続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

若林奮『1-2-2』中に犬・飛び方②

2019-09-18 06:38:03 | 美術ノート

 中に犬、と指定された物体。手足が省略されている。確かに手足は飛行において不要であるが、ばねとして身体に機能するが、飛ぶ際には手足は身体と一つになるということなのか。

 飛び方・・・抵抗を最小限に抑えるだけでは浮上しない。(重力圏では)重力に抗し、空中で前進するエネルギーが必須となるが、風や浮力では重さを持った犬の場合、飛ぶことは難しい。飛ばされるのではなく、飛び方とは自ら飛ぶ意思を以て飛ぶ意であれば、生命力に潜むエネルギーを空中に費やすことであり、消費することである。

 つまりその生命体のエネルギーが、空気を振動させることで、犬は空中の空気を圧し破っていく。
 静止画像のような瞬時の空気の振動・・・犬の呼吸(熱気)は気泡となって上昇し、身体を浮上(持ちあげる)させるエネルギーは細分化して見ると明らかに均等を欠く。
『犬の飛び方』、犬(生命体)の形状を推して測った三本の支えの差異の所以であり、犬(生命体)の移動(飛び方=空中移動)を分析し、可視状態に刻んだ図である。


 写真は『若林奮 飛葉と振動』展・図録より 神奈川県立近代美術館

 


『城』3265。

2019-09-18 06:13:58 | カフカ覚書

それは、ピクニックに出かける支度をしている子供たちの歓声のように聞こえることもあれば、にわとり小屋の朝の目ざめのように、これからはじめる一日と完全に一致していることをよろこんでいるように聞こえることもあった。それどころか、どこかの部屋でにわとりの鳴き声を真似てみせる役人もあった。


☆先祖の傷痕は、小旅行の用意をする子供たちの歓声のように響くこともあれば、ほかの汚点(傷痕)で(舟などに)乗って出発するように、これからの一日と完全に調和していることを喜んでいるように響くこともあった。それどころか、どこかの大群は(舟などに)乗って行く叫びを真似する者もいた。