続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

『城』3658。

2021-05-25 06:23:45 | カフカ覚書

お内儀は、腰をかけるように、とKに長椅子をすすめた。自分は、立ち机のそばにある回転椅子に腰をおろした。
「仕立て仕事は、一度も習ったことがないのですか」と、お内儀はたずねた。
「ええ、一度もありません」
「じゃ、どんなお仕事をなさっているの」
「測量師です」


☆女主人は、Kを社会から追放された人かもしれないと見て、説教台のそばの回転いすに腰を下ろした。
「先祖の傷痕を皮肉ったことはありませんか」
「いいえ、一度も」
「では何をしていたのですか」
「土地がないことに気づいた者です」
※つまり放浪者ということ。


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