■ NY連銀総裁が、緩和拡大発言 ■
「米FRB、景気回復大きく減速すれば緩和拡大の可能性=NY連銀総裁」
ロイター 2013.07.03
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTJE96102620130702
<全文引用>
米ニューヨーク連銀のダドリー総裁は2日、米景気回復のペースが大きく減速し始めた場合、連邦準備理事会(FRB)は資産買い入れを拡大せざるを得なくなる可能性もあるとの見解を示した。
総裁は講演で「決定的な下向きのサプライズがあり、状況が実にぜい弱な場合、資産買い入れを現在の月額850億ドルから拡大させる可能性を当然、排除したくない」と指摘。現在の資産買い入れペースが固定されているわけでないとの認識を示した。
バーナンキ議長は6月19日、連邦公開市場委員会(FOMC)後の記者会見で、FRBが現在月額850億ドルの規模で実施している資産買い入れについて、経済の改善が続けば年内に規模縮小に着手し、2014年央あたりに終了させることが適切となるとの見解を表明している。
総裁はまた、FRBが当面、景気刺激策を継続する公算が大きいとの見方をあらためて示した。
先週の講演とほぼ同じ内容で、労働市場と経済成長が予想を下回れば、FRBの資産買い入れはバーナンキ議長が先月示した見通しよりも積極的なペースで行われる可能性があると述べた。
同時に、資産買い入れペースの縮小は「今後数カ月で入手する経済ニュース次第」と語った。
<引用終わり>
■ アメリカの景気は、良いの?悪いの? ■
景気回復を示す経済指標が出れば「緩和終了」予測で混乱し、
景気が停滞、あるいは減速する指標が出れば「緩和期待」で相場が上昇しています。
いったい、アメリカの景気は「回復」しているのか「停滞」しているのか・・・。
「景気が回復したら緩和を縮小する」、「景気が減速したら緩和を拡大する」結局FRBは「このまま緩和をしばらく継続する」と言っているのだけれど、市場は勝手に判断して、勝手にポラティリティーが増大しています。
まあ、FRBの発言は「我々はブレーキとアクセルを操作する事が出来ます」という至極当たり前の発言なのですが、どうもブレーキとアクセルを同時に踏んでいる様に見えます。
■ ヘッジファンドが逃げ出し始めた? ■
QE3を粛々と続けていれば何も変わらないのかと言えばそうでもなく、市場には色々な変化が現れています。
リスク市場では相場変動が激しくなり、一方で国債市場の金利がジリジリと上昇しています。
一部ヘッジファンドはポジションを解消して非常時に備え始めた様です。日本のみならず、世界中で現金化が発生しており、その分リスク市場の資金が不足し始めています。株式市場などは日米共に薄商いの中を一部銘柄を買い上げて相場上昇を演出していますが、何かのリスクが意識されると、又大きく下落するでしょう。
金融緩和の出口は「逃げ水」の如く、見えているのに永遠に到達できないのでは?
そのうち誰もが「異常」を無視出来なくなる・・・。