続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

M『媚薬』

2022-03-15 07:07:46 | 美術ノート

   『媚薬』

 岩石で設えた着衣が記念碑のように台座に鎮座している、これをもって『媚薬』と名付けたマグリットの想い。

 遥か遠い昔、人間なる生き物がいたという。その人たちは恋とか愛に心を熱くし、その身体を求め、果てに長い歴史を紡いでいたらしい。
 肉体への欲求、着衣の中の人間という生き物の習い・・・。

 恋慕、欲情、その類がこの着衣の中にあったという。昔々、人間という生き物が現存していたころのお話が、この着衣に遺っている。
 宇宙の中の奇跡ともいうべき風変りな生き物たちがいたことを語る遺跡である。
《媚薬という怪しいものが、精神という不可解なものに宿っていたらしい》いつか遠い未来での語り草である。


『飯島晴子』(私的解釈)紅梅を。

2022-03-15 06:47:22 | 飯島晴子

   紅梅を横着に見て山に入る

 紅梅を横着はコウ・バイ・オウ・ジャクと読んで、香、梅、旺、惹。
 見て山に入るはケン・セン・ニュウと読んで、軒、潜、入。
☆香る梅は旺(さかんに)惹きつける。
 (香りは)軒の潜(もぐり)入ってくる。

 紅梅を横着はコウ・バイ・オウ・チャクと読んで、更、倍、応、著。
 見て山に入るはケン・サン・ニュウと読んで、検、三、入。
☆更(入れ替えると)倍(増える)、応じて著(明らかになる)。
 検(調べると)三つが入っている。

 紅梅を横着はコウ・バイ・オウ・チャクと読んで、酵、黴、応、着。
 見て山に入るはケン・サン・ジュと読んで、顕、酸、需。
☆酵(酒の元)は黴(かび)に応(反応し)着(おちつく)。
 顕(あらわれる)酸(炭酸ガス)が需(必要)である。


吉川宏志(私的解釈)みずうみの。

2022-03-15 06:16:19 | 吉川宏志

 みずうみの岸にボートが置かれあり匙のごとくに雪を掬いて

 ボートは常に受け身であるが、まるで雪を掬ったように見える形である事への感慨。物が活動しているかの静かな錯雑の景。

 みずうみの岸(湖岸)はコ・ガンと読んで、固、岩。
 置かれあり(置有)はチ・ユウと読んで、地、湧。
 匙のごとく(匙如)はシ・ジョと読んで、弛、徐。
 雪を掬いてはセツ・キクと読んで、洩、危懼。
☆固い岩の地から湧(水が湧き出ている)。
 弛(ゆるんで)徐(ゆるやかに)洩(漏れ出していることを)危懼(あやぶみ怖れている)。

 みずうみの岸(湖岸)はコ・ガンと読んで、古、顔。
 置かれあり(置有)はチ・ユウと読んで、知、友。
 匙のごとく(匙如)はシ・ジョと読んで、死、如。
 雪を掬いてはセツ・キクと読んで、説、聞く。
☆古顔の知友の死(命がけ)の如き説(話)を聞く。

 みずうみの岸(湖岸)はコ・ガンと読んで、己、願。
 置かれあり(置有)はチ・ユウと読んで、治、憂。
 匙のごとく(匙如)はシ・ジョと読んで、姿、除。
 雪を掬いてはセツ・キクと読んで、切、聞く。
☆己(わたくし)の願いは、治(世の中がうまく収まり)憂(心配や苦しみ)の姿を除き、切(ひたすら)聞く(道を問うこと)である。