「牛に引かれて善光寺参り」善光寺に伝わる昔話・・みなさんご存じのことと思います。
主人公は信濃の国の小諸という地域に住んでいる欲深い老婆です。老婆が軒下で布をさらしていると、どこからか現れた牛が布を角に引っ掛けて走り去って行きました。欲深い老婆は、かなり怒って牛を追いかけましたが、牛の足が速く追いつくことができず、とうとう善光寺まで来てしまいました。
善光寺の金堂前で、ふと足元を見ると、牛のよだれが垂れており、そのよだれが文字のようにみえました。書かれていたのは、「牛とのみ 思い過ごすな、仏の道に、汝を導く、己が心」をという文字でした。
これを見た老婆は、欲を捨てて信仰の道に入ることができ、その日は善光寺如来様の前で念仏を唱えて過ごしました。とさ・・・。
「牛にひかれて善光寺参り」とは、自分の意志とは関係のない他人の誘いなどが、人を良い方向に導くことがあるということのたとえですが、
この話が後に、言い伝えからも分かる通り、好ましくない方向に向かう例えとして使うのは、間違いなので注意しましょう。
善光寺境内にある案内所にも、牛のオブジェがど~んと置かれています。これは、牛に引かれて善光寺参りを表しています。
善光寺境内の参道に登場した「なで牛」だそうです。