大橋むつおのブログ

思いつくままに、日々の思いを。出来た作品のテスト配信などをやっています。

高校ライトノベル・小説・大阪府立真田山学院高校演劇部公式ブログ・Vol・7

2018-10-18 19:43:07 | 小説・2

小説・大阪府立真田山学院高校演劇部
公式ブログ・Vol・7 



☆部内で意見が対立!

 たった二人の演劇部で、どないしたら対立すんねん!?

 そういう声が聞こえてきそうです。実際は見解の相異という程度のことなんですけど、キャプションはショッキングな方が面白いのです。

 何を対立しているかというと、演目です。

 わたしは、個人的にも真田山の部長としても『にんじん』を絶対やりたいんですが、一年の部員の九鬼あやめが、ちゃうことを言い出しました。
 前も書きましたが、『にんじん』の最大のネックは、ルピック氏役の男子がおらんことです。あの役は寡黙な中年のオッサンの役で、寡黙であるだけやのうて、時には厳しさと、ルピック氏自身が持て余すような愛情が表現できんとあきません。並の高校生がほんの一カ月ほどやってできるシロモンとちがいます。

 じつは、あたしにはアテがありました。軽音の幽霊部員で、シブイ男子がおったんです。エグザイルの曲なんか歌わしたら、ちょっと高校生離れした表現ができる子です。
 この子が、幽霊辞めて生き返ったのが誤算。ことしのスニーカーエイジの隠し球やったみたいです。

 九鬼あやめが『すみれの花さくころ』がやりたいと言うてきました。単に思いつきではなくて、あやめなりに、青雲書房の原作と、ネットに出てる改訂版も読んで、You tubeで上演作品も観ての意見です。
 憎たらしいのは、名古屋音大さんがやらはった曲を、もうマスターしてることと、ちょい役で出てくる由香いう役を演れる子まで見つけてるいうことです。

 発言や提案には、具体的な裏付けがないとアカンいうのを見事にクリアーしとります。

 ただ、問題点があります。本選の審査員がX氏やいうことです。三年前の本選で、この作品をやった学校を、以下のような理由で落とした人です。

「作品に血が通っていない。行動原理、思考回路が高校生ではない」

 上演作品を超えて、戯曲そのものを否定してかかった人です。どんなにうまいことやっても、大阪は既成作品いうだけでハードルが高い。そこへもってきて、X氏がボロボロに言うた本やって、どないすんねん!?
 最初のブログで「予選落ちの真田山」て書きましたけど、そこに山があるから登るごとく、そこに本選があるんやから目指したくなるのは演劇部員、それも部長とあればアッタリマエです。
 はなから落とされると分かってる本はなあ……。

☆今、こんな歌やってます
 ディズニーの『アナと雪の女王』の『Let it go!』 松たか子さんが日本語でやってますけど、うちらは英語でやってます。役になりきって、アクション交えて。
 これを臆面もなく、グラウンドでやります。いっぱい運動部が練習してる中、雰囲気はアウェーですけど、これも練習。裏話ですけど、あやめが入部をそそのかしたんは、この『Let it go!』を横で聞いてた子で、このディズニーアニメが大好きな子です。一年ながら九鬼あやめは、なかなかしたたたかな子です。

☆九鬼あやめの苦手

 癪なんで、九鬼あやめの苦手をバラします!

 滑舌が苦手な子ぉで、滑舌があきません。

 どろだらけ⇒どよだやけ 

 ぱぴぷぺぽ⇒ぱっぺっぽ

 というぐあいになります。真面目に発声練習とかやってるんですけど治りません。

 一週間ほったらかしにしといたんですけど、二週目に入って落ち込んできよったんで、指導しました。

 最初から言うったったらええのに! そう思てる人も多いと思いますが、やっぱり自分で苦悩する時間も大事やと思って、親心で一週間待ってみました。

 こういう滑舌の問題抱えてる人、けっこう居てるんとちゃいます?

 正解の指導方法……残念、字数が一杯なんで、次回に回します(^▽^)/


 文責 大阪府立真田山学院高校演劇部部長 三好清海(みよしはるみ)

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高校ライトノベル・妹が憎たらしいのには訳がある・53『The Father』

2018-10-18 06:53:26 | ボクの妹

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が憎たらしいのは訳がある53
『The Father』 
     

 

 ユースケは、あろうことか国防軍の戦闘指揮車に変態して、わたしを送ってくれた。

「先ほど連絡した国防軍の者です。お嬢さんをお連れしました」
 インタホン越しにロボット兵が言った。さっき、ねねが破壊した拓磨の義体からでっちあげたリモコンの兵士だ。むろん操作をしているのはユースケである。
「世話になった、そこからは娘一人で来させてくれ」
「は!」

「一応スキャニングする」
「はい」
 里中副長は、スキャニングのボタンを押した。マンションの部屋の入り口そのものが、スキャナーになっていた。
「オールグリーン。本物のねねだな」
「今日は疑われっぱなし」
「だいぶビビットなコミュニケーションだったようだな」
「おかげで……」
 ねねは、首筋のコネクターと、父のブレスレットアナライザーとをケーブルで結んだ。
「……国防省の中枢に100人ほどか。AGRとは別の動きだな」
「こちらのグノーシスでヘゲモニーを握りたいみたい。最終的にはサッチャンが完全に起動する前に破壊して、向こうの世界との連結を切断、何十年か独自の発展を図るつもりみたい。なんせ、向こうは極東戦争を相当こじらせているみたいだから、向こうのグノーシスにも、かなりシンパがいるみたい」
「厄介だな。とりあえずは、そいつらを潰さなきゃならんか……辛いなねねは、しばらくそいつらの味方のフリをしなくちゃいけないんだな」
「鳩尾にコネクターがあるとは思わなかった。幸いディフェンサーが、ここにあるから、出力を押さえてコネクターの代用にしたけど。その間、わたしは完全に無防備。トンカチの一発でおだぶつ」
「じゃ、急いで、コネクターを付けよう」
「えー、また体を切り刻むの。わたし一応女の子なんだけど」
「なあに、ほんの5ミリほど切るだけだよ。ねねの体なら三日で快復する。さあ、胸を見せて……」
「ついでにさ、胸のサイズDカップにしてくれないかなあ。Cでもいいわよ。体育の着替えのときなんか肩身がが狭くってさ」
「う~ん。ねねの体格とDNAなら、このサイズだ」
「でもさあ!」
「どうも、太一の心をインストールしてから、ねね変だぞ」
「あ、それって太一のこと変態って言ってるようなもんだよ。今のわたしの心の半分は太一なんだからね」
「悪い意味じゃない。オレも、こういうねねは嫌いじゃないからな」
「もう、ごまかして!」
「……若いころのママそっくりだ」
「懐かしむのはいいけど、胸揉むの止めた方がいいよ。なんだか変態オヤジみたい……」

 バカみたいな会話だったけど、あとの戦闘で振り返ると、とても懐かしい思いでになった。サッチャンだって、こういう機能……いいえ、心を持っているんだから解放すればいいんだろうけど、あの子の回復には、二つのパラレルワールドの運命がかかっている。今のサッチャンの頭には優奈って子の脳細胞が入っている。それで、サッチャン自身が心を解放しなくても、人間らしい感情を表現できる。でも、その表現は優奈の心なんだよね。優奈も太一のことが……いけない、わたしの心の半分は太一だ。考えただけでドキドキする。

 それにユースケもかわいそう。

 だって、優奈が太一のこと好きだって分かってたから、自分の気持ちは殺したまま目の前で優奈が酷い殺されかたして、その悲しさと、恨みごとイゾーってロボットにとりこまれて。だから、せめて、あのロボットのことはユースケって呼ぼう。そして、みんなが救われるような道を必ずさぐるんだ。

「ねね、なに泣いてるんだ?」

 気がつくと、パパは、鳩尾のコネクターの取り付けも、傷の縫合も……メンテナンスまでやってくれていた。パパにしてもらったのは久しぶり。頬が赤くなる。パパはきまり悪そうにドレーンを巻きながら部屋を出て行った。手にした使用済みの洗浄液は真っ黒だった。ここまで痛めつけていたことを、自分でも知らなかった。
「おやすみ、パパ」
「あ、ああ」

 人間になりたい。そんな気持ちが湧き上がってきて、頭から布団を被った……。

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高校ライトノベル・トモコパラドクス・30『青春ルージュ・48』

2018-10-18 06:42:11 | トモコパラドクス

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トモコパラドクス・30 
『青春ルージュ・48』 
      

 三十年前、友子が生む娘が極東戦争を起こすという説が有力になった未来。そこから来た特殊部隊によって、女子高生の友子は一度殺された。しかしこれに反対する勢力により義体として一命を取り留める。しかし、未来世界の内紛や、資材不足により、義体化できたのは三十年先の現代。やむなく友子は弟一郎の娘として社会に適応する「え、お姉ちゃんが、オレの娘!?」そう、友子は十六歳。女子高生としてのパラドクスに満ちた生活が再開された!


 珍しいことに、お父さん(実は弟の一郎)とお母さんがいっしょに帰ってきた。

 一昨日の夜のことである。
 お父さんも、お母さんも同じ化粧品会社に勤めているが、部署がまるで違うので帰宅時間がまちまち。
 それが、おとついに限って、いっしょだった。

「二人とも同じ部署になっちゃった!」

 お母さんはそういうと、なんやら企画書やらコンテを出しながら「晩ご飯お願い」と友子にたたみかけた。
 で、この状態が昨日(土)も続き、友子は合計五食の食事、二回の洗濯、お掃除、風呂掃除、生協のあれこれの仕分け、つまり家事一切をやることになった。

 新発売のルージュの発売コンセプトが、変更になったのだ。

 モニターを使った調査で、ターゲットにしていた二十代の他にも十代、アラフォーの女性にも人気があることが分かった。
 で、研究熱心なお父さんと部下の太田さんは連日の徹夜で、商品を六種類作った。
 六種類のルージュは重ね塗りすると、また、独特の感じになる。微妙に色は変えてあるが、メインは、ベータエンドルフィン、ドーパミン、セレトニンという、女性が楽しいと感じたときの成分の比率を変えてある。
 一つに付き八通りの塗り方をユーザーに提案。ユーザーは自分好みで、さらに選択肢が増える仕組みになっている。基本は八通りなので、6×8=48ということになる。

『青春ルージュ・48』

 これが、キャッチコピーになった。
 そのキャンペーンチームに、一郎も春奈も加えられたのである。なんでも、社長直々のご指名のようだ。

「なんで、おれたちが!?」ではなく「オレ達がやれるのか!」の気持ちが強い。

 で、今日の日曜は、キャンペーンのCM一号の撮影で、友子も、スタジオにいっしょに付いていってる。それも制服のままで!?

 キャンペーンキャラの十代の代表に、乃木坂学院の先輩である仲まどかが起用されたからである。
 まどかは、先月先輩女優の坂東はるかといっしょに、母校訪問にきてた。友子の教室にきてくれ、二言三言言葉を交わしてファンになってしまった。
 友子は、五十年未来の技術で作られた義体ではある、あるが、感受性は十六歳の女子高生のままである。学校の帰りなんかに、同じ義体で演劇部の先輩ということになっている紀香といっしょに、はるかとまどかに擬態したりして遊んでいる。

「わー、まどかさんだ! 覚えてらっしゃいます、わたしのこと?」
「あー、学校行ったとき、スケール貸してくれた……ええと……」
「鈴木友子です!」
「ああ、トモちゃん!」
 うわー、売れっ子タレントの仲まどかが「トモちゃん!」なんて呼んでくれた~♪
「まどかさん、仕込みでちょっと伸びてますんで、待機願います」
 スタッフが告げに来た。
「へへ、もうちょっと、お喋りできそうね。トモちゃん、ひょっとして、スポンサーのチーフの鈴木さんの?」
「はい、あ 娘です(思わず姉です。と言いかけた)」
「そうなんだ、お父さん似なんだ」
「アハハ、良く言われます(姉弟だもん) でも、わたし、あんなヘンクツじゃありませんから」
「プ、娘からもそう思われてんだ。鈴木さん、初めて会ったとき寝癖がすごくって。でも御本人は全然気にしてないのね」
「ああいうやつなんです、昔から……」
「アハ、なんだかお姉さんみたい」
 そう言って、まどかはチョンガリコーンを口に放り込んだ。そういえば、控え室にはチョンガリコーンがいっぱいだった。
「チョンガリコーン、好きなんですか?」
「うん。でも、こんどのキャンペーンの共同スポンサーなんだよ。知らなかった?」
「はい」
「青春ルージュ48には、チョンガリコーンがよく似合う。チョンガリコーンは青春ルージュ48が大好きだ。今度のキャッチコピー。あ、コピーってば、最近、わたしとはるかさんのソックリさんが出没するって。ほら、このシャメ……」
 それは、渋谷で、紀香と擬態して遊んでいたときので、友子はアセアセだった。
「ソックリさんが出るなんて、嬉しいけどね!」
 胸を撫で下ろした友子にまどかは、いろんな話をしてくれた。思えば、同じ学校の同じクラブの入れ違い同士、歳も三つしか離れていない(一郎夫婦以外の人間には16歳の女子高生である)ので、話に花が咲いた」

 そのとき、まどかのスマホの着メロが鳴った。どうやら緊急の用件らしく、まどかの顔に緊張が走った。

「……え、お母さんが救急車で緊急入院……脳梗塞!?」
 まどかは、途方にくれた。アイドルと言っても人間である。まして、まどかは十八歳。母の危機を前に、平然とはしていられない。

「わたしに良い考えがあります……」
 友子は、まどかに耳打ちした。
「え、そっくりさんが!?」
「わたしの知り合いなんです。幸い、この近所だし、十分もかかりません。今日はスチールだけだから、なんとか」
「でも、そっくりさんでも、マネージャーさんとか、他のことは知らないでしょ?」
「大丈夫、かなりのオタクだから、短時間なら……」
「とにかく呼んでみて、わたしが、自分で判断するわ」

 そうやって、十分後、友子と影武者まどかが、まどかの前に現れた。そして、友子は、新しい自分の能力を発見していた……。

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