続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

若林奮『1-2-4』港に対する攻撃Ⅱ②

2019-09-25 07:06:45 | 美術ノート

 港…一冊の本で表象しているということは、世界観を言葉に換言できることを前提にしている。そういう歴史観である。

 港とは海と陸との接線であり、質も温度も異なる境界線である。
 その港を攻撃するものは何だろう、世界の破壊を余儀なくされる可能性を持った強い威力。

 当然、自然の猛威を予想する。雨風嵐・台風・地震の地球の揺れ(振動)。
 作品は外部からの攻撃である。地球内部の振動ではなく、外部からの攻撃。
 港とは海と陸との境であり、交易の場である、それを遮断するということだろうか。否、進入かも知れない。進撃の恐怖、歴史の変貌は常に外部からの圧力に因している。

『港に対する攻撃』、作品から見る攻撃は上から垂直に下りるものでなく、威力は予想されるが斜めからの力であれば、力は見た目以上に弱体化の態である。
 この風(攻撃)は自然ではなく、人為的なエネルギーかもしれない。人類が港(世界)を攻撃するということである。言い換えれば《自然破壊》

 海と大地とは常に揺れ動いている。港とはその総括であり、常に恐怖にさらされている。


 写真は『若林奮 飛葉と振動』展・図録より 神奈川県立近代美術館


『セロ弾きのゴーシュ』了。

2019-09-25 06:15:53 | 宮沢賢治

 そしてまた水をがぶがぶ呑みました。それから窓をあけていつかくゎくこうの飛んで行ったと思った遠くのそらをながめながら
「あゝくゎくこう。」あのときはすまなかったなあ。おれは怒ったんぢゃなかったんだ。」と云ひました。


☆推しはかり呑(他を取り込む)。双(二つ)の秘(人い見せないように隠す)講(話)は、詞(言葉)で縁(つながっている)。
 度(悟りの世界)を運(めぐらせている)。

※ゴーシュ(地球の精神)は、かっこう(死にゆく人)に、頑張れと励ましつつも涙していたはず。楽長(太陽)が率いる町の活動写真館(死者を悼み一つにまとめ導いていく、そして罪や過ちを許し眞正に入れ替える)には(トランペットはトから土星、クラリネット・木製だから木星、ボーボーは燃えるから火星、ヴァイオリンの二いろは水色と金色から水星と金星、そしてゴーシュは地球…惑星をそろえている)

 みんなで演奏した天体の音楽ショーはインドの虎狩り(雷)、大きな白いリボンをつけた人(司会者)はきっと月。しいんとなって一生けん命聞いていた聴衆は冥府の人たち。
 宇宙を舞台にしたドラマ、涙そうそう・・・胸が熱くなる物語でした。


『城』3269。

2019-09-25 06:04:32 | カフカ覚書

ドアがしまったままのところでは、ドアのまえに書類がていねいにつみあげられた。こういう場合、近所の部屋は、すでに書類が配達されているのに、ドアの動きがすくなくなるどころか、かえってはげしくなるようにおもわれた。


☆計画が閉じたところでは、綿密な記録が計画との仕切りに重なっていた。かかる死は計画の周りの激動で弱まることはなかったが、それにもかかわらず、すでに記録は分けられ、より早く強められるように見えた。