ハリックの診断即治療&虹彩と、Kenさんの経済学&スケッチ

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株価と鎮痛剤          No 310

2004-12-19 11:05:55 | 経済学
学校で教えてくれない経済学・・・江嵜企画代表


 NY株式市場で、12月17日、ファイザー株が3ドル以上下げ
25ドルで取引を終了した。ファイザー株の値下りがNYダウ相場
引き下げにも大きく影響した。
 
 原因はファイザー社が市販しているCelebrexという
鎮痛剤(Painkiller)が臨床結果によれば心臓麻痺など
心臓障害で通常のケースの2.5倍の副作用があるとの
情報が表沙汰になった。それをファイザー社が記者会見で
正式に認めたことが株価下落の引きがねとなった。

 アメリカでは当たり前のことであるが何か少しでも
不祥事が出れば即株価に反映する。日本ではどうかなと、
今回のニュースを聞いて疑問に思ったものだ。

 アメリカでは個人資産の30%近くは株式や投資信託で
運用されているといわれる。そのため株価に国民レベルで
関心が高いようだ。

 日本では個人資産は圧倒的に貯金である。それも事実上
金利ゼロでただ預けているという日本の異常さにありながら
日本人は余り気付こうとしない。

 今回のファイザー社の副作用事件は米国の投資家心理に
深刻な影響を与えただけでなく、Celebrexを処方している
医師及び広く医療関係者にも不安心理が一挙に広がりそうな
気配である。

 経済も病気も人の心の持ち様で良くも悪くもなる。心配しながら
鎮痛剤を飲んでいると治る痛みもとれないであろう。安心して
飲んで初めて薬も効果が有る。心配しながらのんでいては、薬は
そのまま毒となる。

 クスリと言う文字をつらつら眺めてもらいたい。草冠に楽と書く。
薬草を飲めば痛みが和らぐ。文字通り楽になるから薬という文字が
生まれたのであろう。

 痛みを和らげるためにCelebrexを医者は患者に処方した。
ところが心臓発作や心筋梗塞など心臓疾患をもたらしたいう
からたまらない。痛み止めで痛みが出たのでは話にならない。

 インフォームドコンセプトにはなはだうるさいアメリカ社会では
患者と医師や薬剤師の間の意思の疎通は基本的に重要視される。
患者もショックなら医師もショックであろう。

 その一方、ファイザー株を薦めていたアナリストも運用を任されていた
機関投資家や値上りを楽しみにしていた個人投資家も当然ショック
であろう。

 株式の世界でも投資家(患者)とアナリスト(医者)の関係が基本的に
重要視される。しかし、一般論であり多少誤解を招くかもしれないが、
日本では、まだまだ、銘柄選択(薬の処方)については、アナリストや
証券会社のセールスマンに任せているケースが多いようだ。

 医療現場でも似たようなことが起こっている。日本では医者の言いなりに
なるケースが今もって多いのではないかと思うほど医療ミスが昨今頻発
していると伝えられる。

 日本では新聞やテレビ、ラジオで報道されたら事件になるが
報道されないと事件にならないから、医療ミスの実態ははるかに多いことが
十分想像できる。薬の処方となればほとんど患者の立場では防ぎ様がない
というのが実態であろう。

 自分の健康は自分で守ること。自分の資産も自分で守ること。
今回のファイザー社株の値下がりのニュースからも学ぶことは多いのでは
なかろうか。(了)

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