大橋むつおのブログ

思いつくままに、日々の思いを。出来た作品のテスト配信などをやっています。

高校ライトノベル・小説・大阪府立真田山学院高校演劇部公式ブログ・Vol・5

2018-10-16 21:25:26 | 小説・2

小説・大阪府立真田山学院高校演劇部
公式ブログ・Vol・5



☆坂東はるか先輩来校!

 映画俳優をやってる坂東はるか先輩が昨日学校に来てくれました。

 一昨日の晩、顧問の淀貴美先生から電話。

「明日、大阪にロケに来てる坂東はるかさんが来はるけど、来る?」
「絶対行きます!」

 で、昨日は、学校の稽古場に使うてるプレゼンテーション教室で、午後から坂東はるかさんに会いました。学年が一回り違うんで、直接の面識はないんで、あたしらには先輩いうよりもスター。朝から緊張のしっぱなし。

 はるかさんは、二年の五月に東京の乃木坂学院から転校してきた人です。理由は親の離婚。東京の名門校から大阪のショボイ(校長先生ごめんなさい)府立高校に変わってきて正直落ち込んだらしいですけど、当時顧問やってた福田乙女先生の口車にのって演劇部に入れられたらしいです。
 御本人も、ほんの腰掛けのつもりやったらしいですけど、いつのまにかのめり込んだいう人です。『すみれの花さくころ』で、本選までいって「作品に血が通っていない」いうワケ分からん理由で落とされたけど、これがNOZOMIプロのプロディユーサーの目に止まって、三年になったころには、もう半分プロでやってはった人です。

 めっちゃ緊張して、朝から制服にアイロンかけて、いつもはせえへんリボンきちっとして、髪の毛も入念にブロー。ひょっとして、あたしもスカウトなんて(ありえへんねんけど)思て、プレゼンのドアを開けました。

 拍子抜けがしました。

 カメラマンとかスタッフとかマネージャーとかぎょうさん来てるのかと思たら、窓辺にカットソーにGパン、カーディガン肩にかけた普通のオネエサンが居っただけ。で、その人が坂東はるかさん。
「もっと沢山で来ると思った?」
 見透かされてます。
「今日の午後は、完全にオフだから、ごめんね、休みのとこ呼び出しちゃって」
 やっぱりしゃべり出すと女優さんのオーラ。
「違うわよ。あたしって東京弁だから、そう感じるだけ。今は完全な真田山のOGよ」

 で、しばらく沈黙。いっぱい聞きたいことあったんやけど、一つも出てきません。

「今度『にんじん』演るんだって?」
 はるかさんが水を向けてくれました。
「はい、上演料いりませんから」
「アハハ、大阪の子だ!」
 えらいウケました。
「せやけど、ルピックやる男の子が、まだ見つかれへんのんですわ」
「ああ、ルピック氏か……」
 はるかさんの語尾には「高校生には無理だな」という響き。もちろん口に出しては言わはりません。
「やり甲斐のある役なんだけどね」
 答は、そうやったから、あたしの被害妄想かもしれません。

 話したこと全部書いたらブログの制限字数超えてしまうんで、かいつまみます。

「はるかさんが、一番苦手な演技はなんですか?」
 ラブシーン……とか予感してたけど、答はぜんぜん違いました。
「普通に呼びかけられて、振り返るの。だって、声かけられるのはわかってるじゃん。そこ自然に振り向くの、いまだに苦手」
 なんと、あたしらが基礎練習でやってるようなところが苦手というので、ますます親近感。
「今度は、なんの仕事で大阪に来てはるんですか?」
「『はるか ワケあり転校生の7ヵ月』のロケ。もう半分終わったんだけどね。残りが根性のいるとこばっか。なんだかコンクールの前みたいな気持ち」
「それ、原作本とか出てます?」

 出てたら、図書に言うて買うてもらおと思いました。安かったら自分で買うけど。

「あ、出版社の都合で遅れてるの、来月には出るかな……」

 そう言うと、はるかさんはスマホで、本の表紙見せてくれました。下の写真がそうです。話は、はるかさんの自伝的な小説らしいです。

      


 あと、現役やったころ食堂のカラマヨ丼が好きやったこととか、はるかさんのころから真田山は小規模で、潰れそうで潰れへんことなんか言うてくれはって、勇気づけられました。

☆新入部員紹介!

 連休明けて、正式部員になったんで正式に紹介します。むろん名前出すんで保護者の許可はもろてます。

 九鬼あやめ

 苗字と名前のコントラストが面白いと自分でも喜んでる明るい子です。剛力彩芽に名前の音だけいっしょやけど、コントラストの付き方に共通のもんがあります。入部にあたって「髪の毛は切らんこと」だけ言うてあります。タッパから言うと、にんじんの役は、あたしよりあやめちゃんです。けども、先どないなるか分からんから、どんな役が来てもこなせるよう髪は切るなということです。

☆真田山のブログがベスト5に!

 ビックリしました。今朝パソコンつけたら大阪の高校演劇のサイトの5番目に、うちのブログが入ってました。好き放題書いてるブログにアクセスありがとうございます。あんまり役に立つことは書けませんけど、できるだけ思たまま書きます。楽しんでもろたら幸いです。

☆連盟の総会

 昨日(5月10日)でしたよね。うちは行ってへんので(おかげで坂東はるかさんには会えました)なんにも分かりません。なんか興味のある内容があったら、また書きたいと思います。
 新鮮いちご脚本集は、あんまり人気がないんで、今回は書きません。というか、中間も近いんで、第三巻は、まだ読めてません。それでは、またいずれ。

 それから、うちの学校やら演劇部に興味を持っていただいた人は「真田山学院高校」で検索してください。


 文責 大阪府立真田山学院高校演劇部部長 三好清海(みよしはるみ)
 

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高校ライトノベル・妹が憎たらしいのには訳がある・51『テイクオーバー』

2018-10-16 06:56:54 | ボクの妹

 

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妹が憎たらしいのには訳がある・51
『テイクオーバー』 
     



 三日と持たない……里中副長は思った。

 グノーシスが送り込んできたねねは、シリアルもオリジナルと同じで、昨日のスニーカーエイジまでのねねのメモリーは完ぺきにコピーされていた。だから、里中副長がニセモノと気づかなくても不自然ではない。
 しかし、里中副長は、自分の住みかをプライベートとアジトに分けていた。
 プライベートにも、ある程度の機密があり、軍や甲殻機動隊ともリンクしているが、ほんの日常的なアクセスしかできないようになっている。万一のためにダミーの戦闘詳報や、機密情報をカマシてはあるが、ねねが気づくのは時間の問題だろう。

 三日目、その時がやってきた。

 ねねの母親・里中マキ中尉の記憶は、レベルCの機密にしてあり、普段のねねは、それを認識してはいない。母親はずっと昔に亡くなったと思っている。先日太一をインスト-ルして母の死を看取り、国防省で的場大臣をコテンパンにしたことは記憶から抜いてある。それを、このねねは知ってしまった。
「ママは、ついこないだ、わたしの腕の中で死んだのね。わたしはママのバトルスーツを着て、国防省で……」
 ねねは涙を流していた。そしてCPの中で、全ての情報と照合し、矛盾がないか確かめている。
「ねね、辛い思い出だから、機密にしておいたんだ。でも、やはりねねには自我がある。どうしても見つけてしまうんだね。かわいそうに……」
 里中副長は、そっとねねの肩に手をやり、さりげなく親指で、ねねの首筋に触れた。ねねのCPの中で解析が進み、その情報が圧縮されて外部に転送されているのが分かった。転送先は、様々なCPを経由して分からなくしてある。第一級のハッカーの手口であるが、その先は祐介を取り込んだグノーシスのモンスターであっろうことは想像がついた。

 ねねの肩に置かれた里中副長の手に、一回り小さな手が重なった。

 ねねの体から、電池の切れたロボットのように力が抜けた。里中副長は、ねねをゆっくりとソファーに寝かせた。
「ノイズ一つたてずに、テイクオーバーできたわ。この子のCPは、完全にブロック。もう指一本も動かせないわ」
 もう一人のねね、つまり太一と同期したわたしが言った。
「すぐに、このねねの服と着替えるんだ。下着から全てな。痕跡は残すな」
「はい」
 わたしは、動かなくなったねねの義体から服をはぎ取ると、素早く身につけた。
「この下着の繊維、3度以上感知体温が変化すると、アラームが転送されるようになってる。警戒していたみたいね」
「それじゃ、風呂にも入れないじゃないか」
「今日一日の処置。敵も今日あたりが危ないと思っていたみたいよ。この義体は処分ね」
 わたしは、義体をシュラフに入れた。
「待ってくれ、もう、ねねの義体を処分するのは三度目だ……」
「情が移っちゃった? そういうパパ好きよ」
「……今の義体が破壊されたら、すぐこいつにテイクオーバーできるようにしておけ」
「鹵獲兵器の再利用ね」
「デスストックになることを祈ってるよ」

 そこに、我が崇拝者の青木拓磨からメールが来た。

「フフ、ぶっそうだから学校まで送り迎えしてくれるって」
「気を付けてな」
「はーい、じゃ、行ってきまーす!」

 マンションの前を南に行った角で拓磨の車が待っていた。
 一応、義体反応をチェック。パッシブだから、気づかれる心配も無し。反応はグリーン。
「どうも、お世話かけます」
 親しき仲にもナントカ。ちゃんとお礼は言っておく。一応崇拝者だけど、野獣に変わらないためのオマジナイはかけておく。前のこともあるしね。

 事件は、その日の放課後にやってきた……。


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高校ライトノベル・トモコパラドクス・28『きかんしえん・2』

2018-10-16 06:50:40 | トモコパラドクス

 

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トモコパラドクス・28 
『きかんしえん・2』 
       

 三十年前、友子が生む娘が極東戦争を起こすという説が有力になった未来。そこから来た特殊部隊によって、女子高生の友子は一度殺された。しかしこれに反対する勢力により義体として一命を取り留める。しかし、未来世界の内紛や、資材不足により、義体化できたのは三十年先の現代。やむなく友子は弟一郎の娘として社会に適応する「え、お姉ちゃんが、オレの娘!?」そう、友子は十六歳。女子高生としてのパラドクスに満ちた生活が再開された!


 驚いたことに、柚木先生の方から切り出した。

「ええ……期末試験も近いことだし、きょ、今日は自習にします」
 麻衣、妙子、亮介、結衣、そして友子の五人以外は驚いた。柚木先生は、テストの前日だって自習にしたことがない。それが、唐突に自習だなんて、クラスのみんなは、喜ぶ前にとまどった。
 なんというか、良い意味で納得がいかないのだ、ノッキー先生らしくない。

「ごめん、正直に言う。放課後出さなきゃならないレポートが、まだ書けてないの。だから先生に時間をちょうだい!」
 やっと歓声が上がり、みんなは大人しく自習(格好だけだけど)の体制に入った。

 ノッキー先生は、パソコンを前に無言で唸る。友子は先生の心を覗いた。

「机間支援」という言葉に引っかかっていた。

 なるほど、これが「きかんしえん」か、と友子は分かった。普通に聞いたら「気管支炎」にしか聞こえない。
 ノッキー先生は、三年目研修で都教委の研修を受けていて、その研修が明日の午後にあり、それに出すレポートで悩んでいた。で、そのテーマが「机間支援」なのだ。
 ノッキー先生の頭では「机間指導」という言葉になっていた。それを都教委の指導主事は「机間支援」という言葉で表現した。これに、ノッキー先生はこだわって、先に進めないでいる。

 友子は、先生の心の中にダイブしてみた。

『なに、そんなに悩んでるんですか?』
『この言葉がインチキだからよ。先生が試験中や、授業中に机の間を歩くのは、秩序を守るためであり、授業が分からない子や、ノッテ無い子を指導するためなの。それを言葉だけいじって、さも指導の最先端いってますって立前が気に入らないの』
『てか、心が拒否してますね……あ、その指導主事って、ノッキー先生の恩師なんだ。でも気に入らない恩師』
『そう、すごく授業の下手くそな先生。授業中、生徒の目も見ないで勝手に進んでいっちゃうし、机間指導はもちろん、教壇から降りることもしない。質問にもろくに答えない。授業は、いつも遅刻してくるし、早く終わっちゃうし、中身は四十分ちょっとしかなかったわ』
『そんな人が指導主事になれるんですか?』
『学歴と毛並みがよかったからね』
『え……?』
『帝都大出身で、家は、三代続いた都議会議員』
『M党の花高議員ですね。わたしが、なんとかします。そんなレポートろくに目も通さないんだから、テキトーでいいんですよ、テキトーで』
『これでも、イッパシの教師なのよ、いいかげんなことはできないわ』
『そういうノッキー先生好きだけど、こんなとこで突っ張っても、時間と気力の無駄遣い。さっさとやっちゃおう』
 友子は、教室における教師の指導法のサイトを開き、ノッキー先生の心に響くキーワードを見つけ、先生の前頭葉にインストールした。

「あ……できちゃった!」

 ノッキー先生が声を上げた。
「えー、なんでだろう。頭の中グチャグチャだったのに、自然に書けちゃった……」
「先生、よかったら、かいつまんで教えてくれませんか?」
 大佛聡が、好奇心から聞いてきた。
「そうね、ようは言葉遊びみたいな指導法の否定」
「ほう……」
 大佛たち、クラスのインテリ数人が声を上げた。
「えっへん。昔は君たちの机の間をうろつくことを『机間巡視』って言いました。で、なんか上から目線な言葉なんで『机間指導』に変わり、もっと民主的にってことで『机間支援』になった。でも、先生は思うの、中身は同じ事だし、元来『教える者』と『教えられる者』には……誤解されるかもしれないけど、分際ってものがあると思うの」
「分際って、なんですか?」
「身の程って意味。欧米じゃ、わりに当たり前なのよ。学生はお金持ちの子でも旅行のときは、ファーストクラスは使ったりしない。学割で通学してる子は、電車の中じゃ、立ってる人がいたらぜったい座らない。これが分際。学割って、足りない分は税金で賄われてる国もあるのよ。むろん、その逆もね。教える分際なんだから、それだけの責任は果たしなさいって……わたし、なんで、こんな偉そうなこと言ってるんだろう?」
「ノッキー先生のは正論だと思います!」
 大佛くんが言いかけたのを、かっさっらって、王梨香さんが言って拍手になった。むろん、さっき心の中で友子と喋ったことは忘れている。

 この話には後日談がある。

 指導主事に飽き足らなくなった花高は、父が参議院選挙に出ることをうけ、都議会議員選挙に出ることになった。親子ともに自信満々だったが、議員として……というより、人としてどこか欠けることのある親子は、そろって落選した。

「政治家は、看板でなるもんじゃない。これで分かったろう!」

 初代のお祖父ちゃんから説教された親子は、祖父の命令で、ハローワークに行って仕事を探したのだったそうな。


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