米GDP3.8%増、NYダウ大幅高ー学校で教えてくれない経済学

ホワイトハウス内のごたごた、利上げ懸念でイライラ続きのNYダウは、米商務省が２００５年７～９月の米GDP速報値が前年比３．８％増と発表後、じりじり値を上げ、今年二番目の上げ幅、前日比１７２．８２ポイント上昇して取引を終了した。

取引時間中、CNNテレビはCIA工作員情報漏えい疑惑による、チエイ二ー副大統領補佐官のルイス・リビー氏起訴のニュースを特番で流していたが、投資家は無視した。

ただ、１１月１日予定のFOMC（連邦公開市場委員会）で短期の目標金利であるFFレートが０．２５％引き上げ年４．０％の後の米国の金融政策を見極めたいとする投資家の空気も強く、大幅上昇、大幅下落を続ける、不安定な相場展開が相変わらず続くとする弱気の見方も消えていない。

１０月２８日、NY原油先物相場(WTI)は、バレル１３セント上げ、バレル６１．２２ドルで取引を終了した。

バレル６０ドルをはさんで上にも下にも動きづらい相場展開を続けている。石油の値段は
先の新高値バレル７０．８５ドルで天井をつけたとするアナリストも出てきている。
ただ、中国、インドの根強い需要や米国のガソリン節約を疑問視する見方から原油相場は高値圏で推移するとの見方も根強く残っている。

１０月２８日、NY為替市場では、１ドル＝１１５．４６円から１ドル＝１１５．６５円へドルは小幅上げた。対ユーロでも、１ユーロ＝１．２１３９ドルから１ユーロ＝１．２０６６ドルへドルは小幅上げた。

為替相場は、１ドル＝１１５円、１ユーロ＝１．２ドルをはさんでの狭いレンジの中の動きが続いている。ただ、日米金利差拡大から日本から米国への資金流失がこのところ加速化しているという見方から、目先１ドル＝１１８円までのドル上昇を唱えるアナリストは多い。

カトリーナ、リタと相次いだハリケーン被害が尾を引くことを投資家は心底心配していた。ところがふたを開けてみれば、米GDPが前期の３．３％増から３．８％増へ拡大である。投資家心理を大いに刺激したことは間違いない。

ワシントンDCの周りにはBeltway（環状高速道路）が走っている。副大統領補佐官の起訴は「Beltwayの出来事。Business優先」と投資家は米GDP３．８％増を受けて、まずは良かった、よかったと素直に喜んだのかもしれない。相場は人の心の鏡である。（了）