石墨の壁面がうすく切り取られ室内に直立してる。
石という無機と腐植を予想される肉体とが並置され埋め込まれている。
この時間差、普遍と思われる石と現象に過ぎない有機質の肉体が同列に固定されている。要するに《無時間》ではないか。
背景(窓外・外)は海を思わせるが、液体が壁面として留まることはない(遠近法的な暗示は見えない)
仮にこの青さを空だとしても床面まで空というもの不可解である。
室内は全て直線的であるのに、この対象物には直線が無くすべて曲線のみの構成である。直線は自然にはなく人工物のみに限られる特質である。
以上の条件を鑑みると、石(永遠)の中に身体をバラバラにして(男も女もなく)沈み込みたいという願望が浮上してくる。(女体に関しては、性的というより母恋い
の暗示ではないか)
『軽業師の休息』とは、およそ有り得ない不条理をあたかも在るかのように見せる軽業師の動きに酷似したわたくし(マグリット)の休息であります。条理を外した景色を堂々とお見せしている軽業師たるわたくし(マグリット)は、このような摂理を外した混沌の中でしか休息を得られないのであります。
(写真は新国立美術館『マグリット』展/図録より)
Rondo Capriccioso
ぎゆつくぎゆつくぎゆつくぎゆつく
あの木のしんにも一ぴきゐる
禁漁区のためだ 飛びあがる
(禁漁区のためでない ぎゆつくぎゆつく)
一ぴきでない ひとむれだ
☆黙って逸(隠している)
襟(心の中)の霊(死者の魂)の苦しみは秘(奥深くてはかり知れない)
襟(心の中)の霊(死者の魂)の苦しみは逸(隠れている)
「結婚式なんかあるものですか」
「ぼくが裏切ったというのかね」
フリーダはうなずいた。
☆「崇高な時代などではないわ」フリーダ(平和)は言った。