もう一丁小鉋を持って来た。 刃幅36ミリ 銘 読めず 二枚刃平小鉋 である。 この鉋も二枚刃だが 裏刃を合わせる時、金槌で裏刃を叩いただろうが、その打痕が本場に残っている。 その場所が 銘の有る部分なので 銘が読めない状態だ。 それでも 銘の入るまともな鉋の様だ。 この鉋は耳を落として無かった。 耳の部分に鉋屑が引っ掛かって使い難いはずだが、どうした事だろうか。 まあ糸面取りに使っていたのだろう。 それ程使い込んだ様でも無いから まだ十分使える 小型の使い易いサイズの小鉋だろう。 台の上端に丸い傷跡が沢山ある。 何をした物か判らないが 鉋にこんな傷を付けるのは無神経と言うべきか。 道具は大事に扱うべきでは無いか。 これも極普通の小鉋だろう。 使用頻度もそれ程多く無いから、特別切れないと仕事に支障が出るという程の事も無いのだろう。 むしろ切れれば他の役物鉋に作り替える事も有るから、出来れば安く手に入れたいと言う事だと思う。
以前借りて来た 石堂鉋は返却した。 替わりにこの小鉋を借りてきた。 刃を研ぎ直して 整備する為だ。 銘は 国明 刃幅48ミリ 台は 丸栄 と成っている。二枚刃の平小鉋だ。 比較的まともで それ程傷んでないが、刃は矢張り 丸刃に研がれていた。 台の感じからするとそんな古い物では無い。 乾燥で台が収縮しているので刃の入る溝の脇を少し削り取ってやった。 これで台下端を修正したら 使えるだろう。 裏刃は 鉄板を折り曲げて安物鉋に使われて居る物が付属していた。 そんな高級品では無く 実用の普通の仕事鉋なのだろう。 早めに返却してやろう。