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景気回復?・・・国内自動車販売

2013-07-02 09:44:00 | 時事/金融危機
 



■ 景気回復のグリーンシュート ■

日銀短観は景気は回復基調としています。
製造業も概ねプラス。

確認の為に国内の乗用車の販売台数を見てみましょう。

ここで注意が必要なのは、2011年12月から2012年9月までエコカー補助金制度が実施されていたこと

3月は決算向けのキャンペーン期間なので、例年自動車が一番売れます。(値引き)

その次は9月の中間決算期にキャンペーンが行なわれているようです。



1) 昨年はエコカー前半はエコカー補助金と減税制度が需要を促進

2) エコカー減税は2013年4月から3年間延長中

3) エコカー減税で需要が喚起された昨年との比較は意味が無い

4) 今年の販売台数は4、5、6月と比較的順調

5) 昨年は軽自動車が売れていたが、最近は乗用車との差は無くなっている


自動車販売台数(商用車を除く)を見る限り、日銀短観同様に景気回復のグリーンシュートが見られるかもしれません。

円安効果は海外債権の円建ての価値が高まるので、リーマンショック後損失が拡大していた投資信託などの基準価格も持ち直しています。

株価も下がったとは言え、1万3千円台をキープしていますから、日経新聞を読んでいらっしゃる方達は、「日本の景気は上向き始めた」と感じているのでしょう。

私は、この事自体は悪く無いと思います。株価は悪乗りが過ぎたので調整されましたが、実体経済が回復するという期待は、やはり景気回復には欠かせません。

その点、アベノミクスはそれなりに成功したと言えます。

参議院選挙までは、株価も順調に上昇するでしょうから、景気回復気運はさらに高まるかもしれません。

■ 問題はアメリカ経済と中国、そして新興国 ■

問題は、やはりアメリカ経済と中国経済。
さらには新興国の暴動という新たな火種も生まれています。
ヨーロッパは景気が絶賛後退中で、こちらはプジョーがGMに身売りする状況。

新興国問題は、QE3の縮小を予測して、新興国から投資資金が逃げている事に原因があります。

アメリカ経済のQE3の動向によって大きく影響を受けますので、バーナンキの去就も含め、今後の動向が気になります。

■ 世界経済の影響を受ける輸出企業 ■

自動車を始めとする日本の輸出企業は世界経済の影響を大きく受けます。

中国向け輸出も、中国で製造された商品の輸出先はアメリカや欧州なので、欧州の景気減速が明確な中で、アメリカ経済の動向が一番重要とも言えます。

本来はアメリカの自動車販売台数の推移が、アメリカ経済の実体を反映するのですが、自動車ローンがサブプライムローンと似た状態になっているだけに、アメリカの自動車販売台数はあてになりません。

住宅販売もプチ不動産バブルが発生してりると、シスラー氏自身が警告しています。

■ 経営者は経営判断が難しい状況 ■

日本の景気回復を先取って、設備投資を増やすか、それとも参議院選挙後まで様子を見るか、経営者達は頭を痛めている事でしょう。

一方で、建築業界では、消費税アップを織り込んで、住宅の駆け込み需要の取り込みを始めています。いままで塩漬けにされていた土地にマンションが建ち始めたり、古いアパートや空家が取り壊されて、コジンマリした建売が建ったりしています。

立地などを考えると、少し供給がだぶ付き気味かなとも思えますが、如何なものでしょうか?
昨年に竣工したマンションですら、未だに空き室が目立つ状況です。

■ 円安の悪影響は確実に出ている ■

マンション建設で活況に思える建築業界ですが、実は問題があります。

1) 資材の値上がり
2) 人件費の値上がり

資材は円安によって輸入価格が上昇しています。鉄なども原料が値上がりしていますし、建材など中国からの輸入も多いので、こちらも値上がりし始めています。

人件費が上昇しているのは、東北の復興で、職人さん達がそちらに取られているからの様です。

建築業界は2つのコストアップに曝されていますが、受注は競争が激化しているので、各ゼネコンとも赤字覚悟で仕事を奪い合っている状況です。

■ グリーンシュートを大切にしたいが・・・ ■

何事にもメリットとデメリットがある訳で、アベノミクスの効果もプラスだけとは限りません。
何かのきっかけで、景気が腰折れすると、円安のデメリットが一気に噴出してきます。

あまり悲観的な事ばかり書くとお叱りを受けそうですが、やはり「景気の芽」は大事にしたいものです。

当座の注意は、やはり海外の新興国や資源国の状況。
外貨預金や新興国株に手を出されている方は注意が必要でしょう。

アメリカは・・・・どうにでも成れって感じですかね。
結構、皆さん強気ですが、お金ってリスクを取らなければ増えないですし、
儲ける人達は、逃げ足も速いですから・・・。



安全神話の崩壊・・・今後起こるかも知れない世界的な国債危機

2013-07-02 07:21:00 | 時事/金融危機
 



■ 独自な値動きを始めた日本国債 ■

日本は諸外国に先駆けて量的緩和を実施し、かつデフレに突入していたので、金利自体は諸外国に比べて低い水準でした。

しかし、黒田緩和以前は、金利の上下の変動は比較的米国債の動きに追随していました。これは各国国債も同様で、結局、株式、現物、債券、国債市場間で世界のマネーが移動している事が国債市場の値動きに反映されています。

ところが、黒田緩和以降は日本国債は米国債の金利変動にあまり追随していない様に見えます。

日本国債の流動性が減っているのが原因かと思われますが、一端価格形成の合意が乱れた市場は、市場参加者には価格の先読みが難しく、損をするリスクを考えると、活発に売買する事がためらわれるのかも知れません。

この様に、流動性が低下した市場で大きな売りが仕掛けられると価格が大きく下落する可能性があり、暴落など、確立的リスクが上昇しているのでは無いかと思います。

単純に日本国債の需給だけで危機が発生する事は無いと思われますが、例えば全世界的に国債不安が高まる様な事態が発生した場合、日本国債に対する注目度は高まるのでは無いかと思われます。

■ 国債金利が低下するという事は、国債を高く買っているという事 ■

リーマンショック後、世界の国債は金利が極端に低下しており、それは金融機関などが国債を高値で購入した事を意味します。中古国債市場で金利がジワジワと上昇していましたが、これは国債価格が下落している事を意味しており、ある限界を超えると金融機関は国債を手放し始めます。原因は緩和資金によって株式市場やジャンク債市場が過熱していた為で、バーナンキはQE3の縮小を示唆する事で、リスク市場の過熱を冷ますと共に、安全資産としての米国債の資金流入を試みたのでしょう。

各国国債金利は下落に転じていなすが、これが再び上昇に転じる様になると、市場が金利に飢えている事を示すので、かなり不安定で暴力的な資金運用が始まると思います。それが限界に達した時、ヘッジファンドなどが最後の荒稼ぎの為に空売りを絡めて市場を売り崩します。その時、国債市場に資金が逃避するかどうかが問題となります。ここも売り崩されると一気にパニックが広がります。

■ 個人の利益と全体の利益は一致しない ■

「市場が暴落するまで売り崩したら誰も得をしないでは無いか?」そう思うかも知れません。

しかし、いつでも最初に売り逃げた者が利益を独占するのが市場です。
さらに、現在では空売りで利益を増大させるので、ヘッジファンドなどは空売りによって相場の下落を拡大させます。

昨今の暴落局面の様に、それでも下落がある程度で踏みとどまっていれば、ショックが収まれば利益を求める資金が徐々に集まり、相場は再び上昇に転じます。

しかし、下落幅が非常に大きい場合、一般の投資家達もパニックに襲われ、売りが売りを呼ぶ事になります。「損失が拡大する前に売る」という行為は、個々のレベルでは正しい判断です。ところが市場参加者の大半が売った場合、暴落が発生し、最悪は回復不可能な状態に陥ります。これは「合成の誤謬」の端的な例です。

■ 椅子取りゲームの曲が短くなってきた ■

リーマンショック後、世界で続く椅子取りゲームは、段々と参加者を減らしながら、音楽の時間もどんどん短くなって来た様に感じます。

つい先日はでFRBのQE3縮小予測で下落していたリスク市場は、そのショックも覚めやらぬうちに、再び上昇に転じています。

緩和縮小の予測情報をリークして、売り逃げた後、再び緩和延長の情報を流して市場に資金を戻すというミエミエの手口を、ヘッジファンドとロイターなどの通信社が結託して行なっていますが、各国国債金利がジリジリと上昇する中で、リスク市場の茶番劇がいつまで許されるのか?

ジム・ロジャースが5月中旬に日本株を売り抜けていますが、市場が直線的に上昇した時が売りぬけるタイミングだと語っていました。

米国債金利が低下するか、今の金利で安定していれば暫くリスク市場に資金が回帰するでしょう。参議院選挙までは、日本株も年金資金や日銀のPKOによって上昇を続けるでしょう。ヘッジファンドはそれらの資金を美味しく頂く為に、しばらく相場のお化粧に専念するでしょう。

さて、次に仕掛けるとしたら参議院選挙後、15000円台回復というニュースあたりでしょうか?

まあ、人力予測は当たらないので、ネタ程度ですが・・・。