大橋むつおのブログ

思いつくままに、日々の思いを。出来た作品のテスト配信などをやっています。

魔法少女マヂカ・223『ウフフ( ´艸`)とニカカ(*^曲^*)』

2021-07-22 14:11:15 | 小説

魔法少女マヂカ・223

『ウフフ( ´艸`)とニカカ(*^曲^*)語り手:ノンコ    

 

 

 笑う時の様子をニコっていうやんか。ニカっていうのもあるし。

 その違いは、口が開いてるかどうか。

 絵文字で書くとニコ(o^-^o)っとニカ(*^□^*)って感じです。

 つまりね、口が開いてるかどうかやね。

 

 平成に生まれて、令和で高校生やってるあたしらはニカ(*^□^*)っと笑う方が印象がええ。

 ニコ(o^-^o)っていうのは銀行の窓口のオネエサンとか、畏れ多いけど皇族のお姫さまとか。

 ニコ(o^-^o)では弱いと感じる。どないかすると「愛想笑い」はまだええほうで「目が笑ってない」と非難される。

 アイドルは絶対ニカ(*^□^*)っと笑わならあかん。どないかするとニカカカ(*^曲^*)いう感じで歯ぁむき出しで笑わんと好印象を持たれへん。われらが霧子は(*^□^*)か(*^曲^*)なんですわ。

 ところが、1923年の大正時代は、笑うは、こんな感じ( ´艸`)。

 手で口を押えて「ウフフ」と控えめに笑う。顔文字やさかい、うまいこと書かれへんけど、ハンカチとかを片手で持って口を押えて「ウフフ」と笑う。

 つまりね、大正時代は、歯を見せるどころか、口を開けて笑うのはメッチャ無作法。

 まして、震災後の奉仕活動で救援物資を配るのに笑顔はアカンのです。

 人が困っている時に笑顔とはなにごとかあ! と、怒られるんです。

 マッキントッシュ神父も、日本に来て勉強しはったんやね。

「はい、普段はアルカイックスマイルでいいんです。けどね、アクシデント、災害が起こった時などは、笑うダメです。ヘラヘラ笑う、不謹慎、人寄ってきません『人の災難笑う、何ごとかヾ(*`Д´*)ノ!』になります」

 

「わたくしたち、知らないうちに霧子さんに影響されたみたいで……」

 

 走り終わった徳川さんらが苦笑い。

「わたしのせい……かもね(-_-;)」

 霧子が凹む。

「ううん、わたくしたちはいいんです。学校もクラスも明るくていい雰囲気です。学校は外国人の先生や進歩的な先生方もいらっしゃって、笑顔でいることは、とてもいいことですっておっしゃるしね」

「そう、笑顔はいいことよヽ(#`Д´#)ノ!」

 ブリンダがこぶしを握る。

「震災で、みんな困ったり落ち込んだりでしょ!? お互い笑顔でいれば元気も出るってもんじゃない! ねえ、神父さま!」

「ミス・ブリンダ。その通りなんですが、郷に入れば郷に従えなんですよ」

「それでね、ご奉仕の前に体力を使って、笑顔を消しておこうということなのですよ」

「「「うんうん」」」

 学習院が揃って頷きやる。

「でもさ」

 マヂカが指を立てる。

「上野公園でボランティーアやったときは笑顔でやってなかった?」

 マヂカはずっと昔から魔法少女をやってて、困った時は、まず笑顔いう感じやねんやろなあ。

「おっしゃる通りなんでしょうけど、学習院の人たちは、すぐにニカ(*^◇^*)かニカカ(*^曲^*)になってしまいます」

 アハハハハ(*^曲^*)(*^曲^*)(*^曲^*)(*^曲^*)(*^曲^*)!

 あ、なるほど、みんな揃ってニカカや。

 霧子の影響恐るべしや。

 みんなで、教会の周りを走って、ニカカ笑いを封じたのでありました(^_^;)。

 

 

※ 主な登場人物

  • 渡辺真智香(マヂカ)   魔法少女 2年B組 調理研 特務師団隊員
  • 要海友里(ユリ)     魔法少女候補生 2年B組 調理研 特務師団隊員
  • 藤本清美(キヨミ)    魔法少女候補生 2年B組 調理研 特務師団隊員 
  • 野々村典子(ノンコ)   魔法少女候補生 2年B組 調理研 特務師団隊員
  • 安倍晴美         日暮里高校講師 担任代行 調理研顧問 特務師団隊長
  • 来栖種次         陸上自衛隊特務師団司令
  • 渡辺綾香(ケルベロス)  魔王の秘書 東池袋に真智香の姉として済むようになって綾香を名乗る
  • ブリンダ・マクギャバン  魔法少女(アメリカ) 千駄木女学院2年 特務師団隊員
  • ガーゴイル        ブリンダの使い魔

※ この章の登場人物

  • 高坂霧子       原宿にある高坂侯爵家の娘 
  • 春日         高坂家のメイド長
  • 田中         高坂家の執事長
  • 虎沢クマ       霧子お付きのメイド
  • 松本         高坂家の運転手 
  • 新畑         インバネスの男
  • 箕作健人       請願巡査
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ライトノベルベスト『リアクション・2』

2021-07-22 06:15:19 | ライトノベルベスト

イトノベルベスト

『リアクション・2』  

 




 今日の優奈は機嫌が悪い。

 どのくらい悪いかというと、掃除当番を忘れてしまうくらい悪い。

 同じ当番のマコが声を掛けようとしたが、あまりの機嫌の悪さに何も言えなかったくらい。

 駅前のコンビニに強盗が入ったが、運悪く逃げる途中優奈の顔をみてしまい、足がすくんで、すぐに御用になったぐらい。

 ホームで、恋人とスマホで話していたニイチャンのスマホに優奈の不機嫌オーラが伝わってしまい、電話の恋人が思わず電話を切ってしまったぐらい。

 電車に乗ったら、盗撮用のカメラ付きの靴をスカートの下に忍び込まされたが、無意識にカメラ付きの靴もろとも足を無意識に踏みつけ、犯人の足を複雑骨折させたぐらい。

 最寄りの駅に着くと、空にキラリと光るもの。その微かな眩しさが気に入らず、思わず爆発してしまえと思うくらい。

 キラリと光ったものは某国がアメリカに向けて撃った核ミサイルだった。

 折しも国家安全委員会では集団的自衛権を発動すべきかどうか論議の最中。急に某国のミサイルが爆発して消えたので大騒ぎ、アメリカからは感謝され、世界中が日本のミサイル迎撃技術が高いことと集団的安全保障に踏み切ったことに驚きと畏敬の目を向けた。

 なんで、こんなに機嫌が悪いのか。

 それは、学校で、学年一のイケメン杉井俊作がコクってきたからだ。それも授業が終わると直ぐに。

 まるでおとぎ話の王子さまが悩みの果てに、王座もなにも捨ててきたかのような真剣さで。でも、オレがコクったら、だれでも断るはずがないという自信をみなぎらせていた。

 優奈は、こういう男が大嫌いだ。

 お前なんか人間の資格無し!

 家で制服から私服に着替えながら、そう思った。

 その時、学校のグラウンドで、後輩達に理想的なスローインの仕方を見せていた俊作は、ボールを投げた瞬間カエルになってしまった。

 優奈は、ちょっと可哀想な気がして「人間の資格無し」は取り消した。俊作はすぐに元の俊作になり、本人も含め、誰も俊作がカエルになったことには気が付かなかった。

 人間辞めろは、やりすぎだと思い、優奈はいろいろ考えたが、眠りに落ちる寸前に思いついた。

 お前が男であるなんて許せない……!

 明くる朝、俊作は目が覚めると、いつものようにトイレに入ってビックリした。

 用を足そうとしたら、アレが無くなっていた……。

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ホリーウォー・12[新しい相棒は大阪の中小企業製!]

2021-07-22 06:04:41 | カントリーロード
リーォー・12
[新しい相棒は大阪の中小企業製!] 




 
「あたし貴美、キミちゃんて呼んでくれるぅ。今日からバディーやさかいによろしくね」

 これだけの言葉を言ううちに『赤い靴の女の子』は、みるみるブロンズ姿から普通の女の子の姿になっていった。今まで女の子の像があったところには、ちゃんとブロンズ像がもどっている。
 
 いや、元々あったのか、ヒナタには見当がつかない。
 
「……あなた、子どものガイノイド?」
「失礼な、あたしは10歳から100歳ぐらいまでの姿に擬態できるけど、デフォルトは17歳。ちょっと変えてみるわね」
 
 そう言うと、キミは、身長が伸びて髪の毛と顔の造作変わった。
 
「なるほど、昔の高橋みなみって感じになってきたね。スペック送ってよ」
「まあ、そこの氷川丸がみえるとこらへんで、ゆっくりと」
「ゆっくりって、アナログで話しするの?」
「デジタルの方がハッキングされる可能性が高いよってに」

 二人は、氷川丸に近い海辺の手すりに寄り掛かった。なるほど、周りには同じような友達同士やカップルがチラホラ見える。

「ヒナタちゃんらが、こんな目に遭うたんは、はっきり言うて東京ゲルの責任や。東京一極集中の弊害。で、これからのヒナタの活躍のためにも、今度のバディー(相棒)は大阪から出さならあかんて、大阪の中小企業のオッチャンらががんばって、うちを作ってん」
「キミちゃんて中小企業製なの?」
「なんやのん、その目ぇは(*’へ’*)。中小企業バカにしたらあかんよ。前世期に初めての民間人工衛星『マイド一号』造ったんは大阪の中小企業やで」
「ごめんごめん(^_^;)、そういう意味じゃないの。軍需用のアンドロイドとかガイノイドは技研とかの開発が多いじゃない。だから意外だったの。わたしのパーツだって一部は千住の職人さんが作ったのが入ってるから」
「あたしは、上から下まで、まじりっけなしの民需品。大阪の意地もあるねんけどね、これで名前上げたら、大阪の値打ち上がると期待してんねん。なんせ、前世期の大阪都構想から、大阪は傾きっぱなしでしょ。リニアも最初は名古屋までやったし、ここで一発いう気持ち大きいねん。むろんあの東京ゲルのテロで犠牲になった人らはかわいそうや。大阪でもそない思うてる。そやけど、これは大阪のチャンス……そう100%の善意からやない。せやけど、こういう『一発かましたろか』いう気持ちが道を開くこともあると思てるねん」
「うん、それは分かるけど」
「まあ、あたしと組んでやること見てて。期待に添えると思う……ところで、たこ焼きともんじゃ焼きやけど」

 いきなり話題が変わった。
 
 ヒナタはめんくらったが、すぐに上空36000キロに漢の偵察衛星が来ているのを感知した。今の偵察衛星は、地上の人間の唇の動きから、会話の内容を掴むぐらいは朝飯前である。キミはいち早く察知して、会話を暗号モードに変えたのである。

「たまには、中華もいいわね」

 暗号は、ごく自然に中華料理に変わり、二人は横浜の中華街に向かった。
 
「この白菜は、福島の仙台ゲル産やね」
 
 キミは、中華丼を食べながら、食材の産地を言い当てた。実際は仙台のどこかまでもわかっているが、そこまでは言わない。盗聴の恐れがあるところでは、スペックが分かってしまうようなことはしゃべらない。
 
「すごい、キミちゃんて、すごい食材オタクなんだ!」
「食べもんは、やっぱ大阪ですよって(^▽^)/」
 
 と、アヒル口になる。キミの身の丈に合ったかわいさである。
 
「あたしの7号サイズには、バルマを除いては、ヒナタ以上のアビリティー。大阪のオッチャンらが、どこまで小型軽量化できるか考えた末の産物。期待してね」

 それから車に乗って首都高を走った。

 トンネルを入った時は、ニッサンだったが出てきたときはホンダに変わって、二人の姿も男に変身していた。
 
 大崎ミッションが開始されたのだ。
 
 
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