小説大阪府立真田山学院高校演劇部
公式ブログ・Vol・9
『情報というより評判』
☆情報というより評判
前回の8号の反響が大きかったので、部員全員で考えました。
「では、臨時部会の出席をとります。九鬼あやめ!」
「はい!」
これで出欠とるのはお終いです。なんといっても、あたし三好清海を入れてたった二人の部員です。
「先輩の言うてはった『情報なしに公演を観に行くことは出来ません』と某高校さんが言うてはったのを『一見正論のようですが、基本的に間違ってる』と言い切るのは、ちょっと飛躍してませんか?」
一年のくせして言いたいこと言いです。
「情報がなかったら、某高校さんの言わはるとおり、行きようありません」
先輩に断定で、もの言うか?
「たいていの公演は、その気になって検索したら分かる。それから、逆に聞くけど、公演の情報あって観にいくか?」
「全部はむりですけど」
「そないして、三本も観たら交通費と時間返してくれて言いたなる。去年のコンクールでもそうやった。地区総会で『お互いの芝居も観ましょう』て、どこの地区でも言うてたけど、どこも閑古鳥。どないかすると、観客席より舞台におる人間の方が多い」
「その断定の根拠はなんですか?」
「数えてたもん。某地区の某高校は、観客25人。舞台はスタッフこみで15人」
「え、それて観客の方が多い」
「観客の11人は、某校の関係者と家族。これ引いたら一人少ない」
「……」
「なんや、言いたいことあったら言い」
「そやけど、K高校とかO高校とかM高校とか、けっこう入ってたいう話です」
「アホ、よう覚えとき『特殊をもって典型とするなかれ』民芸の滝沢修さんの名言や」
「だれですか、滝沢修とか民芸とか?」
「知らんのん!? ヘソ噛んで死ね!」
「……おへそまで口届きません」
と、アホな話は、ここまでとして、真田山の意見として補足します。
宣伝は必要やけど、元来は連盟に一元化して、連盟のサイト見たら分かるようにするのが正当。その上で、それぞれが情報発信する。連盟のオオヤケのとこに20年以上かかって、アクセスが23万ちょっと言うのは絶対少ない。情報のターミナルとして機能してません。割ってみたら、よう分かります。一年でアクセスざっと10000。一見すごそうやけど、一日で割ったら28あるかないかです。こんなん高校生が個人でブログやったって楽に、これくらいはいきます。けど「高校演劇」で検索したらYAHOOで二位、GOOGLEで三位。いかに日本において高校演劇がショボイかようわかります。
ちなみに大隈ケイコさんが個人的にやってはるブログはもう200万件のアクセス。どないです?
で、九鬼あやめと話して結論に達しました。情報量より評判や。
評判が良かったら、人は探してでも観にきます。逆にスカタンな芝居は、どない宣伝しても観客は集まらへん。
分かり易い例えで、東京の山手線はJRに代わったとき大々的に宣伝して『E電』て名前つけたけど、今はそない言う人いてません。看護師のことを、いまだに「看護婦さん」言う人は多いです。
要は、評判なんですね。高校演劇「オタク、暗い、ダサイ、おもんない」の四拍子。
やっぱり、ストイックに稽古して、力つけて、一般の人が観て面白いいうもんにならなあきません。
かつて西成に車座いう劇団がありました。日雇いのオッチャンらが会場の小学校の講堂に鈴なりやったそうです。地味な公演重ねながら評判をとってきはったんですね。
☆演目決定
『すみれの花さくころ』に決まりました。決まりがわるいんで、3年前某高校がやった、と、書きましたけど、うっとこです。主演は映画やテレビで活躍中の先輩坂東はるかさんです。正直プレッシャーです。AKBやないけど『永遠プレッシャー』です。あたし個人としてはやりたない。やりたいけどやりたない。うちの演劇部には、そういう芝居です。
もう一人、決まってるんですけど、まだ正式やないんで個人名は伏せます。
☆集団縄跳び(基礎練習)
縄なしで縄跳びします。最低5人はいります。見えへん縄を、みんなが見てタイミング計ったり、縄引っかけたりしたら、直ぐにみんなに分かります。演技とは自分を騙すことです。ウソや思たらやってみてください。面白いのは請け合います。
☆九鬼あやめの欠点克服
新入部員の九鬼あやめは滑舌に欠点があるて書きました(前々回)よね。
泥だらけ⇒どよだやけ ぱぴぷぺぽ⇒ぱぴっぺぽ てな感じでした。
真田山の訓練方法は以下の通りです。
☆ 軽く口をつむって、息を吐き出して、プルプルプルプルプルプルプルプルプルプルプルプルプルプルプルプル……てな具合に唇を振動させます。ま、昭和の時代の電話の音を口でやると思たら間違いありません。
緩いと、プスーで終わってしまいます。きついとプッと一発吹き出しておしまいです。適度なつむり方で息の続く限りプルプルプルプルプルプルプルプルプルプルプルプルプルプルプルプル……です。
☆ 軽く口を開いて、下を上あごに付けます。そして息を吐きだして、ルルルルルルルルルルル……と舌を振動させます。
力を入れ過ぎても緩めすぎてもできません。感覚はプルプルプルと同じです。
あやめと同じように悩んでる人はお試しあれ! あ~ら不思議! 一週間ほどで効果が出てきますよ!
文責 大阪府立真田山学院高校演劇部部長 三好清海(みよしはるみ)