学校で教えてくれない経済学・・・江嵜企画代表
元大手証券会社のベテラン証券マンの知人から聞いた
話である。関西のさる高校で株式投資の講義をして欲しいと
校長先生から依頼があり、先日出かけたところ、一部の
生徒の母親から、受験の妨げになるから即刻取り止めて
欲しいと校長先生に抗議があったそうだ。
米国では子供のころから金銭感覚を養うという
ことで、学校で株式の勉強をするのは当たり前であるが、
日本では株式アレルギーが強過ぎるのか実現しないのが
現状のようだ。
12月16日、NY株式市場は、11月の米新規住宅着工件数が
年ベースで、ここ11年で最大の13%減少の弱材料と失業保険
申請件数がここ5ケ月最低となったこと、大型合併ニユースが
相次いでいるなど強弱まちまちの材料の出る中25ドル小幅
上昇した。
NY為替相場は、今年7~9月期の米経常赤字が
1,647億ドルへ拡大したが、予測の1,706億ドルを下回ったことを
材料にして、ドルは、1ユーロ=1.3292ドルと比較的堅調に推移した。
NY原油先物相場は、原油と暖房用油の在庫減少を好感して
バレル14セント高の44.35ドルで取引を終了した。
それぞれがその時々で理屈をつけ上げたり下げたりしているのが
相場のせかいであることがよく分かる。
先の米住宅着工件数では、『2004年は有史来の活況の年』と
位置付け、FRBの利上げにもかかわらず2005年も堅調を持続すると
強気の見通しも根強い。
米経常赤字問題では、ドル安をはやす向きは、その時々の赤字幅の
増減など問題にならない。米国への資金流入では埋めきれない深刻な
事態にアメリカが直面していると強調してドル安を支持している。
原油在庫では、冬場の最盛期に原油や暖房油の在庫が減るのは
当たり前で不需要期になれば在庫が増える。一時的な在庫の減少を
材料に原油相場をあげるには無理があると最近の原油相場反転を
疑問視している向きもある。
相場の世界では、極端に言えば見方の違いで上にも下にも
どうにでも理屈はつけられることを明快に教えてくれていることが
1日の相場をみるだけでもよくわかる。
ところで、日本では個人投資家を増やすべく、政府税調でも
税制面での優遇策を打ち出し株式投資を刺激しようとしている。
しかし日本人の株嫌いは相当なものである。米国と比べて
株を話題にするだけでも毛嫌いされるのがオチだろう。
動くものが生来苦手だ。だから株式投資などとんでもないと平気で
言う知人もいる。そのくせお金に全く関心がないかというととんでもない。
郵便局や銀行にせっせと通っては預金通帳を見ては安心している。
これほど矛盾した話はない。
一流の銀行や証券会社がおかしなことをするはずがないというひとが
結構多い。一流とか有名だとかいう御仁に限って安心できないことに
気付こうともしない。
オレ、オレ詐欺をもじってレオ、レオ詐欺という言葉が最近流行している
そうだ。最高値8,000円までつけた某電鉄株が12月16日上場廃止となる。
個人株主が集団訴訟をするとの話しもあるが先行きは全く読めないから
厄介な問題だ。
相場に限らず生きている限りリスクがつきものだ。お金も大事である。
受験も大事だろう。しかし一番リスクがあるのはひとの命であることを
学校でも家庭でも是非、教えて欲しい。(了)
元大手証券会社のベテラン証券マンの知人から聞いた
話である。関西のさる高校で株式投資の講義をして欲しいと
校長先生から依頼があり、先日出かけたところ、一部の
生徒の母親から、受験の妨げになるから即刻取り止めて
欲しいと校長先生に抗議があったそうだ。
米国では子供のころから金銭感覚を養うという
ことで、学校で株式の勉強をするのは当たり前であるが、
日本では株式アレルギーが強過ぎるのか実現しないのが
現状のようだ。
12月16日、NY株式市場は、11月の米新規住宅着工件数が
年ベースで、ここ11年で最大の13%減少の弱材料と失業保険
申請件数がここ5ケ月最低となったこと、大型合併ニユースが
相次いでいるなど強弱まちまちの材料の出る中25ドル小幅
上昇した。
NY為替相場は、今年7~9月期の米経常赤字が
1,647億ドルへ拡大したが、予測の1,706億ドルを下回ったことを
材料にして、ドルは、1ユーロ=1.3292ドルと比較的堅調に推移した。
NY原油先物相場は、原油と暖房用油の在庫減少を好感して
バレル14セント高の44.35ドルで取引を終了した。
それぞれがその時々で理屈をつけ上げたり下げたりしているのが
相場のせかいであることがよく分かる。
先の米住宅着工件数では、『2004年は有史来の活況の年』と
位置付け、FRBの利上げにもかかわらず2005年も堅調を持続すると
強気の見通しも根強い。
米経常赤字問題では、ドル安をはやす向きは、その時々の赤字幅の
増減など問題にならない。米国への資金流入では埋めきれない深刻な
事態にアメリカが直面していると強調してドル安を支持している。
原油在庫では、冬場の最盛期に原油や暖房油の在庫が減るのは
当たり前で不需要期になれば在庫が増える。一時的な在庫の減少を
材料に原油相場をあげるには無理があると最近の原油相場反転を
疑問視している向きもある。
相場の世界では、極端に言えば見方の違いで上にも下にも
どうにでも理屈はつけられることを明快に教えてくれていることが
1日の相場をみるだけでもよくわかる。
ところで、日本では個人投資家を増やすべく、政府税調でも
税制面での優遇策を打ち出し株式投資を刺激しようとしている。
しかし日本人の株嫌いは相当なものである。米国と比べて
株を話題にするだけでも毛嫌いされるのがオチだろう。
動くものが生来苦手だ。だから株式投資などとんでもないと平気で
言う知人もいる。そのくせお金に全く関心がないかというととんでもない。
郵便局や銀行にせっせと通っては預金通帳を見ては安心している。
これほど矛盾した話はない。
一流の銀行や証券会社がおかしなことをするはずがないというひとが
結構多い。一流とか有名だとかいう御仁に限って安心できないことに
気付こうともしない。
オレ、オレ詐欺をもじってレオ、レオ詐欺という言葉が最近流行している
そうだ。最高値8,000円までつけた某電鉄株が12月16日上場廃止となる。
個人株主が集団訴訟をするとの話しもあるが先行きは全く読めないから
厄介な問題だ。
相場に限らず生きている限りリスクがつきものだ。お金も大事である。
受験も大事だろう。しかし一番リスクがあるのはひとの命であることを
学校でも家庭でも是非、教えて欲しい。(了)