発勝負を仕掛けたのに、とんだハズレを引いてしまいました。
(バンカメのカントリーワイドとメリルと一緒ですね)

野村証券の株価は既に危険水準とも言えそうなので、
ここで国際的に追求されると、かなりキツイ状況になりそうです。

日本企業の株を大量に保有するであろ証券最大手が破綻ともなれば、
山一證券以来の事態に発展します。

廃業でもしてくれれば良いですが、
下手に生き残ろうとして外資の傘下にでも入ったら・・・あな、恐ろしや・・。


■ TPPに参加するという事 ■

原因はどうであれ、オリンパスや野村證券がどうなって行くのか、
今後の経済破綻の前哨戦として、
国民はしっかり目に焼き付けるべきでしょう。

TPPに参加すれば「日本的な経営習慣」が
ことごとくISD条項の訴訟対象になってしまうかも知れません。

「談合」なんて一発でアウト。

「談合」は狭い日本で多数の国民がワークシェアリングする為の
「農耕民族の知恵」とも言えるシステムです。

しかし、「狩る」か「狩られる」しか無い「狩猟民族」には理解されません。
海外の仕事は「グレーゾーン」はありません。

「契約書に書いてあるか、書いてないか」
「法令を遵守していると主張して裁判に勝てるか、勝てないか」
「違約金や賠償金を払うか、払わないか」

日本型システムが効率的とは言いませんが、
どっぷりとこのシステムに慣れ親しんでいる私達には辛い時代になりそうです。

尤も仕事を一緒にするとアメリカ人も結構「グレーゾーン」が好きです。
彼らの取る方法は「明言しない事」。
追求されても「そんな事は言っていない」でオシマイ。

日本に限らず、TPPに参加するアジアの国は、
欧米の契約書の厚さだけでもウンザリしそうです。
その契約書を作成する為に、
あるいは、訴訟を解決する為に、
アメリカから弁護士達が大挙して押し寄せてきそうです。

これこそまさに、「マッチポンプ」と言うのでしょう。

<追記 2011.11.09>

思い切り野村證券がヤバイと書いてしまいましたが、
どうやら「飛ばし」の指南約は、野村の元社員でした。
事件当時は別の会社を立ち上げていたそうです。

・・・野村證券さん、ごめんなさい!!。」

欧州とアメリカ・・・危機はどっち?

2011-11-09 12:21:00 | 時事/金融危機
 
 

■ 欧州はしたたかだ ■

ロイターの記事は必読です。

「焦点: 仏独首脳らが新グループ、欧州危機脱出への手腕に注目」
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-24059720111109


ドイツ         メルケル首相

フランス        サルコジ大統領

欧州連合(EU)    バローゾ欧州委員長
            ファンロンパイ大統領

欧州中央銀行(ECB) ドラギ総裁

国際通貨基金(IMF) ラガルド専務理事

ユーロ圏財務相会合   ユンケル議長
            レーン欧州委員(経済・通貨問題担当)


ちょっと仕事の出来そうな面子ではないですか。
EU、ユーロ圏は危機を利用して「緊急政府」を作ってしまいました。
「正統性は無いけれど、実効性はある」という事は、
議会承認無しに、大胆な改革案を打ち出せるという事では無いでしょうか。


ユーロ危機はイタリア債権危機に発展し、
まさに「崖っぷち」に見えますが、
狙いはまさに、EU財務省の設立。

今後危機が一層深刻化すれば、
フランクフルトグループは、
民主主義の手順など無視して
大胆な案を実行に移してゆくでしょう。

問題はメルケルがどれだけドイツ国内をまとめられるか。
あまり突っ走ると、政権基盤が弱いだけに足元を掬われる結果になります。

ドイツの巨大銀行はEUの他国の債権を
ユーロ建てで大量に保有していますから、
ドイツの銀行破綻を食い止める方法は、
最早「ユーロ防衛」しか無いのですけどね。

いやー、しかしユーロ・クラート達の何と手際の良い事か。
ギリシャ危機に一筋の光明が見えたと思った瞬間、
畳み掛ける様に、イタリア危機を仕掛けて来ました。

それに引き換え日本の官僚達は「危機感の醸成」が下手ですね。

■ こっちは手の付け様が無いアメリカ ■

一方、アメリカはと言うと・・・Bloombergのこの記事。

「米ファニーメイ:78億ドルの支援、財務省に要請-7~9月赤字で(1) 」
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90900001&sid=aHDYhI74_ayA

リーマンショックから3年も経って、全く進展無し。
こちらはオリンパスに勝るとも劣らぬ粉飾決済ぶりです。

オリンパスの「飛ばし」を責めるなら、
あんたらの銀行の「飛ばし」はどうなんだと言ってやりたい。

欧州危機が必要以上に「煽られる」一方で、
アメリカの危機は、「こっそりと」進行している様に見えます。
それだけ事態は深刻という事なのでしょうか?



中東に注意・・・イランとイスラエル

2011-11-09 03:52:00 | 時事/金融危機
 

■ 融和ムードもつかの間 ■

先日イスラエルとパレスチナの捕虜交換があって、
融和ムードでも漂うかと思った中東ですが、
ここにきて緊張が高まっています。

ガザ地区からイスラエルへ銃撃があり、
イスラエル軍はいつもの事ながら10倍返しの反撃です。

エジプトのヘリコプターがイスラエル上空を領空侵犯なんて事件も。

最近の話題は、イランのIAEAの査察の報告書の内容によっては
イスラエルが予告無しにイランを攻撃するかもしれないという報道。

■ 中東情勢の原因は中東の外にある ■

欧米のニュースメディアが伝えるイスラエルのイラン攻撃はガセネタでしょう。
ヨーロッパの債権と銀行がズタボロの状態で、
世界はリスク回避の状態に入っています。

ところが、リスクの逃避先が見当たらない。
そこで又、金と原油が高騰しています。

世界経済の先行き不安から、
本来石油価格は値下がり傾向にあるのですが、
イラン危機を煽る事で、
原油価格を吊り上げているのでしょう。

ここら辺は情報戦みたいなもので、
仕掛けている側が、大儲けするという筋書きです。

■ 仕上げはまだ先 ■

中東情勢の総仕上げはサウジとシリアの政権崩壊でしょう。
これで中東の旧勢力はほぼ崩壊します。

アラブ穏健派とアラブ急進派の主役達が退いた中東で、
イランとトルコの影響力が増大します。
この2国が、どのような中東の情勢図を描いているかで
状況は大きく変わるでしょう。

イランの後ろには中国とロシアの影が見え隠れします。
トルコの後ろにはEUの影がちらつきます。

中東の民主化革命は周到にアメリカが作り上げた
中東の「緊張の上でのバランス」を壊しています。

本来、石油王ロックフェラーが黙っていないはずですが、
どうやらロックフェラーも96歳という高齢と、
なにやら悪い事を画策して、
世界の運営者達に目を付けられたとか、どうとか・・・。
ついでに、ジェイ・ロックフェラーも怒られたとかどうとか・・・。

そうなるとアメリカのロックフェラー配下の誰かが、
暴走して何か悪さをするかも知れない・・・。

そんな危機感を上手に利用した
イスラエルのイラン攻撃の噂だと思うのですが・・・。

・・・実際始まったら・・・イヤだな・・・。