10月14日のNY株式市場は、二週間の低迷のあと、70.75ドル上昇し、10,287ドルで取引を終了した。
米労働省は、9月の消費者物価指数が、1.2%上昇したと発表した。1980年3月以来の高い伸び率となったが、12%上昇したエネルギー指標が上昇幅の90%以上占めた。エネルギーと食料指数を除くコア指数は0.1%の伸びにとどまった。
エネルギー指標上昇の裏には、ガソリン相場が、17.9%上げ、史上初のガロン3ドルを超え、天然ガスの値段は12.1%上げ、13ドルを突破したことが影響している。
しかし、原油高を声高に問題にするが、いままでが余りにも安すぎた。ガソリンはガロン1.5ドル台、天然ガスも2ドル前後で推移していた。その反動が一気に出た。教育費や医療費の上り方は尋常でなく、原油の比でない。原油高、インフレ懸念を強調しての利上げ継続は妥当でないという見方も米国には根強く存在しているようだ。
ところで、10月14日のNYダウ反発の背景のひとつとして、米巨大企業(コングロマリット)のGE(ゼネラルエレクトリック社)が、2005年第3四半期について好決算を発表した。これが、週明けから相次ぎ予定されている米主力企業決算発表を控えて、株式市場が企業業績好転に期待感を膨らませたのかもしれない。
NY原油先物(WTI)相場は、在庫増から供給不安解消に働いたことと一部原油ブローカーの信用不安を材料に、バレル45セント下げ62.63ドルで取引を終了した。一時61.50ドルまで値下がりした。しかし、一部ディーラーは、原油相場が下げる理由はどこにもないと先高を主張しているとWSJ電子版は紹介している。
米FRBは、インフレ懸念を強調して、11月1日予定のFOMC(公開市場委員会)で短期の目標金利を0.25%上げたあとも利上げ継続を9月20日発表の議事録のなかで明言している。
NYダウはインフレ懸念、利上げ継続を嫌気して下げてきた。そのNYダウが2週間ぶりで気前のよい値上がりを示した。これはいっときの気まぐれの反発か。それとも流れの変化のシグナルなのか。
米国経済の先行きを占う意味からもNYダウの動向から目を離すことは出来ない。(了)
作者・江嵜企画代表 Ken
米労働省は、9月の消費者物価指数が、1.2%上昇したと発表した。1980年3月以来の高い伸び率となったが、12%上昇したエネルギー指標が上昇幅の90%以上占めた。エネルギーと食料指数を除くコア指数は0.1%の伸びにとどまった。
エネルギー指標上昇の裏には、ガソリン相場が、17.9%上げ、史上初のガロン3ドルを超え、天然ガスの値段は12.1%上げ、13ドルを突破したことが影響している。
しかし、原油高を声高に問題にするが、いままでが余りにも安すぎた。ガソリンはガロン1.5ドル台、天然ガスも2ドル前後で推移していた。その反動が一気に出た。教育費や医療費の上り方は尋常でなく、原油の比でない。原油高、インフレ懸念を強調しての利上げ継続は妥当でないという見方も米国には根強く存在しているようだ。
ところで、10月14日のNYダウ反発の背景のひとつとして、米巨大企業(コングロマリット)のGE(ゼネラルエレクトリック社)が、2005年第3四半期について好決算を発表した。これが、週明けから相次ぎ予定されている米主力企業決算発表を控えて、株式市場が企業業績好転に期待感を膨らませたのかもしれない。
NY原油先物(WTI)相場は、在庫増から供給不安解消に働いたことと一部原油ブローカーの信用不安を材料に、バレル45セント下げ62.63ドルで取引を終了した。一時61.50ドルまで値下がりした。しかし、一部ディーラーは、原油相場が下げる理由はどこにもないと先高を主張しているとWSJ電子版は紹介している。
米FRBは、インフレ懸念を強調して、11月1日予定のFOMC(公開市場委員会)で短期の目標金利を0.25%上げたあとも利上げ継続を9月20日発表の議事録のなかで明言している。
NYダウはインフレ懸念、利上げ継続を嫌気して下げてきた。そのNYダウが2週間ぶりで気前のよい値上がりを示した。これはいっときの気まぐれの反発か。それとも流れの変化のシグナルなのか。
米国経済の先行きを占う意味からもNYダウの動向から目を離すことは出来ない。(了)
作者・江嵜企画代表 Ken
団子3兄弟という言葉が日本で流行したのはかれこれ4~5年前であるが、現在の日本の株式市場堅調地合いを支えているのは、①「オイルマネー」、②「団塊マネー」そして最後が③「郵政マネー」の資金元、新団子三兄弟だと指摘する証券アナリストが出てきた。
「オイルマネー」はいわずと知れた産油国が棚ぼたで手に入れる無尽蔵のマネーである。
「団塊マネー」は、戦後60年経ち終戦直後にどっと生まれた世代が定年退職を迎えて手にするであろう退職金マネーである。「郵政マネー」は、郵便貯金190兆、簡保いれれば優に300兆あるといわれるお金目当てに、10月1日からスタートした郵便局の窓口での投資信託販売から証券市場へ流れるであろうマネーである。
「オイルマネー」は、OPECを例に取れば日量3,000万バレルとして、バレル10ドル上がれば、単純計算で一日3億ドル、365日でOPECだけで1,000億ドルのお金がたまる。非OPEC代表のロシアも実生産ではサウジ並みの日量1,000万バレルといわれるからサウジ同様、棚ぼた資金でいい暮らしを始めたようだと外電は伝えている。
サウジがこの8月に公務員給与を15%引き上げた話や、ロシアのプーチン政権が安定しているのも原油で稼いだ豊富な資金量がものを言っていると指摘するアナリストは多い。
ロシアのプーチン大統領が近々来日するらしいが、石油のことで頭がいっぱいで日本が期待する領土問題など目じゃないというのが実態らしい。
ところで、9月末の投信販売の残高が、7月から5%増え48兆円を超えたそうだ。ゼロ金利が2006年にはいっても継続される気配濃厚で、「郵政マネー」が、投信経由で株式市場へ流れこんでくる可能性が高い。
証券業務が解禁された銀行も黙っておれない。軽率にはものは言えぬが、銀行は預金者の懐丸見えで、団塊世代の退職金がそのまま投信経由で株式へ流れる下地作りに着々と知恵を絞っているに違いない。
株式にはリスクはつき物である。しかし、日本人は決めるまでは時間がかかる。しかし、一端流れが出来ると、我先にと見境なしに、けじめなく、株式市場へ資金が流れ込む可能性がきわめて高い国民性の持ち主であるから怖い。
相場の世界では「買うリスク」と「買わないリスク」ということばがある。最近の株式市場の動きを見ていると、「買うリスク」と「買わないリスク」がせめぎあいをはじめた気配が感じられる。ニューマネー、団子三兄弟にスポットがますます当たりそうだ。(了)
「オイルマネー」はいわずと知れた産油国が棚ぼたで手に入れる無尽蔵のマネーである。
「団塊マネー」は、戦後60年経ち終戦直後にどっと生まれた世代が定年退職を迎えて手にするであろう退職金マネーである。「郵政マネー」は、郵便貯金190兆、簡保いれれば優に300兆あるといわれるお金目当てに、10月1日からスタートした郵便局の窓口での投資信託販売から証券市場へ流れるであろうマネーである。
「オイルマネー」は、OPECを例に取れば日量3,000万バレルとして、バレル10ドル上がれば、単純計算で一日3億ドル、365日でOPECだけで1,000億ドルのお金がたまる。非OPEC代表のロシアも実生産ではサウジ並みの日量1,000万バレルといわれるからサウジ同様、棚ぼた資金でいい暮らしを始めたようだと外電は伝えている。
サウジがこの8月に公務員給与を15%引き上げた話や、ロシアのプーチン政権が安定しているのも原油で稼いだ豊富な資金量がものを言っていると指摘するアナリストは多い。
ロシアのプーチン大統領が近々来日するらしいが、石油のことで頭がいっぱいで日本が期待する領土問題など目じゃないというのが実態らしい。
ところで、9月末の投信販売の残高が、7月から5%増え48兆円を超えたそうだ。ゼロ金利が2006年にはいっても継続される気配濃厚で、「郵政マネー」が、投信経由で株式市場へ流れこんでくる可能性が高い。
証券業務が解禁された銀行も黙っておれない。軽率にはものは言えぬが、銀行は預金者の懐丸見えで、団塊世代の退職金がそのまま投信経由で株式へ流れる下地作りに着々と知恵を絞っているに違いない。
株式にはリスクはつき物である。しかし、日本人は決めるまでは時間がかかる。しかし、一端流れが出来ると、我先にと見境なしに、けじめなく、株式市場へ資金が流れ込む可能性がきわめて高い国民性の持ち主であるから怖い。
相場の世界では「買うリスク」と「買わないリスク」ということばがある。最近の株式市場の動きを見ていると、「買うリスク」と「買わないリスク」がせめぎあいをはじめた気配が感じられる。ニューマネー、団子三兄弟にスポットがますます当たりそうだ。(了)