Watch your steps!!
日本語でいえばさしずめ「お足元にご注意ねがいます」
だろう。
米ワシントンDC駐在時代、市内のバスをたびたび利用した。
運転手のウオッチ・ユア・ステップスという声が
妙に今も耳元に残っている。
今朝のWSJ電子版の金融のページを開けたら
「70ドルショーに注意」というタイトルが目についた。
70ドルはいわずと知れた原油の値段である。インフレの
芽が原油高騰を引き金にじわじわと米国経済にしのびよって
きていることを警戒するレポートである。
8月の米消費者物価指数は、エネルギーと食料を除くコア指数
では1%増にとどまったが、全て含めれば0.5%増加した。
このままのペースで進めば年率4%のハイペースは避けられな
いと米金融関係者は株・債券相場の先行きを真剣に懸念してい
るようだ。
米FRB(連制準備制度理事会)は、年内さらに0.25%、残り
2度の会合で短期金利の誘導目標を引き上げるとの観測がもっ
ぱらだ。
先週末の10年物国債の利回りが年4.3%へはねあがったこ
ともインフレ懸念をいやがうえにも高めたようだ。
一方、NY為替市場では、このところ奇妙なドルの落ち着きが目
に付く。
週末のNY為替市場では、ドルは、1ドル=112.98円から
1ドル=113.52円まで買われた。対ユーロでは1ユーロ
=2045ドルから1.2021ドルわずかだが買われた。
ドルはここ一年、昨年10月から年末にかけては
ユーロ急騰、円連れ高で1ドル=100割れ寸前まで円が
買われた。以後一貫してユーロ売り、円連れ安の流れできて、
ここ2ヶ月、1ドル=113円をはさんで微妙な雲行きに
変わってきている。
しかし、今、ドルが今買われる材料はない。米国の経済指標の
なかで、8月の所得と消費が落ちたことは一番いやなデータだ
ったようだ。
にもかかわらずである。ドルがすべての通貨に対して買われた。
利上げ期待以外考えられない。
米国では利上げを武器に米国の財政赤字をファイナンスしょう
と必死である。
日本では敵は本能寺という言葉がある。
いま米国ではけだし「敵はインフレ」とでもいうのであろう。
インフレとはお金の目減りである。外国からの資金をつねに
米国へ惹きつけておこうとする米国金融当局のぎりぎりの
選択が利上げであろう。
こういう議論も懸念も日本ではお目にかからないから実に不思議だ。
なぜなら日本では国債の発行残高はGDPの170%を占める
という、ある種破産国であり、米国の財政赤字を心配する余裕
は日本にはないからだ。
天文学的数字の日本の国債残高を解消するには日本の国債を
外人に買わせる、いえ、いえ、買っていただく武器は利上げ
以外考えられない。
利上げは国債相場下落につながるのは経済学のイロハである。
Watch your steps:70$Show.
(70ドル原油ショー:お足元をご注意願います。)
日本人にとっても他人事ではないだろう。
円相場が1ドル=110円そこそこで安定しているから
いまの日本はまだいい。想像するだけでも怖いが、
これが1ドル=120円、130円とソロリ、そろりと
円が安くなるとどうなるか。
小泉首相が、かたくなに任期1年と言うのも、日本の財政破綻
を考えればわかりすぎるほどはっきりしている。(了)
日本語でいえばさしずめ「お足元にご注意ねがいます」
だろう。
米ワシントンDC駐在時代、市内のバスをたびたび利用した。
運転手のウオッチ・ユア・ステップスという声が
妙に今も耳元に残っている。
今朝のWSJ電子版の金融のページを開けたら
「70ドルショーに注意」というタイトルが目についた。
70ドルはいわずと知れた原油の値段である。インフレの
芽が原油高騰を引き金にじわじわと米国経済にしのびよって
きていることを警戒するレポートである。
8月の米消費者物価指数は、エネルギーと食料を除くコア指数
では1%増にとどまったが、全て含めれば0.5%増加した。
このままのペースで進めば年率4%のハイペースは避けられな
いと米金融関係者は株・債券相場の先行きを真剣に懸念してい
るようだ。
米FRB(連制準備制度理事会)は、年内さらに0.25%、残り
2度の会合で短期金利の誘導目標を引き上げるとの観測がもっ
ぱらだ。
先週末の10年物国債の利回りが年4.3%へはねあがったこ
ともインフレ懸念をいやがうえにも高めたようだ。
一方、NY為替市場では、このところ奇妙なドルの落ち着きが目
に付く。
週末のNY為替市場では、ドルは、1ドル=112.98円から
1ドル=113.52円まで買われた。対ユーロでは1ユーロ
=2045ドルから1.2021ドルわずかだが買われた。
ドルはここ一年、昨年10月から年末にかけては
ユーロ急騰、円連れ高で1ドル=100割れ寸前まで円が
買われた。以後一貫してユーロ売り、円連れ安の流れできて、
ここ2ヶ月、1ドル=113円をはさんで微妙な雲行きに
変わってきている。
しかし、今、ドルが今買われる材料はない。米国の経済指標の
なかで、8月の所得と消費が落ちたことは一番いやなデータだ
ったようだ。
にもかかわらずである。ドルがすべての通貨に対して買われた。
利上げ期待以外考えられない。
米国では利上げを武器に米国の財政赤字をファイナンスしょう
と必死である。
日本では敵は本能寺という言葉がある。
いま米国ではけだし「敵はインフレ」とでもいうのであろう。
インフレとはお金の目減りである。外国からの資金をつねに
米国へ惹きつけておこうとする米国金融当局のぎりぎりの
選択が利上げであろう。
こういう議論も懸念も日本ではお目にかからないから実に不思議だ。
なぜなら日本では国債の発行残高はGDPの170%を占める
という、ある種破産国であり、米国の財政赤字を心配する余裕
は日本にはないからだ。
天文学的数字の日本の国債残高を解消するには日本の国債を
外人に買わせる、いえ、いえ、買っていただく武器は利上げ
以外考えられない。
利上げは国債相場下落につながるのは経済学のイロハである。
Watch your steps:70$Show.
(70ドル原油ショー:お足元をご注意願います。)
日本人にとっても他人事ではないだろう。
円相場が1ドル=110円そこそこで安定しているから
いまの日本はまだいい。想像するだけでも怖いが、
これが1ドル=120円、130円とソロリ、そろりと
円が安くなるとどうなるか。
小泉首相が、かたくなに任期1年と言うのも、日本の財政破綻
を考えればわかりすぎるほどはっきりしている。(了)