■ 日銀が狂った様に資金供給をしている ■
日銀は6月一月間で、14兆円もマネタリーベースを拡大しました。
黒田異次元緩和の月平均が7兆円の予定でしたから、
実の2倍のペースで資金を市場にばら撒いた事になります。
「"黒田緩和"は続くが効果は? 6月のマネタリーベース、過去最高の173兆1250億円」
(マイナビニュース 2013.07.02)
http://news.mynavi.jp/news/2013/07/02/051/index.html
<全文引用>
日本銀行は2日、2013年6月のマネタリーベース(日本銀行券発行高、貨幣流通高、日銀当座預金の合計値)を発表した。それによると、6月末のマネタリーベース残高は前月比13兆9,609億円増の173兆1,250億円となり、過去最高を更新した。
内訳は、日本銀行券発行高が83兆8,307億円(前月82兆9,358億円)、貨幣流通高が4兆5,447億円(同4兆5,506億円) 日銀当座預金が84兆6,996億円(同71兆6,777億円)。
併せて発表した6月のマネタリーベース平均残高は、前年同月比36.0%増の163兆5,375億円となり、こちらも過去最高を更新。内訳は、日本銀行券発行高が同3.3%増の82兆8,305億円、貨幣流通高が同1.0%増の4兆5,480億円、日銀当座預金が同114.5%増の76兆1,590億円となった。
<引用終わり>
■ 13兆円も日銀当座預金が増えた ■
供給された資金は処へ行ってしまうのか・・・・
日銀の当座預金が13兆も増えています。
これって、銀行が日本国債をコツコツと売り抜けて、
当座預金に積み上げているという事では無いでしょうか?
これだけマネタリーベースを急拡大させても、コアコアCPIはマイナス。
当然です。日銀の当座預金に資金が積み上がっているだけなのですから。
日本国債に掛かる金利上昇圧力を日銀の買上げが抑制していると、
池田氏は分析していますが、概ね間違いでは無いでしょう。
■ 当座預金のままでは利益が出ない。いつこの資金は動き出すのか? ■
銀行は預金を運用して収益を上げなければ、預金者に金利を払えません。
いつまでもブタ積にしておく訳には行きません。
金融機関は現状はリスク回避を優先して、現金化で情勢を見極めようとしているみたいです。
参議院選挙の結果を待って、日経平均の先行きを見極めてから動き出すのか?
いずれにしても日銀の異次元緩和は、金融機関の資金を国債から逃避させる事には成功しています。
■ アメリカの予測が外れ、米国債に向わない日本の資金 ■
私も完全に読み違えましたが、日本国債市場から占め出された資金は、
ほとんど米国債権市場には流入していない様です。
米国債金利がジワジワと上昇(米国債価格が下落)する中では、
米国債投資にも及び腰にならざるを得ません。
金利が上昇するという事は、損をするからです。
闇株新聞さんの情報では、再び、政府主導のファンドを立ち上げる構想が出てきそうだとの事。
米国債とMBSの需給がかなり綱渡りになっている様で、
FRBも緩和縮小のトーンを急に弱めています。
■ 中国が米国債をどうするかが気になる ■
中国の貿易統計が輸出入ともに振るいません。
中国は完全に景気後退期に入ったのかも知れません。
こうなると気になるのが中国の保有する米国債。
ロンドンあたりで、こっそりと売り始めると金利上昇が加速します。
TPPと影子銀行、そして中国保有の米国債と、
米中が緊密に調整する内容が増えてきています。
■ 日本のバブル崩壊の二の舞は踏みたくない中国 ■
中国は日本のバブルを研究していますから、日本のバブル崩壊の似の舞は踏みたく無い。
尤も、中国は独裁国家ですから、いざとなれば国内の自由市場を凍結したり、
完全にコントロールする事も出来ます。
しばらくは、アメリカと中国の対決を楽しめるかも知れません。