WSJ紙電子版(10月25日)によれば、欧州では、鳥インフルエンザ流行を懸念して鶏肉消費が最近、急速に落ちてきていると報じている。
イタリアの全国鶏肉組合UNAによれば、一部の鶏肉卸売り業者では、8月末から売り上げが約40%落ちたと話している。
ベルギーでは、家禽加工連合会専務理事、Ann Truyenさんによれば、2,800軒の家禽業者の集計では、10月17日から同24日の1週間で売り上げが25%落ちた。
スイスでは、スイスラジオによれば、スイス生活共同組合調べの鶏肉販売高が10月21日以降ほぼ20%減少した。
ドイツでは、家禽卸市場での先週末の調査によれば、同市場の家禽の売り上げが、推定で30%減り、加工鶏肉の売り上げは15%減少した。ただ、鶏卵の売り上げは逆に増加した。興味深いことに、放し飼いの鶏の卵よりケージ物(鶏舎内産)卵へ消費者の嗜好が移ってきていると同組合事務局のHans-Wilhelm Windhorst氏の話をWSJ紙は紹介している。
欧州各国政府は、養鶏業者に対して、全ての家禽を戸外に放置せずケージ(鶏舎)に入れ、渡り鳥との接触を防ぐよう通達を出したようだ。国境のない渡り鳥相手だから始末が悪い。
クロアチア自然公園で白鳥が死亡したが、検査の結果、鳥インフルエンザH5N1ウイルスが確認されたとクロアチア政府が10月25日発表した。これに先立ち、ロシア、トルコでも死んだ渡り鳥に鳥インフルエンザビールスH5N1が確認されたとWSJ紙が報じている。
鳥インフルエンザH5N1死亡者数は、2003年以降、アジアで約60人以上といまのところ確認されている。欧州ではH5N1ウイルスによる死亡は確認されていない。
欧米で1918年にかけて大流行したスペイン風邪で1,000万人以上が死亡した記録がある。鳥インフルエンザウイルスが鳥から鳥、鳥から人、人から人へ突然変異して大流行するのではないかと、熱を通して食べれば問題ないにもかかわらず、欧州の消費者が、スペイン風邪再来の恐怖感から、ここへきて鶏肉販売の減少に拍車をかけているようだ。
日本ではどうだろうか。ことさら危機感を煽る必要はないが、日本という国はことが起らないと行動しない。日常出来ていないことが咄嗟の時に行動できるわけがないだろう。(了)
イタリアの全国鶏肉組合UNAによれば、一部の鶏肉卸売り業者では、8月末から売り上げが約40%落ちたと話している。
ベルギーでは、家禽加工連合会専務理事、Ann Truyenさんによれば、2,800軒の家禽業者の集計では、10月17日から同24日の1週間で売り上げが25%落ちた。
スイスでは、スイスラジオによれば、スイス生活共同組合調べの鶏肉販売高が10月21日以降ほぼ20%減少した。
ドイツでは、家禽卸市場での先週末の調査によれば、同市場の家禽の売り上げが、推定で30%減り、加工鶏肉の売り上げは15%減少した。ただ、鶏卵の売り上げは逆に増加した。興味深いことに、放し飼いの鶏の卵よりケージ物(鶏舎内産)卵へ消費者の嗜好が移ってきていると同組合事務局のHans-Wilhelm Windhorst氏の話をWSJ紙は紹介している。
欧州各国政府は、養鶏業者に対して、全ての家禽を戸外に放置せずケージ(鶏舎)に入れ、渡り鳥との接触を防ぐよう通達を出したようだ。国境のない渡り鳥相手だから始末が悪い。
クロアチア自然公園で白鳥が死亡したが、検査の結果、鳥インフルエンザH5N1ウイルスが確認されたとクロアチア政府が10月25日発表した。これに先立ち、ロシア、トルコでも死んだ渡り鳥に鳥インフルエンザビールスH5N1が確認されたとWSJ紙が報じている。
鳥インフルエンザH5N1死亡者数は、2003年以降、アジアで約60人以上といまのところ確認されている。欧州ではH5N1ウイルスによる死亡は確認されていない。
欧米で1918年にかけて大流行したスペイン風邪で1,000万人以上が死亡した記録がある。鳥インフルエンザウイルスが鳥から鳥、鳥から人、人から人へ突然変異して大流行するのではないかと、熱を通して食べれば問題ないにもかかわらず、欧州の消費者が、スペイン風邪再来の恐怖感から、ここへきて鶏肉販売の減少に拍車をかけているようだ。
日本ではどうだろうか。ことさら危機感を煽る必要はないが、日本という国はことが起らないと行動しない。日常出来ていないことが咄嗟の時に行動できるわけがないだろう。(了)