『エナジー・ヴォイド』
新見 隆・・・日本のグローガルアート十選より(日経)
新見隆の十選がスゴイ、最初の福田平八郎からズキンと来るものがあったけど、イサム・ノグチの『エナジー・ヴォイド』に至って、ああ、やっぱりの感。
花崗岩、360×300×90㎝って相当な大きさである、にもかかわらずマンハッタンにこれの3倍の大きさにして据えたかったという作品。
ここを通る時に感じる霊感、傾斜した開口には恐怖というか畏れがある。ここには密度の濃いエネルギーが潜んでおり、開口の風は魔の香りに満ちている。ブラックホールにも似た強力な吸引力は神がかり的な呪術を思わせる。
日本的かもしれない、鳥居をくぐる時に感じる神秘、霊感、異世界への誘い。
岩を掘る、こちらからあちらへと空間をつなげる媒体。一歩踏み入れるにはよほどの勇気と決心がいるのは、あちらには見えない闇が存在しているからである。未知との遭遇を誘う装置、まさに神の領域と言ってもいいかもしれない。微妙な傾斜が現実世界の潜在的な不安を表象しており、以下でも以上でもない心理的な計算を基にした形態(傾斜)である。
ここを通る時は、否、通ることを阻む超空間である。
写真は新見隆「日本のグローカルアート」より(日経新聞)
もちろんこんどは前よりひどく硝子につきあたってくゎくこうは下へ落ちたまゝしばらく身動きもしませんでした。つかまへてドアから飛ばしてやろうとゴーシュが手を出しましたらいきなりくゎくこうは眼をひらいて飛びのきました。
☆全ての章(文章)には化(教え導くこと)の絡(筋道)がある。
真の道(神仏の教え)は秘(奥深くてはかり知れない)。
趣(ねらい)を推しはかる眼(要点)は秘(人に隠して見せない)。
それにもかかわらず、わたしたちは、幸福なのです。この幸福はまるで自殺行為です!わたしたちはしようとおもえば、陳情者にほんとうの状況を隠しておくこともできます。相手は、自分ではほとんど気づいていないのです。
☆それにもかかわらず、わたしたちは運がいい。この幸運がどんな風に恐ろしいか。
わたしたちは真の境遇を秘密にすることもできます。相手が自身で認めることは殆どありません。