学校で教えてくれない経済学・・・江嵜企画代表
2004年、NY株式市場で値上がり率上位の銘柄を
あげると、マクドナルド、ボーイング、エクソンモービルだと
今朝のテレビニュースで聞いた。
マクドナルドは、健康メニューを増やした、店内改装した、
若者に人気のコマーシャルソングを流したことが効いたらしい。
ボーイングはイラク戦争で軍需費が増えてその恩恵に浴した。
エクソンモービルは当然ながら原油がバレル55ドルと
史上最高値を更新したことが幸いした。
株価が全てではないが、株価が世相の一端を端的に
教えてくれるケースは結構多い。
12月28日、NY株式相場は、消費者信頼感指数が大幅に
改善し、しかも事前のエコノミストの予想をはるかに上回った
ことを好感して、78ポイント上昇、10,900ポイント寸前で
取引を終了した。
アメリカの民間調査機関、Confidence Boardは毎月、
5,000所帯を対象に消費者の信頼感をアンケート
調査している。
同調査によれば、信頼感指数は、10月92.9,11月92.6のあと
12月に一気に102.3へはね上がった。エコノミストは12月の
指数を94と予測していたから10ポイントも大きく外れたことに
なる。100ポイント越えは7月の105.7以来である。
消費者の信頼感改善は景気の底型さとそれに伴なう雇
用状勢が堅調に推移するとの見方が背景にあるようだ。
消費者が自信を回復すると、消費が増える。消費が増えると、
個人消費が米国のGDPの約2/3を占めるから、当然景気も
よくなる。株に先高感が生まれ、値上りしたと思われる。
薬の副作用で21ドルまで下げていたファイザー株が
26ドルまで値を戻している。企業買収をはやしてハイテク株が
NY株価上げの牽引車であるが、全体のムードが買い優勢だと
悪材料も霞んで、クリスマス休暇明け直後の薄商いも幸いして
値を飛ばしたようだ。
相場は人の心の鏡である。株価は半年先の景気を読むと
言われているから少なくとも2005年の前半まではアメリカの
景気は良しと見たのであろうか。
人間の気持ちほど当てにならないものはないというが、
日本では女心と秋の空と女心だけが変わり易い代名詞のように
使われる。
しかし、外国では、女も男も関係ない。人の心そのものが
そもそも変わり易い。それが株式相場に限らず相場の世界には
端的に現れるから面白い。
いまのNY相場は、全体のムードが買い方に味方している。
先の消費者信頼感指数は2002年前半の100ポイントを超えていた。
それが例の9.11テロ攻撃で一気に60ポイントまで低下した。
その後イラク戦争を経てじりじりと盛り返していた。
それが米大統領選を控えて不透明感が再び台頭、
信頼感指数もつれて低下していたが、ブッシュ再選で
不透明要因がとれ、それに原油相場の急落も加わって、
信頼感も再び回復、7月水準の100ポイント台まで
戻したことになる。
お神酒・徳利という言葉がある。お酒には徳利がつきもの。
消費者信頼感指数がお酒。NY株価は徳利。見事に連動している。
これはドルが下げると金相場が上がる動きと対照的である。
NY外国為替市場ではドル安が続いている。12月28日も
ドルが売られた。対ユーロで、1ユーロ=1.3614ドルと最高値を
更新した。対円では1ドル=103.12円だがドル安ムードは払拭
されていない。
米消費者信頼感指数が大幅に改善されてもドル相場は改善
しなかった。NY株が気前よく上げてもドル相場は上昇しなかった。
ドルを買うという気持ちが投資家心理として姿を消したからにほか
ならない。
健康メニューでマクドナルドが人気を取り戻しつつある。
戦争メニューでロッキードの業績は堅調を持続する。一時の
高値からは下げたが原油相場高値安定とみてエクソンモービル
株への買い気は衰えていない。
株価が全てではない。しかし株価が教えてくれることも
結構あることを見落としてはなるまい。(了)
2004年、NY株式市場で値上がり率上位の銘柄を
あげると、マクドナルド、ボーイング、エクソンモービルだと
今朝のテレビニュースで聞いた。
マクドナルドは、健康メニューを増やした、店内改装した、
若者に人気のコマーシャルソングを流したことが効いたらしい。
ボーイングはイラク戦争で軍需費が増えてその恩恵に浴した。
エクソンモービルは当然ながら原油がバレル55ドルと
史上最高値を更新したことが幸いした。
株価が全てではないが、株価が世相の一端を端的に
教えてくれるケースは結構多い。
12月28日、NY株式相場は、消費者信頼感指数が大幅に
改善し、しかも事前のエコノミストの予想をはるかに上回った
ことを好感して、78ポイント上昇、10,900ポイント寸前で
取引を終了した。
アメリカの民間調査機関、Confidence Boardは毎月、
5,000所帯を対象に消費者の信頼感をアンケート
調査している。
同調査によれば、信頼感指数は、10月92.9,11月92.6のあと
12月に一気に102.3へはね上がった。エコノミストは12月の
指数を94と予測していたから10ポイントも大きく外れたことに
なる。100ポイント越えは7月の105.7以来である。
消費者の信頼感改善は景気の底型さとそれに伴なう雇
用状勢が堅調に推移するとの見方が背景にあるようだ。
消費者が自信を回復すると、消費が増える。消費が増えると、
個人消費が米国のGDPの約2/3を占めるから、当然景気も
よくなる。株に先高感が生まれ、値上りしたと思われる。
薬の副作用で21ドルまで下げていたファイザー株が
26ドルまで値を戻している。企業買収をはやしてハイテク株が
NY株価上げの牽引車であるが、全体のムードが買い優勢だと
悪材料も霞んで、クリスマス休暇明け直後の薄商いも幸いして
値を飛ばしたようだ。
相場は人の心の鏡である。株価は半年先の景気を読むと
言われているから少なくとも2005年の前半まではアメリカの
景気は良しと見たのであろうか。
人間の気持ちほど当てにならないものはないというが、
日本では女心と秋の空と女心だけが変わり易い代名詞のように
使われる。
しかし、外国では、女も男も関係ない。人の心そのものが
そもそも変わり易い。それが株式相場に限らず相場の世界には
端的に現れるから面白い。
いまのNY相場は、全体のムードが買い方に味方している。
先の消費者信頼感指数は2002年前半の100ポイントを超えていた。
それが例の9.11テロ攻撃で一気に60ポイントまで低下した。
その後イラク戦争を経てじりじりと盛り返していた。
それが米大統領選を控えて不透明感が再び台頭、
信頼感指数もつれて低下していたが、ブッシュ再選で
不透明要因がとれ、それに原油相場の急落も加わって、
信頼感も再び回復、7月水準の100ポイント台まで
戻したことになる。
お神酒・徳利という言葉がある。お酒には徳利がつきもの。
消費者信頼感指数がお酒。NY株価は徳利。見事に連動している。
これはドルが下げると金相場が上がる動きと対照的である。
NY外国為替市場ではドル安が続いている。12月28日も
ドルが売られた。対ユーロで、1ユーロ=1.3614ドルと最高値を
更新した。対円では1ドル=103.12円だがドル安ムードは払拭
されていない。
米消費者信頼感指数が大幅に改善されてもドル相場は改善
しなかった。NY株が気前よく上げてもドル相場は上昇しなかった。
ドルを買うという気持ちが投資家心理として姿を消したからにほか
ならない。
健康メニューでマクドナルドが人気を取り戻しつつある。
戦争メニューでロッキードの業績は堅調を持続する。一時の
高値からは下げたが原油相場高値安定とみてエクソンモービル
株への買い気は衰えていない。
株価が全てではない。しかし株価が教えてくれることも
結構あることを見落としてはなるまい。(了)