〈残り元素Ⅰ〉の謎が解けない。
非物質・・・精神だとして、人の心理にはどうしても細分化できない業の根源があるということだろうか。
喜怒哀楽・愛憎・・・人の心の奥底に潜む激震の起爆剤、何よりも強力な振動元。
死に直結する破壊力を持った闘争心。守備と攻撃、破滅にまで至る暴走。
〈切れる)という。自身の崩壊、究極のパニックがもたらす無謀。
哀惜、震える心の揺れ。精神の振動が景色(物理的条件)を変換する。戦禍の惨劇に実りはない。
死して元素に還る肉体に幻の元素(精神)は残らない。否、(残り元素Ⅰ)は霊媒として残存するのだろうか。
目に見えない哀れは、生々流転、歴史という時間の中に神秘の振動を伝えている。
写真は『若林奮 飛葉と振動』展・図録より 神奈川県立近代美術館
ところが聴衆はしいんとなって一生けん命聞いてゐます。ゴーシュはどんどん弾きました。猫が切ながってぱちぱち火花を出したところも過ぎました。扉へからだを何べんもぶっつけたところも過ぎました。
☆調べる趣(ねらい)は逸(隠れている)章(文章)にあり、冥(死後の世界)の悶(思いなやむ)談(話)である。
描かれた説(話)に化(教え導くこと)を推しはかる。
化(教え導くこと)の秘(人に見せないように隠す)は化(形、性質を変えて別のものになる)で、緒(糸口)を可(よしとする)。
お昼にちょっぴり疲れていたら、その日が幸福によどみなく経過しているということなのだ。〈ここのお偉がたは、いつでもお昼でいらっしゃるわい〉と、Kはひとりごちた。
☆真昼に少し眠気があれば、その日が幸福の中の自然な流れである。ここの人たちはいつでも真昼だとKは言った。
※(真昼に星は見えない)というフレーズがある。真昼には何か隠されているだろうか。