続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

若林奮『1-2-5』10×口Ⅳ

2019-09-30 06:32:43 | 美術ノート

   『1-2-5』10×口Ⅳ

 10×口って何だろう。
 作品は口から吐き出された息、あるいは口へと吸いこむ周りの空気だろうか。
 口(呼吸器官)には常に空気の振動があり、生命の基本、必須の働きとしての揺れがある。

 10という数字は何を示唆しているのだろう。
 10は「終わり、限り」を意味するが、単に「多いこと」だろうか。

《10×口》数えきれない、膨大な量(数)ということかもしれない。
 人は生まれながらにその生涯において、星の数砂の数ほどの呼吸(振動)を余儀なくされている。

 地球上の億という人々が各々空気を振動させている、振動は秘かにも至る所で発生しており、それが生きて在ることの証明でもある。


 写真は『若林奮 振動と飛葉』展・図録より 神奈川県立近代美術館


『忘れえぬ人々』3.

2019-09-30 06:21:17 | 国木田独歩

昨日降った雪が未だ残っていて高低定まらぬ茅屋根の南の軒先からは雨滴が風に吹かれて舞うて落ちている。


☆策(計画)は仮の考えの説である。
 魅(もののけ)の懺(罪の赦しを乞う)講(はなし)である。
 諦(真理)は定(決まって)亡(死ぬこと)也。
 千(たくさん)の有(存在)に適(当てはまる)。
 訃報(死去の通知)を推しはかる無の絡(すじみち)である。


『城』3272。

2019-09-30 06:12:32 | カフカ覚書

おまけに、置いたままになっている書類は、たいてい特別に大きな束だった。これは、ある種の自慢か悪意から、あるいは、同僚鼓舞をしようという正当な自負もあって、しばらくのあいだ置きっぱなしにしているのだろうとKは考えた。


☆その他の横たわっている(放置されている)文書は特別大きな包みで、自慢か悪意かあるいは権利を与えられることで一時的に平静になるようにという仕組みなのだとKは受け取った。