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原油相場急落、NY株急反発     No264

2004-12-02 10:48:08 | 経済学
学校で教えてくれない経済学・・・江嵜企画代表

 12月1日、NY原油先物WTI相場がバレル45.59ドルへ3.64ドル、
7.4%急落を受けて、NY株式市場は前日比164ポイント高と
急反発した。

 原油下落を受けて、暖房油もガソリン相場もつれて大幅に
下げた。

 NY株式市場はウオルマートの感謝祭(Thanksgiving)明けの
人の出足から11月の売上を下方修正したことを材料にNY株式市場は
値下がりしたが、昨日の原油急落で様変わりである。

 感謝祭明けのたった一日の出足で11月の予測をエコノミストは
下方修正した。それを見てNYダウが大きく下げる。NY株安を見て
日経ダウが連れ安する構図が相も変らず続いている。

 昨日今日のNY株の乱高下は、相場の世界というのはかくも慌しく
長期でものを見ていない世界であることを単純明快に教えてくれる。
今朝の日経ダウは、NY株高をみて上げるのであろうか。

 NY原油相場の急落の根拠は11月30日発表された米国原油在庫が
アナリストの予測の倍以上に増えたからである。予測が
外れるとあわてて売ったり買ったりする構図も相変わらず同じである。

 冬場を迎えて暖房用石油の需要は正に最盛期である。いつまた
在庫が減るかもしれない。その時は予想以上に少なかったと言っては
また原油相場の買い材料にするのであろう。

 世界最大の小売り企業、ウオルマートの業績が感謝祭明けの一日で
変るはずもないであろう。しかし一部のアナリストはウオルマートの客は
原油が上がれば可処分所得の分け前が燃料代やガソリン代に消えるから
と講釈をつけてウオルマート株の売り材料にしたのであろう。

 いずれにしろ、原油相場が2005年の景気絵動向を占う上での
キーワードであることには変りはない。

 OECD〔経済開発機構〕は、11月29日、2005年の世界の景気見通しを
原油相場高騰が続くとして下方修正した。

 2005年のユーロ圏12ケ国の景気見通しを5月に立てた予測の2.4%増
から1.9%増へ下方修正した。OECDは下方修正の理由に原油高騰と
ユーロ高を上げた。

 2005年の米国の景気見通しを当初見通しの3.7%増から3.3%増へ
下方修正した。日本については同じく2.8%から2.1%へ修正した。
一部のエコノミストによれば、OECDもIMFも当初の見通しが余りにも
楽観的に過ぎた。それを現実に合わせたに過ぎないと冷静である。

 日本では一端立てた見通しをなかなか変えない。日本人の気質が
そうさせるのであるが、状況が変れば見通しも変るのが当たり前であるが
日本という国ではこの当たり前のことがなかなか当たり前にならない。

 ところが日本という国は、OECDが修正したりアメリカが変更すると
平然と変える。そしてそのことを誰もとがめない。疑問にも思わない。
逆らうと変わり者にされるのが落ちである。

 企業でも同じである。役所の意見はどうかとか某大手研究所に
確かめたのかと部下を叱りつけてそれを上司の仕事にしている
御仁が非常に多い不思議な国である。

 話をOECDに戻す。レポートによればOECDは今回の下方修正の
根拠をここ数ケ月の原油高騰に置いたようだ。原油高が消費者や
経営者の信頼感にマイナスに働くと分析してている。

 原油相場は一時の高値バレル55ドルから下げたが中国などの
原油需要は根強く、その一方では、原油供給体制が需要の伸びに
追いつかないため高値安定が続くとの見通しである。

 OECDは、ロンドン市場での2005年のブレント原油相場を現在の
バレル45ドル並みの44ドルと予測している。ブレント原油相場は
2003年にはバレル27ドルであったが、30%値上りすると見て
2030年には35ドルと予測している。

 OECDは、原油先高の警戒感をなくしていない。この先原油相場が
値上りすれば2005年の米国、日本の景気見通しは半減すると予測している。
ユーロ圏では1.9%増が1.6%へ下がると予測している。

 余りに急激な原油高が一次的に景気にブレーキをかけた。だから
原油相場が値下がりをすれば米国、日本、ユーロ圏の景気は
2006年にかかえて穏やかに改善すると分析している。

 原油相場に加えてユーロ高がユーロ圏の景気のマイナス材料として
働くとOECDは指摘している。

 OECDは、米国の巨額の双子の赤字は、無限に続くものではないが、
少なくとも2006年まで続くと予測し、それがドル安を招き、ドル安から金利高
それがひては景気の足を引っ張るとドル安の世界景気に与えるマイナスの
影響を指摘している。

 OECDは、中国の景気見通しについて、2005年は年率8%増、2006年は
8.5%増とそれぞれ安定的に推移すると予測している。

 原油相場と為替相場が2005年も話題の中心を占めそうだ。(了)

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