『L.H.O.O.Q』修正レディ・メイド:モナリザの複製画に鉛筆
モナリザの顔の口と顎に髭を描き加えて男の様相に変化させている。(男であっても不思議はないほどのムードを醸し出している・・・。)
男と女、人間であるという絶対的な共通条件のほかに何が違っているのだろう。染色体の46本のうち44本は常染色体であり、残りの2本が男女を決定づける性染色体だという。(男:XYのペア、女:XX)
ほんの少し、神様が悪戯をしたとしか思えないほどの差異が決定的な違いを生む。
ならば、少しほんの悪戯として髭を加筆してみたら、案の定、女性が男性になり、男女に境を消失している。
ただそれだけのこと・・・。
小さな違いに過ぎないのだ、と作家は呟く。決定は確定となり絶対として領域は区別される。
性の不平等、男女差別を排し、ジェンダー平等が叫ばれる今日、意識改革は正当な要求である。
ずっと、生まれたときから男女は違うと思って育ってきたのは、間違いだったのだろうか・・・この観念打破こそが新しい社会の礎になるはずである。
「LGBT」レスビアン・ゲイ・バイセクシュアル・トランスジェンダー・・・性的傾向、性自認・・・。
世の中の現象に目を開き、受け入れることで正しい社会に修正されていくことを願う。
写真は『DUCHAMP』ジャニス・ミンク(www.taschen.com)より